SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2026年8月14日

#1029 箸本 龍雅 『自分のカラーを濃くしていく』

昨シーズン、全試合出場を果たした箸本選手。さらにその先へ向かっていくための、課題と決意を聞きました。(取材日:2026年7月中旬)

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◆求められたことを1年間やり続ける

――2025-26シーズンは全試合に出場しましたが、どんな気持ちですか?

メンバー選考に絡めて全試合に出場できたことは、結果としてそうなっただけですけれど、良かったと思います。リザーブとしてのプレーを求められることが多く、その中で自分は何をやらなければいけないかを常にコーチと話をして、それを実行していくということを、1年間通して一貫して出来たことが、そういう結果に繋がったのかなと思います。
チームから求められていることではないことを自分が望んでいる時、例えばスタートからプレーしたいという、そういう個人的な感情がある時、それをしっかりと押さえながら、チームから求められたことを優先して1年間やり続けるという状態が、昨シーズンだったと思います。結果的に全試合出場することになったということで、良かったと思いますが、決して満足しているということではありません。

――それはもっとプレーしたいという感情ですか?

もちろんプレータイムは、もっと欲しいと思っています。自分としても、もっとスタートで使いたいと思われるようなプレーをしなければいけません。普通のプレーをやっていたら、いろいろなポジションも出来るという部分で、リザーブになる確率が高くなると思うので、自分にも責任があると思っています。

――リザーブで出場する時に、いちばん求められることは何ですか?

19番で出ることが多くて、リザーブのロックの練習を中心にしていますが、試合では外国人枠の関係もあるので、バックローで出る可能性もあります。練習でやっていないことを試合でやらなければいけないという状況になるので、準備の段階でロックのリザーブだけじゃなく、練習でやっていない他のポジションの動きも頭に入れておかなければいけません。それが、僕がリザーブに入る役割として、準備が必要なところだと思います。

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◆ポジティブで良い方向に

――リザーブとしての大切な心構えは?

受け入れることを優先して、それをなるべく自分の中でポジティブな方向に考えて、また月曜日からそれに集中するという感じです。毎回、月曜日か火曜日のメンバー選考の時にリザーブとわかって、それも自分の与えられた役割と考え、家で気持ちを整理して、また試合に向けて準備するという感じです。

月曜日の準備で受け入れ、その後の自分が取る行動、発言が、結局は自分をポジティブにさせてくれます。ネガティブなことを考えず、自分で自分をコントロールしてポジティブでいた方が、振り返った時に、そういう行動を取っていたおかげで良い方向に転ぶと思います。それを求めてポジティブにしているわけではありませんが、ポジティブでやっていた方が何かと良い方向に転ぶように思います。

毎週、監督やコーチとミーティングして、「今週はこれをやって欲しい」と言われて、そこで求められたことにフォーカスしてやっています。仕事としての意識が強く、自分はこれを求められているからこれをやらなければいけないという感じですね。そうやって準備して、試合に出た結果、「準備してきたことをもっと試したかったな」という時にはガッカリしますし、悔しいです。

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◆いちばんは自分らしさ

――試合中は相当動いていますよね

そこももっともっと伸ばせると思って、オフシーズンでのモチベーションとして取り組んでいます。そこを周りから評価してもらうこともあるのでありがたいんですが、自分がそれに満足してしまうと成長できないと思うので、自分の中ではもっともっと伸ばさなければいけないところだと考えています。

――他にどういうところを伸ばさなければいけないと思っていますか?

やっぱりいちばんは自分らしさというところで、もっとボールキャリーで自分の色が出せると思います。3位決定戦のワイルドナイツ戦では何度か出すことが出来て、良い感覚を掴めそうなところがあったので、そういう自分の色を出していくというところです。あとはフォワードなので、フィジカルのところでもっともっとディフェンスで改善しなければいけないところがあって、1対1で絶対に前で止めるとか、そこは来シーズンに向けて意識を強く持ってやっていかなければいけないと思っています。

――引き続きディフェンスは自分のひとつのポイントですか?

ひとつのポイントではありますが、タックルの精度を上げて、止めるだけじゃなくドミネートして相手を前に出させないということを、やっていかなければいけないと思います。

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◆出来ない自分から出来る自分

――今まででいちばん印象に残ったのが、2024-25シーズンのブレイブルーパス戦とのことですが、それを超える試合はありましたか?

