品質保証部門
トップメッセージ
All for the Quality
すべては、
品質のために
上新原 十和
執行役員 グループ品質本部長
「品質保証」という言葉に、製品の検査や最終チェックなど、生産工程における品質業務や安全・安心の確保を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし私たちはそれだけにとどまらず、お客様に“おいしさ”や“感動”をお届けすることこそが、サントリーの品質保証の本質だと考えています。
「サントリーの製品は、いつもおいしい」
「サントリーの製品は、いつも安心できる」
そうお客様に感じていただけることが私たちの誇りであり、品質保証の使命です。
そしてこの想いを「All for the Quality」(すべては品質のために)という品質方針に込め、私たちはグループ全体で日々の業務一つひとつに取り組んでいます。この方針には「すべての活動は品質のためにある」という、創業以来変わらぬものづくりへの覚悟が込められています。
私たちは、製品に“不具合がない”という当たり前の品質を、バリューチェーン全体で丁寧に築き上げています。そしてその確かな土台の上にこそ、お客様の想像を超える“おいしさ”や“感動”といった価値を重ねることができると考えています。たとえば、新鮮なまま届くビールの仕組みや、時間が経っても香りが落ちないお茶の開発など。目には見えない“品質に対する驚きや喜び”を、お客様の飲用の瞬間まで届けたい。その”飲用時品質“に責任を持ち、確実につなげていくことこそが、品質保証の役割です。
そのため、品質保証は研究・開発・生産・流通・販売といったすべてのバリューチェーンにおいて、密接な連携のもと、ものづくり全体に関与しています。研究所での成分分析や工場での検査体制はもちろんのこと、原料の調達段階から商品設計・製造設備、店頭や飲食店での提供状態まで、グループの一人ひとりが“品質の担い手”であることを意識しながら、「昨日を超えるおいしさ」「想像を超える感動」を生み出し、お客様の期待を超える体験を創造していきたいと考えています。
このようなバリューチェーン全体での品質保証の取り組みを支えているのが、部門横断で組織される品質会議や連携体制です。各部門がそれぞれの課題や成功事例を共有し、取り組みの精度やスピードを磨いていく。そしてその中核に、サントリーグループ全体の課題やリスク抽出、トラブルの未然防止を俯瞰的に管理する「品質保証委員会」を設置し、トップマネジメントも含めた全社的な品質マネジメント体制を確立しています。
サントリーグループは現在、80ヵ国以上に製品を展開しており、売上収益の50%以上をグローバル市場が占めています。世界中のお客様に、おいしさや付加価値の高い製品、安全で信頼できる製品をお届けするため、核となるグローバル共通の品質方針を定め、各国・地域ごとの法規制、文化、生活習慣、嗜好の違いを尊重したローカライズを推進しています。そして「品質は人がつくる」という思想のもと、サントリーならではの“品質カルチャー”を各国・各拠点の仲間と共有し、現地での実践へとつなげるためのネットワーク構築も進めています。たとえば、現地スタッフへの品質教育や、拠点間でのナレッジ共有の仕組み化、品質に対する価値観を共有する場の設計など、“ローカルからグローバルへ、グローバルからローカルへ”という両方向の取り組みを大切にしています。また近年では、品質保証領域へのAIやデジタル技術の活用も進んでいます。人とデジタル、それぞれの強みを活かしながら、お客様の期待を超える品質をこれまで以上に高いレベルで実現していくことが、これからの品質保証の在り方です。
食品・飲料業界で万が一の事態が起きれば、業界全体への信頼が揺らぎかねません。だからこそ私たちは、業界団体や他社との連携も大切にしながら、業界全体の品質レベルを、ともに高めていきたいと考えています。
創業者・鳥井信治郎が掲げた「信用こそ第一」の精神は、今も品質保証の中核に息づいています。これからも私たちは、「All for the Quality」のもと、期待を超える品質で、お客様の信頼に応え続けてまいります。
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