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SPIRITS OF SUNGLIATH

#583 堀越 康介 『今を大事に、100%しっかりとやりきる』

帝京大学で主将を務め、9連覇を達成してサンゴリアスに入団した期待の新人、堀越康介選手。真っすぐに相手の眼を見て、一語一語ていねいに語る姿は、未来のリーダーを予感させてくれました。(取材日:2018年4月25日)

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◆早く試合に出たい

――サンゴリアスの練習に参加してどれくらい経ちますか?

2週間目です。

――最初に感じた感覚と今は変わっていますか?

変わりました。最初は「やってやるぞ」という気合いはあったんですけれど、知らないことばかりなので「ついて行く」というようになってしまっていました。でも、今週からはやるべきことも明確になっていますし、みんなで作り上げていくという緊張感や挑戦心という雰囲気がチーム内にあるので、やっていて凄く楽しいです。

――やるべきことは、どう明確になっていますか?

最初はサンゴリアスがやろうとしているラグビーを全然イメージ出来ていませんでしたが、実際にグラウンドに出てやってみて、初めてイメージがつかめて来ました。あとは、自分の課題であるセットプレーのスローイングとスクラムを、毎練習後にアオさん(青木スクラムコーチ)からレクチャーしてもらったり、練習後にもコメントをもらったりしています。そういうことは大学ではなかった部分なので、楽しいと思っています。

――社会人になってからのラグビーの手応えはどうですか?

正直、早く試合に出たいという気持ちです。練習だと時間も限られていますし、そこで100%出すということももちろん大事なんですけれど、やっぱり試合の中でのフルコンタクトを経験したいと思っています。早く出たいという気持ちと共に、そこでしっかり良いパフォーマンスを出すために、いま一生懸命頑張っているという感じです。

――今やってみたことがどれだけ通用するかを試してみたいということですか?

そうですね。あとは、周りの先輩たちからの信頼を勝ち得るためにも練習で良いプレーをして、それを試合でも同じようにプレー出来ることがこれからの選手生活の中での大きな信頼になってくると思います。

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◆どんどん前に行く

――今の持ち味はなんですか?

フィールドプレーが一番の売りだと思います。ボールキャリーやパス、特にコンタクトの局面は自信があるので、今やっても通用する部分は多いのかなと思います。

――ディフェンスはどうですか?

タックルも好きです。フルコンタクトはまだ出来ていないのでどうなるか分かりませんが、コンタクトの部分はどんどん前に行くタイプなので早くやりたいです。

――まるでバックスの話を聞いているようです(笑)

フィールドプレーは好きなんです。

――でも、第一列目を選んでいるのはなぜですか?

もともとプロップで1番をやっていたんですけれど、そこからフィールドプレーの動きや身長もあって、フッカーの方が良いという流れになりました。大学の時は1番と2番を兼用でやりながら、3〜4年は2番に特化していました。

――バックスという選択肢はもうないんですか?

もうないです(笑)。フォワードが好きです。

――課題というと、セットプレー、ラインアウト、スクラムのどこですか?

やっぱりスローイングのところです。アオさんやヤマさん(山岡フォワードコーチ)のように、プロフェッショナルなフッカーの方からレクチャーを受けたことがあまりなかったので、毎日毎日練習しながら発見ばかりで、今は凄くしっくりきています。まだまだなんですけれど、自信もついてきている段階かなと思います。

――今までは独自のやり方だったんですか?

そうですね。そのやり方でやってみたら「ここが悪い」と言ってくれて、それを意識しながらやったら、だんだんしっくりくるようになってきました。

――どんなイメージですか?

しっかりと下半身を固定すること。離す位置を高くすること。フォローをしっかりすること。この3点が僕はバラバラでした。投げた時も下半身がぶれていて前に行ってしまうし、フォローするのも下がってしまうし、投げる位置もいつもバラバラという感じだったので、実際にひとつひつとレクチャーしてもらいました。

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◆判断と思いきりの良さ

――スクラムは?