ベースが積み重なって、その時のレベルよりも昨シーズンのどの試合でも、個人としてのレベルは確実に良くなっています。あの試合は、それまで自分で満足する活躍が出来ていなくて、とても手応えを掴んだ試合として印象に残った試合です。

いま振り返ってみたら、まだぜんぜん出来ていないと感じる部分もあると思いますし、いま見返したらぜんぜんダメだと思うかもしれません。当時、印象に残ったというのは、出来ない自分と思っていたところから、出来る自分と一瞬思えた試合みたいな。

――つまりやるべきことが見えたということですか?

そうですね。ブレイブルーパスは優勝していたチームですし、急きょスタートから出場することになって80分プレーするチャンスをもらえたということで、「ここでやらないとダメだ」という意気込みもあって、結果的に手応えもありました。

――2025-26シーズンではその時のレベルは超えたということですね

はい。そこのベースが上がって来ていて、他のチームとも戦える自信もあるけれど、リザーブで役割としての準備もめちゃくちゃしている中で、それを発揮する時間がめちゃくちゃ短いとなると、悔しいです。あとは使われるようになるには、自分のカラーを濃くしていくしかないと思っています。メンバーに選ばずにはいられない、という状況になることを目指しています。

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◆何のためにやっているのか

――ジャパンXVに呼ばれましたね

追加召集で呼ばれました。ずっと選ばれたいと思っていた場所で、その場の雰囲気やどんな感じでラグビーをやっているのか、実際に行って体感できましたし、通用しないとは思いませんでしたが、超速と言っているだけあって、キツい中で動き続けなければいけないところを、まだまだやり続けなければいけないと感じました。

5日間で帰ってくることになりましたが、それもトレーニングのモチベーションが上がるきっかけになりました。そういう理由で、オフシーズンでも目標が見えているので、ただ走るのではなく何のためにやっているのか、それがオフシーズンでのエネルギーになっています。

――キツい中で動き続けるためにまだまだやり続けなければいけない部分は、質ですか?量ですか?

量ですね。量と言ってもいろいろありますが、やっぱり高強度で、強くぶつかることと軽くぶつかるのとでは、消耗が違うと思います。フォワードなので、強い強度を出して、その後に休むんじゃなくて、その強度を何回もやるということが、まだ自分の中では苦手なので、キツい状況で耐えてやり続けられるか、という部分です。

――耐えるのは得意なのでは?

ぜんぜん得意じゃないと思ったので、頑張ったんです。

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◆優勝しかない

――次のシーズンに向けて、サンゴリアスの一員としてどんなことを考えていますか?

自分自身、先ほど言ったところを、色濃くしていかなければいけないのかなと。今は特にポジションにこだわりはないので、外国人枠も関係なく、選手として外国人だろうが日本人だろうが、良い選手を使って欲しいと思っています。

――前回のインタビューで相手の映像をよく見て分析するようになったと言っていましたが、2025-26シーズンではどうでしたか?

それはベースとして、通常通りと言う感じです。ルーティーンになっています。

――来シーズンはどうなっていきたいですか?

チームとしては優勝しかないです。2025-26シーズンで言うと、トップ3のチームとは少し力の差があったのかなと思いました。その差を埋めるためには、戦術だけじゃなく、ひとりひとりのベースを上げていかなければいけないと思うので、個人としては練習の量とトレーニングの量は絶対に増やさなければいけないですし、そういうところをモチベーションにしています。

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◆向かう方向性が定まった

――表情を見ていて顔つきが以前よりさらにしっかりした感じがしますが、心境の変化がありましたか?

向かう方向性が定まった感じはあります。自分のラグビーに対する取り組み方ですね。2025-26シーズンはロックでプレーしたことによって、選手としての幅が出来たと思います。ロックが出来るフランカーとフランカーしか出来ないのでは、ぜんぜん違うと思うので、そういう部分でもプラスがあったシーズンだったと思います。

その武器を持って、もっと自分の色を出していきたいと思います。自分の色を出さなければ、中心にはなっていけないと思います。年代的にも若手ではなくなってきているので、自らリーダーをやりたいとは思わないですけれど、日々の行動や発言は意識していかなければいけないと思っています。

リーダーは大学まではやっていましたけれど、その時を振り返っても何を意識していたとかはあまりないので、本格的にやるとすればまたいちから学ばなければいけないと思いますし、そういう面でも課題もたくさんあると思うので、気持ちとしてはチームを前に進めるような役割を、普段の行動や発言から見せられればと思います。

――ファンの皆さんに来シーズン期待して欲しいところは?

アタック、ゲインライン、ディフェンス、ドミネート、ジャッカルで、明確に存在感を出すことです。それが出来るフォワードって、絶対にチームから求められると思います。選考以前に、まずは自分がそうならなければいけないと思っているので、成長に対して意識高くやっていきたいと思います。

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(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]

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