SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2018年8月17日

#598 『「運」を引き寄せる努力』

畠山健介 × 金井健雄 × 長友泰憲 第2回

畠山健介選手・金井健雄選手・長友泰憲選手、同期で日本人最年長のトリオ。後半になるに従ってますます白熱していく3選手の対話をお届けします。(取材日:2018年7月23日)

①180703_7953.jpg

◆パッと入った時にパッとできる

――みんなレギュラーとしてサントリーでずっとやってきて、なかなかレギュラーを取れそうで取れない選手との違いは何だと思いますか?

畠山:僕は「運」だと思います。もちろん準備ありきの運ですけれど、はっきり言ってどのポジションが空くかは分からないですし、ずっと出ていた人が怪我で急に空く時もあって、その時に準備をしていなかったらパフォーマンスなんて出せませんし、逆に準備していても空かない限り、チャンスがもらえない限り、その選手は入れません。だから、僕は努力しつつ運が巡って来た時に噛み合うかだと思います。

金井:運と言うか、結構チャンスはそれなりに来るものだと思うんです。怪我人って結構ババッと出たりして、それで穴埋め。まず努力しているのが前提なんですけれど、努力しているから「お前使ってみよう」となった時に、結果を出せるかどうかだと思います。チャンスがもらえた時にそこで結果が出せる人、出せない人。

チャンスを掴める人って、そこでちゃんと自分が出た時の想定ができている人だと思うので、その準備ができていたら、その時点で出られるチャンスはだいぶ増すのかなと思います。だから、運的要素はだいぶあるんですけれど、その運はちゃんとしている人からすれば、結構確率の高い運ではあるかなと思います。

畠山:運はコントロールできないから、コントロールできるのは準備する段階なので、そこだと思います。自分でできる準備はしっかりとコントロールをしてやって、全くコントロールできない運があって、でも、その運ですらも引き寄せるのは努力だと僕は思います。

金井:昨年のシーズンに若手が怪我してヤス(長友)がウイングで試合に出た時は、やっぱりちゃんと結果を出して試合に出続けられたというのも、ベテランだけれどしっかり準備をしていたから、みんなも信頼しているし、それに応えられたということもあるかなと思います。パッと入った時にパッとできる。

畠山:それは準備していないとできないもんね。

②171209_5727.jpg

◆優勝請負人

――長友選手、どうですか?

長友:監督が変わるので、その監督にどう合わせていけるかだと思うんです。かつ、自分の色を出せるかだと思います。結局、監督の色があるから、気に入らなかったら出さない。「こいつめっちゃ良いんだよな」と思っても「こっちを使う」という監督はいるし、監督はどういうことを求めているかに敏感にアンテナを張っている人が、出られるのかなと思っています。

畠山:「武器を持っている人」って使われるのではないかと思います。ブレイクダウン弱いしフィジカルはまだまだだけれど、メッチャ足が速い選手って使ってみたくなる。足が速いという能力がグラウンドに出たらどうなるんだろう?という期待感。例えばバランスの五角形ではなくて、どこか1つズバ抜けてとんがっているものがあるというのは武器だから、それがあるとどこかで引っかかると思います。それもあると良いのかなと思います。

――フォワードではどうですか?

金井:フィールド部分もありますし、スクラムの一芸やラインアウトのサインをちゃんと出せる、というのもありますね。

畠山:あとは大きいとか。2m10cmあります、とかね(笑)。

金井:ジョーが怪我した場合にコーラー(※ラインアウトでサインをコールする選手)ができる人がチームをちゃんとまとめて、サイン通りにボールを出してデリバリーできるというだけでも強みになります。そうしたらレギュラーが怪我している間は入れておいて、もしかしたらそのままプレーオフに出られるかもしれない。

長友:太一さん(田原太一/OB)みたいな!