今までやってきた帝京のスクラムとサントリーのスクラムは全然違うものなので、コミュニケーションを上手く取りながら「こうした方が良いな」ということを掴みながらやっている段階です。難しい部分もたくさんあるんですけれど、フッカーはスクラムのリーダーなので、10歳上の人もいて先輩ばかりですが、そこでしっかりと発言をして8人をまとめることが大事だと思います。新人でもそうやってやろうと思います。

――日々成長している自分を感じつつ、最初のターゲットはどこですか?

6月17日のブランビーズ戦です。そこのメンバー争いは、もう今から始まっていると思います。

――代表として1試合、国際大会を経験してどうでしたか?

外国人に対しての苦手意識はないです。U20日本代表の時に外国人選手と戦ってみて、もちろん強くて上手いと感じたんですけれど、こちらの身長が小さいことを利用してつけ入る隙、外国人ならではの隙があったので、自分の長所を相手にぶつけていけば良いと思っています。

――狙いどころはどこですか?

脇です。ゲインラインを切るためには、まずそこを狙い、そしてレッグドライブします。真正面から行くと負けてしまうので、相手のウィークポイントを探してしっかり狙っていくこと、判断と思いきりの良さだと思います。

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◆パスが面白かった

――笑顔を見ていると優しさも感じますが、ぶつかることは好きなんですか?

性格的に本当に負けず嫌いです。悔しいこともたくさんあったんですけれど、そういう人たちに絶対に勝つと思ってずっとやってきています。U20の時に僕がリザーブで中村駿太さんがスタメンだったので、そこの悔しさもサントリーに来て晴らしたいと思いましたし、他の人には絶対に負けたくないです。

――負けず嫌いはどこからですか?

それは昔からで、父と兄や従兄弟にいろいろとやられていたからだと思います(笑)。いろいろと負けたり、いつも負けて泣いたりしていたので、そこからだと思います。

――それは家族や親戚が年上だったということですか?

はい。僕は末っ子でした。

――何人兄弟ですか?

3人兄弟です。何をするにしても遅かったですし、何するにしても負けていたので、そこからじゃないかと今は思います。

――いくつ上ですか?

兄は3歳上、姉は5歳上です。

――スポーツ一家ですか?

そうですね。父と兄は柔道をやっていましたし、姉はバスケをしていました。母は何もやっていないかもしれませんが、ラグビーをやっているのは僕だけです。

――負けん気はお父さんを始め家族に鍛えられたんですね

父というよりは兄の方です。鬼ごっこをしていても、僕が一番足が遅かったので捕まえられずにずっと鬼で悔しくて泣いたり、柔道をしていたときに試合で負けて泣いたりしていました。

――ラグビーの始まりはラグビースクールですか?

はい。小学生の時からラグビースクールに行きました。

――それはなぜですか?

母に薦められました。

――何故お母さんはラグビーを薦めたんですか?

その時は体が結構大きかったのと球技が好きだったので、そこからだと思います。野球もサッカーも違うと感じでラグビーを薦めたんだと思います。

――ラグビーをやってみてどうでしたか?

最初からぞっこんになってしまいました。

――どこが面白かったんですか?

パスが面白かったです。変な形のボールを投げるのが、凄く楽しかったです。スクールの先輩がスクリューパスを抛っているのを見て、かっこいいと思いました。

――お母さんの先見の明ですね。普通だったら柔道をやらせそうですよね

そうですね。ありがたいです。母が特にラグビーが好きとかは全然なかったと思います。

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◆ラグビーで怪我をしないため柔道を始めた

――どちらの出身ですか?

群馬です。

――群馬でラグビースクールは結構あるんですか?

4つくらいしかなく、隣の市に行ってやっていました。

――例えば、柔道とか相撲などの格闘技はやっていたんですか?

柔道は中学校3年間、部活動でやっていました。その時は関東大会くらいまで行けました。どっちを選ぶかという雰囲気だったんですけれど、僕はもともとラグビーで怪我をしないために柔道を始めたので、周りの人は「どうするの?」という感じでしたが、僕はラグビーで行くと決めていました。

――「ラグビーで怪我をしないため」というのは?

