山崎蒸溜所便り
ブレンダーに直撃!「山崎蒸溜所限定ウイスキー」の秘話
2025年7月18日
こんにちは、水野めぐみです。
山崎蒸溜所の辺りでも、湿度の高い蒸し暑い日が続き、夏を感じるようになりました。この季節も、ウイスキーにとって大切な時期となります。日本で貯蔵され、日本の四季によって生み出される熟成感も、そのウイスキーの魅力の一つとなるのです。
山崎蒸溜所限定ウイスキー
今回は山崎蒸溜所でつくられる数あるウイスキーの中から、山崎蒸溜所のギフトショップでのみお取り扱いしている「山崎蒸溜所限定ウイスキー」について、ブレンダーの高木さんに話を聞いてきました!お客様からのお問い合わせが多いウイスキーですので、皆さんの中にも気になっていた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ブレンダーの高木さん
水野「まずは、高木さんの入社してからの経歴について教えてください。」
高木「2005年に入社し、最初の配属は白州蒸溜所でした。2007年に山崎蒸溜所に異動して、ブレンダー室配属になったのは2011年からです。そこから13年間は『角瓶』をメインで担当し、2024年9月から『山崎蒸溜所限定ウイスキー』を含むシングルモルトウイスキーを担当するようになりました。」
水野「『山崎蒸溜所限定ウイスキー』は、場内のギフトショップでもお買い求めいただく方が多く、テイスティングラウンジでも人気なのですが、味わいはどのようなものなのでしょうか。」
高木「『山崎蒸溜所限定ウイスキー』は、シングルモルトウイスキー『山崎』とは異なり、スモーキーな原酒とスパニッシュオーク樽原酒の組み合わせを前面に出した製品です。スモーキーさを出しつつ、スパニッシュオーク樽原酒となじんで突出しすぎない柔らかさを表現しています。山崎モルトの重厚さとスモーキーの厚みが相まって、とても味わい深いウイスキーだと思います。」
「山崎蒸溜所限定ウイスキー」をテイスティング
水野「スパニッシュオーク樽原酒をメインに使用している『山崎18年』は凝縮されたドライフルーツのような甘さがありますが、『山崎蒸溜所限定ウイスキー』はコーヒーのようなほろ苦さを感じます。同じスパニッシュオーク樽原酒をメインにしているのに、どうしてこのような味わいの違いが出るのでしょうか。」
高木「同じスパニッシュオーク樽でも、熟成年数や熟成環境によって味わいが異なります。この『山崎蒸溜所限定ウイスキー』は、力強いシングルモルトの個性を大切にしています。しかし、その力強さを表現する時に、ほろ苦さや木香が強すぎると渋みやえぐみに繋がり、調和が取れなくなってしまいます。逆に控えめすぎると、熟成感が欠けてしまう。この微妙なバランスを見極め、鼻にスッと入ってくる心地よい木香を目指してブレンドしています。」
水野「シングルモルトウイスキー『山崎』の重厚感とともに、独特なスモーキーさを愉しみたい方におすすめですね。では、『山崎蒸溜所限定ウイスキー』のおすすめの飲み方を教えてください。」
高木「やはり、そのままの味わいを愉しんでほしいので、ストレートかロックがおすすめですね。どちらの飲み方も、ゆったりとした時間の中でじっくり味わっていただきたいです。」
貯蔵庫で樽を確認している様子
水野「最後に、蒸溜所便りの読者の皆さんにメッセージをお願いします。」
高木「山崎蒸溜所は、100年以上の歴史の中で多くのチャレンジを続けてきました。ウイスキーは熟成に時間がかかり、すぐには結果が出ないお酒ですが、先輩方が紡いできた原酒を大切にしながら、後輩たちに新たな香味の種をまいていきたいと思っています。これからも皆さんに高品質のウイスキーをお届けしますので、どうぞご期待ください。」
いかがでしたでしょうか。
ウイスキーの話には真剣でありながらも、終始笑顔で対応してくれた高木さん。「山崎蒸溜所限定ウイスキー」に対する高木さんの想いを聞き、私もこのウイスキーの魅力をもっとお客様にお伝えしていきたいと思います。
山崎蒸溜所にご来場の際は、ぜひ「山崎蒸溜所限定ウイスキー」を購入いただき、このウイスキーだけの特別な味わいをお愉しみください。
※ご来場には事前予約が必要です。詳細は山崎蒸溜所ホームページでご確認いただき、予約のうえご来場ください。