畠山:優勝請負人ね。懐かしい(笑)。そう、こういう話を若い人には出来ないんですよ。田原太一さんがいつも決勝になるとリザーブに入って結構良い仕事をするという話を、僕らは分かち合えるけれど、若い世代は知らない。こういう時に「僕らは同期だな」と感じます。

金井:そういう選手がいたということを、伝えなきゃいけないって言ったら伝えなきゃいけなんだろうけれどね(笑)。

畠山:いま山陰にいるからさ。なかなか話題にならない(笑)。

長友:コーラーとして抜群。

畠山:本当に上手い。シノさん(篠塚公史/OB)も上手かった。

長友:そう考えたら今はそういう選手が少ないんじゃない。

③180619_3404.jpg

◆ナレッジがついている選手

畠山:やっぱり昔はフィジカルやウエイトトレーニングは、今ほど重視されていなかったイメージがあります。やれとは言われていたんですけれど、どちらかと言うとセンス的な部分、ナレッジの部分が、昔の黄金世代と言われる人たちはとても高いイメージがあります。もちろんその中にフィジカルが強い人もいるんですけれど、生き残っていた2歳上の人たちはナレッジの部分がとっても高かった。ラグビーを知っている人が多かったと思います。

――ナレッジは努力して身につきますか?

金井:ビデオを見たり。

長友:繰り返し復習とか、みんなとコミュニケーションを取ることとかで、培われていくものだと思います。

金井:そういう意味で、そもそものコミュニケーションは大事だよね。

長友:普通のテストでも勉強するわけで、そういうものです。知らんけど(笑)。

金井:ヤスがテスト勉強の話(笑)。

④180802_4266.jpg

畠山:僕はそのテスト勉強の仕方を競り合っていました。どうしたら前に出られるか、どうしたらトライを取れるかを考えられる人が、そこに行き着くと思います。ウエイトトレーニングを昔からやっている同世代のフィジカルで圧倒していた人は、絶対にどこかでフィジカルの壁があるんです。日本でフィジカルを圧倒しても、絶対に南アフリカやアルゼンチンには圧倒できなくなるので、そうなると止まってしまいます。

そこからどうやって抜けるかは、抜けられる選手は考えることができる選手だと思います。考えられる選手、考えることを昔からしていた選手は、ナレッジがついている選手だと思います。

金井:ヤスとかハタケとかナレッジのある選手と一緒のチームでやると、「こっちはもう立っている」とか「ディフェンスが足りない」とか「アタックはこっちに行け」とかちょっとしたコミュニケーションを走りながらできるので、とても楽なんです。

若手でコミュニケーションがなくて言われた通りに動いていると、「どこが足りなかった」「位置についているはずなのにいなかった」「お前がここについていないからお前の代わりに入った」というパッと言われたら済む話を誰が悪いという責任の話になることが多いので、そこはパパッと埋めて助け合えたら良くて、そういうのはナレッジが高い人はすぐできます。

長友:あとは独りよがりの人はそういう気持ちがないから、周りを思う気持ちがある人は考えていそう。思いやり。

畠山:そうだね。それは確かに言えているね。

長友:確かに抜かれた人が悪いんだけれど、先に俺が悪いかを訊く。全てを相手に擦りつけるのではなく。

⑤180517_4832.jpg

◆自己超越

――思いやりはラグビー選手の特徴ですよね

長友:そうですね。独りよがりの人はこちらが説明をしてもまた同じミスをします。

金井:自分のせいとして捉えられないんだよね。

長友:「毎回やっているよね」と言うくらい繰り返す人が多いです。

畠山:ラグビー自体で体を張ることって、僕は「自己超越」という言い方をしていますけれど、ラグビーはまさに自己超越のスポーツだと思っているので、自分という人間のためだけではなくて「他人のために」「仲間のために」「チームのために」体を張れることが、ラグビーのスポーツの良いところだと思います。

コミュニケーションについて調べたら、言語のコミュニケーションは7%くらいで、後の93%は違うもので形成されている。ラグビーで求められるコミュニケーションは7%の言語の部分だけなので、1割にも満たない要素をいかに発揮できるかが大事です。そういう意味でコミュニケーションがとれない選手が結構多い。言語として伝えられない選手は、コミュニケーションできないです。喋って、情報を伝える、受け取る。

となると、そもそもナレッジがない、どういうことをやろうとしているかという戦術理解もないし、ぜんぶ繋がってしまいます。エディーも昔はいつも「喋れ喋れ」と言っていました。グラウンドの外で喋らないのは良いけれど、グラウンドに入ったら勝つために、良いパフィーマンスをするために、喋らなきゃいけないと言っていました。喋らない選手には「なんで喋らないの?勝ちたくないの?」と言っていました。

――それで日本のラグビーのコミュニケーションの仕方は変わりましたか?