例えば、受け身で脳震盪の予防をすることや、倒れても痛くないようにすることを習得できました。僕はラグビーで脳震盪になったことがありません。

――最初は「ぶつかっていくことが好き」というイメージでしたが、どちらかというと「ぶつかるのも芯を外す」や「相手のウィークポイントを狙っていく」というようなことは、テクニックを使っていくタイプなんですね

そうですね。そういうタイプです。

――ラグビーに引き込まれていった理由は他にありますか?

試合に出れば、いわゆる無双状態だったので楽しかったです。体も大きくて、足も速い方で、誰も僕を止められなくて、トライするのがとても楽しかったです。止まっているモールでも僕が入ると動き出したりして、それを親がビデオを撮ってくれていたので、そのシーンを「面白い」と思って見ていました。

――いつラグビーをずっと続けると思いましたか?

ずっと続けようと思っていたんですけれど、「日本代表になりたい」「トップリーグのチームに入りたい」と本格的に思い出したのは、高校2年生の時です。

――そのきっかけは?

高校日本代表に選ばれて、そこで初めて代表として外国へ行って戦うという緊張感や独特の感じを味わって、こういうレベルでずっとやっていきたいと強く思って、代表を意識するようになりました。

――代表の良さは何ですか?

コンバインドチームで寄せ集めのチームなので、お互いの個性を出し合いながら、徐々にまとまっていくということを実感できることが楽しいと思います。

――その頃はやっぱりラグビーを選んで良かったと思いましたか?

そうですね。それと同時に、ここまで来るとは正直思っていなかったので、驚きも少しありました。

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◆ピンチがチャンス

――ブランビーズ戦をターゲットにして、その後の青写真はありますか?

最終的には1年目からスタメンで活躍して3連覇を目指すということが、今年一年の目標です。まずは今をしっかり大事にして、1日1日の練習を100%しっかりとやりきることがそこに繋がると思うので、今は未来よりも今を考えています。

――1日1日を100%でやりきれる自信はありますか?

あります。同じポジションに先輩がいてライバル争いをしながらやっていく上で、少しでも気を抜いたらすぐに落とされるという環境が正直ほぼ初めてなので、そこは1日1日を100%でやらないといけないと思っています。

――帝京からサントリーへ、両チームが強い理由は何だと思いますか?

帝京は僕の中では考え方のところだと思います。フィジカルだったら他のチームとほぼ変わらないと思いますが、「ピンチをピンチと思わない」「チャンスをしっかりものにする」というしっかりとした考え方があること。ここで何をするかを15人が全員わかっていることが、他のチームにはないところなのかなと思います。他のチームがパニックになっているかは分からないですけれど、自分たちがパニックになることはありません。普段の練習でコミュニケーションを密にしているからだと思います。

――「ピンチをピンチと思わない」というのは、どういう心構えをしたら良いんですか?

「ピンチがチャンス」という考え方でみんなやっています。例えば、大学選手権決勝で自陣ゴール前5mのところで釘づけにされている場面、ここで取られたら勝敗が決まると思っていたんですけれど、相手もヘロヘロだということをみんなで話していました。そして、ここで一発反則を取ったら絶対チャンスに変わるということを、ハーフタイムからずっと言っていたので、そういう部分かなと思います。反則を取った瞬間に自陣5mからトライまで持って行きました。

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――サントリーに入ってから間もないですが、サントリーの強さの秘密は見えましたか?

ブランビーズ戦に向けて、一人一人が自分のポジションの相手の名前や特徴を覚えますし、チームとしてどういうことをしてくるのかを全員でコミュニケーションを取りながらやっているところ、そういう細かい部分をやっています。そこは帝京にも似ている部分かなと思います。予測をしてやりながら、尚かつ自分たちがやることを明確にしているチームだと思います。

――サントリーに入りたいと思ったのはいつですか?

