2026年7月10日
#1024 福田 健太 『ラグビー観が変わった』
2年間サンゴリアスに在籍し、35試合に出場した福田選手。「子どもの頃にいちばん最初に買ったジャージがサンゴリアス」と語る福田選手に、その心境を語ってもらいました。(取材日:2026年6月中旬)

◆どうやってゲームを80分間組み立てるか
――残念ながらチームを離れることになりましたが、今の心境は?
こういう決断に至り、2年間という短い時間でしたが、もちろん寂しさはありますし、本当にサンゴリアスに来て良かったと思っています。
――どこがいちばん良かったですか?
今のメンバーに出会えたこともそうですし、いちばん大きいところではラグビー観が変わった2年間でした。前のヴェルブリッツにいた時は若かったので、自分がどんどんゲインラインを突破することを考えていましたが、サンゴリアスに来てからは、どうやってゲームを80分間組み立てるか、どうやってチームをコントロールしていくか、キックでどうやって前に出すか、そういうところを1週間かけてどうやって準備していくかを、たくさん学べました。
2年目になって、よりチームに馴染んで、フィニッシャーとして入ることが多かったですけれど、自分がやらなければいけない仕事は、1年目よりも出来たと思います。メンバー外になった試合もありましたが、あの時は1ヶ月くらいキックのバランスが崩れていて、それをコスさん(小野晃征)からも言われていましたし、自分でもキックの調子が良くないと思っていました。身体のコンディション的には問題なかったんですけれど、もう一度見つめ直す良い時間になったと思います。
見つめ直してみて、昔よりも良い感覚になったと思います。自分のラグビーのどこを伸ばさなければいけないかと言えば、キックのところはもちろんそうですし、取り組まなければいけなかった課題を、克服できたという感じはあります。

◆2年間で成長したところ
――他にも課題はありますか?
パスのスピードやランは自分の強みではあるんですけれど、もう少しブレイクダウン周りのところですね。サンゴリアスに入って良くなったと思うところは、誰かが抜けることを予測しながらインサイドでサポートにつくところで、そこはとても成長できたと思います。あとはブレイクダウン周りを見ながら、どう突破していくか。9番としてのランを脅威にするためには、そこがもう少し課題かなと思います。強みの部分ではあるんですけれど、もっと出していきたいと思います。
今までは自分のランで抜くぞという部分のプライオリティが高すぎたんですが、ゲームコントロールなどを学べてきているので、ゲームを80分間組み立てている中で、常にスペースを探し続けて、どうやって自分のランを出すかが課題だと思います。
プレーオフ準々決勝では、そこは上手く出せたかなと思います。そしてインサイドサポートが出せたと思うのは、2節目のヴェルブリッツ戦。晟也さん(尾崎)が抜けて僕がインサイドでサポートして、あの場面は予測しながらランコースを走ることが出来ましたし、そこは2年間で成長したところです。

◆サンゴリアスは勝たなければいけない
――2年間を流選手と一緒にやってみてどうでしたか?
9番としてのラグビーの考え方を、2年間かけて変えられたきっかけになった人です。ヴェルブリッツからサンゴリアスに移ってくる時にもキッキングゲームを学びたいと思ってきましたし、そこも含めて考えた方を変えられたのかなと思います。
――シーズンを振り返って、4位という結果についてはどうでしたでしょうか?
個人としてもチームとしても、望む結果ではありませんでしたし、小学校からラグビーを始めてずっとラグビーを見てきた中で、常にサンゴリアスは優勝争いを続けているチームで、負けているイメージがないチームです。よくコスさんやナギー(流大)も言いますけれど、サンゴリアスは勝たなければいけないチームですし、そういうところは取り戻さなければいけないサンゴリアスのカルチャーだと思います。
それを達成できずにチームを去ることについて、残念な気持ちはあります。サンゴリアスは勝たなければいけないチームですし、ファンの皆さんからも勝ちを求められているチームですし、それを達成できなかった責任も感じていますし、情けなさも感じています。

◆ラグビー観を学べた
――移籍を決断したのは、どういう思いがあったんですか?
この2年間でラグビー観を学べた部分があるので、それをしっかりと試合に出て発揮したいと思っています。あとはキャリアとしての集大成に入ってきていると思いますし、まだ少し早いかもしれませんが、経験したことを発揮するところに来ていると思うので、そういう部分が大きいかと思います。先発でもっと試合に出たいという思いもあります。
――日本代表については?
日本代表についてはスコットから外れることになりましたが、ぜんぜん諦めていませんし、日本代表への意欲がなくなった時はブーツを脱ぐ時だと思うので、サンゴリアスを離れても、常にサンゴリアスのハングリーさを持って、常に狙っていきたいと思います。

◆この特別なチームでラグビーが出来たことに感謝
――チームや選手たちへのメッセージをお願いします
まずはサンゴリアスに温かく迎え入れてくれて感謝していますし、本当に素晴らしいチームメイトとラグビーが出来たことに、とても感謝しています。カッキー(垣永真之介)や亮土さん(中村)、ナギー、マツさん(松島幸太朗)のワールドカップを一緒に戦ったメンバー、日本のラグビーの歴史を築き上げた人たちと一緒にラグビーが出来て、本当に幸せな時間でした。本当にサンゴリアスのメンバーとしてラグビーが出来て楽しかったです。
ファンの人たちも望んだ結果ではなかったと思いますが、常に温かい声をかけてくれたことに対しても、本当に感謝しています。チームは変わりますが、僕にとってもサンゴリアスは特別なチームで、僕が子どもの頃にいちばん最初に買ったジャージがサンゴリアスです。
この特別なチームでラグビーが出来たことに感謝しながら、ここで学んだことを次のチームでもしっかりと出していきたいと思います。僕もしっかりと成長して、サンゴリアスと試合が出来る日を楽しみにしています。
――サンゴリアスと試合をする時にはどんな気持ちになると思いますか?
サンゴリアスは特別なチームなので、不思議な感覚になるとは思いますが、そこはチームとしてのバトルになります。試合をする時には、しっかりと成長したと思われるようなパフォーマンスを発揮したいと思いますし、試合ではバチバチとやり合って、ノーサイドになったら、またみんなと楽しく話しながら、ビールを飲めたらと思います。

(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]