社長のおごり自販機事例
雑談が増えると職場は変わる。
満足度改善の背景にあった仕掛け
「社長のおごり自販機」を
導入した結果
課題
効果
移転期の変化と人員拡大により、組織内のつながりや役割の見え方が曖昧に。
おごり自販機が交流のきっかけとなり、自然な会話や笑顔が戻る環境に。
日常のコミュニケーションも生まれにくく、オフィスに集まる意味が感じづらい状況になっていた。
部署や立場を越えたつながりが生まれやすくなり、“集まる理由”を持てる職場へと変化した。
課題
効果
移転期の変化と人員拡大により、組織内のつながりや役割の見え方が曖昧に。
おごり自販機が交流のきっかけとなり、自然な会話や笑顔が戻る環境に。
課題
効果
日常のコミュニケーションも生まれにくく、オフィスに集まる意味が感じづらい状況になっていた。
部署や立場を越えたつながりが生まれやすくなり、“集まる理由”を持てる職場へと変化した。


管理部 Employee Success 土井さま
業種IT・SaaS
ご利用規模約150名(導入時)
導入時期2025年3月
(2月末移転に合わせて開始)
導入目的業員満足度の向上/出社促進
移転を機に150名規模へ拡大したIT企業。駅直結の旧オフィスと比べると、周辺利便性は控えめな新拠点に。同社では職場環境を改革する「ワーキングチーム」を組織し、新オフィスの一つの目玉企画として“社長のおごり自販機”を導入。設置後は共用スペースでの雑談と笑顔が自然に生まれ、職場環境満足度が76→84へ上昇。形骸化させない運用の工夫も含め、導入の裏側を伺いました。
導入のきっかけと、当時の課題を教えてください。
2月末のオフィス移転に伴い、「来たくなるオフィス」をつくる施策群の一つとして導入しました。新ビルには自販機がなく、設置の必要性もありました。
加えて、150名規模への移行期で事業部が増え、「誰が何をしているか」が見えにくくなっていました。コミュニケーション好きな文化はある一方、執務エリアでは気兼ねして雑談が生まれにくい。移転によって駅直結・商業施設併設という旧拠点の利便性が薄れた分、来たくなる理由づくりと横のつながりの再設計が必要でした。
他サービスとの比較や、選定のポイントは?
一般的な自販機や仲介会社も一通り比較しました。初期・運用コストが抑えられる選択肢もありましたが、私たちの目的は「ただ飲み物を置くこと」ではなく、コミュニケーションのきっかけを増やすこと。そこに直結するプロダクトである点が決め手でした。
承認プロセスは、CEO・CTO直下でスムーズでしたが、「費用対効果」と「形骸化しないか?」は経営の懸念でした。ここはドリンク全体(ウォーター+コーヒー+おごり自販機)の総額で投資枠を設定し、その中で最適配分を設計。加えて、運用側で継続的に施策を打つ前提を共有し、納得感を得ました。
社内への周知や運用の工夫を教えてください。
ワーキングチームを組成し、Slackでは全社メンションで積極発信。新入社員のオンボーディングではオフィスツアー内に「実際に自販機を使う体験」を組み込んでいます。商品の入替は社内投票やアンケートを反映し、「自分たちで選ぶ」感覚を演出。雨の日は人気商品がすぐ無くなるほど、利用は日常化しています。
イベント面では、提案テンプレートを活用した「ビンゴ」などの軽量施策を実施。ルール微調整はあるものの、運営負荷は最小限で、むしろチーム内の会話が増える副次効果もありました。会議前のアイスブレイクとして「自販機前で一杯」も自然に定着しています。
定性的・定量的な変化は?
共用スペースでの雑談と笑顔が目に見えて増えました。「飲み物選び」を合図に声を掛けやすくなり、執務と雑談の切り離しが上手くいった印象です。新メンバーにも「まず一緒にやってみよう」と声がかかり、ハードルが下がりました。
定量面では、職場環境への満足度(Wevox相当指標)が76→84へ上昇(移転直後から約半年)。全体スコアの伸び以上に、環境満足が大きく改善しました。単体効果の厳密な切り分けは難しいものの、ドリンク施策やランチ施策など複合施策の中で、おごり自販機が“人が集まる起点”として寄与した手応えがあります。
印象的なエピソードはありますか?
ビンゴ期間は共用スペースに人が集まり、「誰かいる?」「一緒にやろう」と声が飛び交いました。日常でも会議前にペアで利用する光景が増え、自然なアイスブレイクに。採用候補者や来訪客から「面白い取り組みですね」と話題の糸口にもなっています。
形骸化への対策と、今後の期待は?
頻度や仕掛けの“揺らぎ”を意図的につくることが鍵です。たとえばマッチング頻度を週1から月1へ可変にして広がりを促す、役員と話す機会を増やす「無限カード」や「シャッフル」機能を計画的に活用する、などです。
運用の高度化という点では、部署・入社期別の利用傾向が見える管理機能があるとPDCAが回しやすくなります(個人特定までは不要)。「利用済み」簡易表示や、将来的なボスマート連携の検討も、利用体験の幅を広げると感じています。
最後に、これを“単なる福利厚生”で終わらせず、出社動機と横断連携を生む装置として位置づけ続けること。人員増でも会話の熱量を保つための“要(かなめ)”として活用していきたいです。
編集後書
移転で失われがちな「偶然の会話」を、あえて自販機の前に再配置した同社。数字(76→84)だけでなく、笑顔と声の往来が増えたという実感が印象的でした。運用の工夫を積み重ね、“来たくなる職場”を仕組みで作る——その地道さが成果を支えていると感じます。