決めたのは大学4年の最初の方だったんですけれど、正直ずっと気になっていました。サントリーに行きたいという気持ちはありました。

――なぜですか?

漠然としているんですけれど、かっこいい。スマートなチームだと思いました。

――これから目指すスマートなラグビーとは?

ラグビーだけやっているのではダメで、気が利く、ちゃんと相手のことを考えてやっているということが大切だと思っています。生活面で凄くスマートな人は、ラグビーでも継続していると大学の時から感じていました。そういう部分を見ていると、サントリーの人たちは本当にみんな良い人で、新人とか関係なく全員が全力でできるような環境を先輩たちが作ってくれているので、そういうチームの一員になれたことは嬉しく思います。

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◆「姿」と「言葉」

――自分の性格は自分でどう思いますか?

私生活を大事にするタイプだと思いますが、仕事とラグビーで余裕がなくなってきたらちょっとがさつになる部分も多くなると思うんです。そこもメリハリをつけて、自分は自分なりに相手に気を遣えるような人になりたいと思っています。ラグビーの前に人として、という思いはあります。

――気は強い方ですか?

そうですね。あまり口には出さないですけれど、強いと思います。

――継続力はありますか?

継続力はあります。

――継続していることは?

ラグビーです(笑)。ラグビーのことを毎日考えています。中学の頃は柔道もあったので、高校からですかね。高校からラグビー一筋です。

――現時点で思うラグビーの魅力はどこですか?

勝った時の達成感です。チームスポーツなので、僕がという前にみんなで頑張ってきた成果、やってきた過程を勝利に結びつけた全体への達成感があると思います。

――他人の力を引き出すことを意識していますか?

そうですね。大学4年時にはキャプテンをやっていたので、他人が何をしたいのかということを常に考えてやってきた部分が多かったです。ここでもそういうリーダーシップを発揮していけたら良いと思います。

――キャプテンにとって何が一番大切だと思いますか?

みんなはリーダーシップと言うと思うんですけれど、「リーダーシップとは?」と考えていて一番大事だと思ったのは、ぐいぐい引っ張っていくよりかは、みんなのやる気を湧き上がらせることがリーダーシップだと思いました。「ついて来い」と言ってもついて来ない人はいますし、人数が多くて僕のことを見ていない人もいたので、その中で一番大事なのは「姿」と「言葉」の2つが大事だと思いました。

――そのためにどうしましたか?

まずは「姿」をやりました。どんな時も中心になって、先頭に立っていろいろやって、そこで「姿」で見せることで説得力が出ました。僕一人で部員140人に対するのは難しかったので、リーダーと上手くコミュニケーションを取りながら「どう?」という問い掛けを続けていました。

――大学以外でのキャプテンの経験は?

U20日本代表からキャプテンをやりました。

――キャプテンに合っていると思いますか?

正直、合っていないと思います(笑)。

――なぜですか?

キャラ的にキャプテンではないかなと思います。でも、キャプテンになっている姿はイメージできます。向いているかどうか分からないけれど、サントリーのキャプテンになるのもチャレンジしてみたいです。

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◆日本代表で活躍する

――今の目標は?

日本代表で活躍することです。今は厳しい状況ですが、2019年のワールドカップも本気で目指しています。その先のワールドカップも目指していて、10年間と考えた時に2019年に出られなくても2回ワールドカップに出るチャンスがあるので、その2回に出ることは自分の中の目標です。

――そのためには何が必要ですか?

さっき言った通り、人として良い人になることにプラスして、ラグビーもやっていくことだと思います。課題はその瞬間でたくさん出てくると思うんですけれど、100%やれば少しずつ解消していくと思います。具体的にこれをやるというのは特にないんですけれど、日本代表になってワールドカップで活躍することが具体的な目標です。そのための近道として、サントリーは注目されているチームなので、サントリーで試合に出ることが注目されることに繋がると思います。

――ファンからどんな声をかけられたいですか?

時に厳しく、温かく見守っていてください。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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