畠山:はい、トップチームや強いチームはグラウンドの中でよく喋っています。どこにスペースがあるか、次にもっと良くするためにはどうしたら良いか、良い判断するために言葉での情報はとても大事です。

金井:喋ることも大事だし、聞く側が聞く気になっているかということも重要です。ヤスの言う独りよがりで余裕のない選手は聞けなくて、詰める時にディフェンスでバッと行ってしまう。そこに行ったら行ったで僕らは合わせなければいけないんですけれど、正解ではないので、ちゃんとそこを聞いてやらないと。

畠山:俺らが「なんで詰めたのか?」と聞いた時に、うやむやになるよね(笑)。詰めた選手のせいにしたらとっても嫌な奴じゃん(笑)。だから、「僕が勝手に出てしまいました」とか、本人も理解してほしいんです。それを分かっていないのがダメだと思います。

金井:分からない人が毎回繰り返すんです。

長友:だから、フォワードで伝わりやすい人や聞いてくれる人を選んで喋るようにしています。

金井:えてして、身体能力がめちゃくちゃ高い人ほど聞かない気がする(笑)。

長友:そうかもしれない。

畠山:感覚があるからじゃない。

金井:大志(村田)は身体能力が高いわけではないけれど、そういうところは上手いし、仕掛けた人へ反応するから、今も第一線でできているのかなと思います。

⑥171224_8276.jpg

◆子どもの頃の成功体験

畠山:僕は実体験で、子どもの頃に大声出していたら褒められたんです。釜石の桜庭選手が地元のラグビースクールに来て、それこそコミュニケーションと言えないくらいただ大声で「パス!」と言っているのを褒められたのをきっかけに、グラウンドで声を出せるようになりました。
そこから声を出すのが習慣になって、癖になって、それが今に続いています。子どもの頃の成功体験、やったことを褒められるということは次もやろうとすると思います。そのように褒めたり、促したりすることは大事だと思います。

長友:ぜんぜん喋りませんでした(笑)。高校や大学の初めは「右、左」しか言っていませんでした(笑)。ラグビーを知らなかったから「右、左」しか言いませんでした。「お前いつも右と左しか言わないな」と言われました。

畠山:日本って表現だけで伝わってしまう。髪を切るにしても「短くしてください」「ふんわりさせてください」「春っぽくしてください」とか、そういうので伝わってしまう国なんです。だから、それに甘えて具体的な言葉でのコミュニケーションができていないというか、そういう機会がないんですかね。

――子どもの頃にそういう体験がなくても、例えばサントリー1年目の選手に対して、それを言うことで変わりますか?

金井:自分が必要に迫られないと、やらないかもしれないです。今までやって来てそれで自分が成功体験を得てしまっている場合は、他人の話は聞かない選手が多いですけれど、上手くいかなくなって自分が変化しなければいけないとなったら、変わる選手もいます。
あとは素直に聞ける選手もいます。サントリーに来る選手はトップ選手で、そういう意味でみんな自我が強いので、わがままと言うか言われながらも「こっちの方が正解なんじゃないか」と思っている選手はいるけれど、聞く耳を持ってくれれば良いなという感じです。

――新人が5人入って来るとして、ちゃんとコミュニケーションをとれる人はどれくらいですか?

畠山:グラウンドの外ではとれると思うんです。でも、グラウンドの中は静かな子が多いです。

長友:「あれ、こいつ、いた?」みたいな。

――それは教えるんですか?

畠山:そうですね。「ここはもっと言って」「このコール出して」とか言います。最初のうちは何を言って良いか分からないと思って、戸惑いもあると思うんですけれど、2年目になっても喋れないと結構ダメだと思います。

2年目でコールも覚えて戦術も理解してやって来たのに、未だに喋れない選手は結構やばいと思います。喋るというのは才能あるなし関係なくできることだから、それすらもできないということがやばいと思います。喋ることは誰でもできる努力なので、それができないならラグビーのグラウンドにいるべきではないと思います。

金井:間違っても良いから言った方が良いと思います。

畠山:そうそう、「おまえ、ここはこうだよ!」ってなるからね。

金井:そうしたら「次はこうしたら良いんだ」と思えるので。声を出さないと一歩進めないと思います。

⑦180517_4638.jpg

◆ゲームは止らない

――ということは、指導者もそこを選手を獲得する時に見ているんですか?

畠山:どうなんですかね。

金井:難しいですよね。

畠山:それを重要視する監督もいれば、そうではない監督もいるし、本当に監督のやり方によると思います。あとはヤスが言ったみたいに、監督はこういうことを求めているから声を出さなければとか、一芸を秀でさせるために何か武器を作らければというように、自分でいくために金井が言う柔軟性を取り入れられるかどうかなので、結構難しいと思います。

金井:全員がコミュニケーションをとれるに越したことはないんですけれど、全員ではなくても良いのかなと思います。めちゃくちゃ突破できる選手がいたら、その人中心に組み立てるので。

畠山:スーパーな選手がめちゃくちゃ喋っていたかと言ったら、そうでもないですからね。必要なコミュニケーションはちゃんと取りますけれど。日本人は特に外国人ほど体格や能力に恵まれていないので、それで喋らないのはダメだと思います。

――明らかに他のスポーツよりコミュニケーション能力が必要ということですよね

畠山:ゲームは基本的に止まらないので、状況から実行するまでの時間がなさすぎて、そこが求められます。

金井:止まってから言えるのは普通だからね。動きながら言わないといけないので。

畠山:他の競技だったら喋りながらという時間もあるんでしょうけれど、ラグビーは常に動いていて、常に全員がプレーをしていてボールの争奪に参加しているので、喋る時間がないんです。だから、サインコールがあって、短いコールでサントリーはそれを成立させようとしています。

――今シーズンはどんなことを目指していますか?

金井:いま周りのチームは外国人枠が変わって、外国人固めをして来ると思うんです。そうなった時にラグビーナレッジが高い人たちでの編成になるし、フィジカルも強い状態になります。その状況の中でサントリーがいかに勝っていくかを、手助けできるように考えて行動していくのは楽しみです。

――要するにナレッジスキルは各チーム上がるということですね?

金井:そうですね。子どもの頃からラグビーを慣れ親しんだ選手がチームの中に15人くらいいたら、10人くらい外国人選手になるチームもあるでしょう。

畠山:僕らが入った時より、確実にレベルは上がっていると思います。

長友:だいぶ上がっています。テンポが違う。

畠山:フィジカルも違う。

長友:俺らが入った時のサントリーって結構止まっていたよね。止まってキックしてモールしてという戦術だったからね。

⑧180522_fs9330.jpg

◆めげずに準備する

――ということは、若手が大変ということだよね?

畠山:その中で入って来ている若手は、相当レベルが高いです。大学のレベルも正直上がっているので、つまりトップリーグのレベルが上がっているんです。

金井:だから、即戦力はそんなに多くないよね。

畠山:トヨタの姫野(和樹)選手などは稀だと思います。あんな選手が1~2人いれば良い方だと思います。レベルが上がっている分、勝ち抜くのは大変ですね。

――そうするとベテランの出番ですよね?

畠山:ベテランの出番というより、その時のベストのメンバーが出るべきだと思います。僕らができることは経験や積み重ねてきたことを武器に、ベストのメンバーに入れるように準備することだと思います。そこで選ぶのは監督なので、そこで監督がどう選ぶかで、その時にこいつは使いたいな、リザーブで置いておきたいな、と思ってもらえるような選手になることが僕らの仕事なので、僕は今年そこを目指します。

――「使いたいな」と思ってもらえるためのポイントは?

長友:基本は、まず怪我をしないことが大事です。あとは、めげずに常に準備することが一番大事だと思います。出ることができたら、しっかりと結果を残せる選手になれたら良いと思います。

畠山:今は凄いですよね。昔は現役のワラビーズ(オーストラリア代表)とかいなかったですよ。ジョージ・グレーガンが代表を辞めて最後にトップリーグというイメージだったと思うんですけれど、今はどのチームも現役が来る。本物中の本物が来るから凄いですよね。それに触発された今の若手は凄くレベルが上がっていますし、その中で勝ち抜いたり出続けたりすることはとても難しいです。ようやくトップリーグもそういう世界になって来たのかなと思います。

⑨180517_s7367.jpg

◆儚いし、かっこいい

――「これができたら辞めても良い」と思うことは何ですか?

金井:難しいですね。上には上がありますからね。

長友:優勝を目指してやっていて、それを達成しても結局また次の年があるので、自分の終わりを考えるのはなかなか難しいですね。

――3連覇を今年は狙っていて、それができたらひとつ乗り越えるという感じはありますよね

金井:3連覇で終わりと思っている人は誰もいないと思います。

長友:あまり考えていないですね。これができたらラグビーやめるとは。目の前のことしか考えていいないです。

金井:年齢を重ねると、自分の置かれている環境も変わるし、自分のプレーも身体能力や経験で少しずつ変わると思うので、自分の中の能力やスペックを使ってどう戦うのか、その年その年によってできるのは楽しいです。

――可能であればずっとやっていたいですか?

金井:ずっとやろうと思えばやれると思います。

畠山:ラグビーは生涯スポーツになり得ないスポーツだと思っていて、テニスやジョギングやヨガや水泳みたいな、歳をとってもたしなんだり楽しめたりするスポーツではないですよね。選手である期間が限定されたスポーツで、それ故に凄く儚いし、だからラグビー選手ってかっこいいと思います。

今、金井が言ったみたいに限られた分、どこまででもできるのであればやった方が良いと思うんですけれど、社員とかプロとか関わらず終わりは必ず来て、終わりを選べる人もいれば選べない人もいます。最近では、サム・ウォーバートン(ウェールズ)は29歳という引退する年齢ではないのに引退する人もいるし、終わりを自分で選べる人は限られています。終わりを選べる人は、とても幸せな人だと思います。だからヤスが言ったみたいに、「これができたら」とか「ここで」とか、ある人にはあるんですしょうが、僕はあまりないです。

長友:自分が心の中で「もういいや」「満足」と思う時があるんじゃないですか。

⑩180416_1409.jpg

◆若手に負けずにどう戦って行くか

――今、目の前の課題は何ですか?

畠山:明日の8時30分からの練習に向けて調整すること。そのためには6時くらいに起きて、準備してご飯を食べてと逆算する。

金井:僕は若手に負けずにどう戦って行くか、それが楽しいです。今の新人は、ほぼ干支一周なので。

長友:そうなのか。干支一周(笑)。

畠山:その表現も今はしないよね(笑)。

金井:そう考えた時に、そういう人と一緒にできるのも楽しい。若手の台頭って怖いとよく言われますが、そこをいかに戦うかもまた楽しい。抜かれた時点でそのチームではいらない存在になるかもしれないですけれど、そこに食らいつけるベテランであることも楽しいと思います。

⑪180617_10681.jpg

長友:少し先の目標を作って、足りないものをこうしていこうという感じでやっています。逆算。

――1年目のシーズン開幕と今年の開幕を比較するとどうですか?

長友:俺はトップの大学でやっていないから、サントリーというトップレベルのチームに入ったから、まず無印良品から「長友」という名前を知ってもらいたいなと思っていました。

畠山:いっぱい知っているじゃん(笑)。永友洋司さん。

長友:サッカーの長友選手も永友洋司さんもいる。今年はいかにコンディションを悪くせずにやるかという感じです(笑)。練習で動ける体を作ることを今しています。

――コンディションさえ良ければという思いがありますか?

長友:コンディションが悪いと自分のレベルも上がって来ないし、レベルを上げるためには自分のコンディションが良くないと更に上にはいけないと思うので、そこを整えようと思ってやっています。

畠山:1年目は緊張で覚えていないですね。11年前・・・。

――今期、こんな姿を見せるというところは?

長友:献身的なプレーを見せします。ベテランだなというプレーをお見せします。

畠山:グラウンドに立って、サンゴリアスのジャージを着ている姿を見せられるように頑張ります。

金井:僕はラグビー自体を楽しんでいる姿をお見せします。

⑫180802_0475.jpg

(了)

(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

一覧へ