採用難・離職率増…人手不足にどう立ち向かう?企業が取り組むべき4つの対策

少子高齢化や働き方の多様化が進む中、日本企業は深刻な人手不足という課題に直面しています。特に、情報サービスや建設業、飲食店などの業界では人材確保が難しくなり、生産活動や企業経営に大きな影響を及ぼしています。本コラムでは、現在の人手不足の実態や背景、もたらす影響をわかりやすく解説し、企業が今すぐ取り組むべき具体策や実際の成功事例を詳しく紹介します。

人手不足の現状とは?

まずは、調査データを参考にしながら人手不足の実態を見ていきましょう。

人手不足が発生している主な業界

わが国では、慢性的な労働力不足が続いています。帝国データバンクの調査によれば、特に深刻な状況にあるのは、正社員の場合「情報サービス」「建設」「メンテナンス・警備・検査」「運輸・倉庫」といった業界です。非正社員では「人材派遣・紹介」「飲食店」「各種商品小売」「飲食料品小売」などが挙げられます(表参照)。

出典:人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)|帝国データバンクのデータをもとに作成

人手不足の原因とは?

人手不足は、単一の原因で発生しているわけではなく、複数の要因が複雑に絡み合って生じています。主な原因として以下の点が挙げられます。

まず、少子高齢化により生産年齢人口が年々減少し、労働力供給そのものが構造的に先細り状態になっていることです。企業が求める人材像と、求人に応募してくる人のスキルや希望条件が合致しない、いわゆるミスマッチも要因です。

また、特に若年層を中心にワーク・ライフ・バランスを重視する傾向が強まり、転職や独立・起業を選ぶ人が増えていることも一因といえるでしょう。人口が都市部に集中し、地方では労働力がさらに不足するという地域間格差も深刻で、地方企業は特に人材確保に苦慮する状況が続いています。

現在の人手不足の統計データ

厚生労働省「令和6年版労働経済の分析」によれば、2010年代から現在まで続く人手不足は、過去のそれと比べて「長期かつ粘着的」になっており、より深刻である可能性が指摘されています。2023年における求人(フルタイム)の充足率は、過去半世紀の中で最も低い水準となっています(グラフ参照)。

出典:令和6年版労働経済の分析|厚生労働省のデータをもとに作成

また、日本商工会議所・東京商工会議所の調査によれば「人手が不足している」と回答した企業の割合は全体の63.0%に上ります。特に運輸業では83.3%、建設業では79.2%と約8割の企業が人手不足を感じていることが明らかになっています(グラフ参照)。

出典:人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査|日本商工会議所・東京商工会議所のデータをもとに作成

人手不足がもたらす影響とは?

人手不足は各方面にさまざまな影響をもたらします。経済、企業経営、労働者という3つの角度から、具体的にその問題点を見ていきましょう。

経済への影響

人手不足は、個々の企業の経営だけでなく、日本経済全体にも大きな波紋を広げます。労働力が不足することで企業の生産活動にブレーキがかかり、国全体の経済成長の鈍化につながる恐れがあります。

このことは、消費者側の生活にも影響を及ぼします。例えば、物流業界の人手不足が深刻化すると、商品の配送遅延が頻繁に発生し、通信販売での購入に支障が出ることも考えられます。その結果、消費マインドの冷え込みにつながる可能性があります。

企業経営への影響

人手が足りない状況は、企業経営そのものにも困難をもたらします。今いる従業員に過剰な負担がかかることで、疲弊やモチベーション低下を引き起こし、離職が増える可能性があります。その結果、残った従業員の負担がさらに増えるという悪循環に陥ってしまいます。

また、人手不足を補うために非正規雇用や短期アルバイトに頼る企業も少なくありませんが、このことは組織の安定性や一体感を失い、結果として業務の質の悪化や生産性の低下を招く可能性もあります。

帝国データバンクの調査(前出)によれば、2024年の人手不足倒産は342件に達し、2013年の調査開始以降2年連続で過去最多を記録しました。この事実は、人手不足が企業の存続を左右する喫緊の課題であることを示しています。

労働者への影響

人手不足は、企業や経済だけでなく、実際に働いている人々にも大きなプレッシャーを与えるものです。人手不足による残業の増加や休日出勤の常態化は、職場のストレスを増加させ、病気やメンタル面の不調につながることも少なくありません。心身の健康を損なうことで、休職を余儀なくされたり、最終的には退職を決断したりする可能性も考えられます。

人材確保のために企業ができる4つの対策

必要な人材を確保するために、企業として行うべき具体的な方策を見ていきましょう。

職場環境の改善

人材の確保と定着には、「この会社なら長く働けそう」と感じられる職場環境づくりが重要です。従業員の多様なライフスタイルに対応できるよう、フレックスタイム制やシフト制を柔軟化し、働き方の選択肢を増やしましょう。ハラスメント対策を徹底し、心理的安全性を高めることや、ダイバーシティの推進も重要です。

リモートワークの促進

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに広く普及したリモートワークは、人手不足対策にも効果的な手段です。リモートワークを促進することで、地方在住の人も都市部の企業で働くことが可能になり、これまでアクセスできなかった潜在的な労働力にアプローチできます。また、育児や介護などでフルタイム勤務が難しかった層も労働力として確保しやすくなります。通勤時間の負担がなくなることで、定着率の向上も期待できるでしょう。

教育とスキルアップの支援

人材を早期に戦力化し、安定的な成長を支援する体制を整えます。OJT制度の整備に加え、リカレント教育制度やリスキリングのためのeラーニング導入、資格取得補助制度など、従業員のスキルアップを積極的に支援するしくみを設けましょう。また、キャリア相談やコーチングを行い、一人ひとりのキャリアプランをサポートすることも、従業員のモチベーション維持と定着に貢献します。

福利厚生の充実

福利厚生の充実も、人材採用と定着率向上につながる重要な戦略的投資といえるでしょう。住宅手当や食事補助など金銭面はもちろん、育児支援や介護支援、カウンセリング体制の充実などは従業員が安心して長く働き続けられる基盤となります。リフレッシュ休暇やバースデー休暇といった休暇制度を導入し、旅行補助などを充実することも、従業員のモチベーション向上につながるでしょう。

職場環境改善・福利厚生のために!サントリーが提供するソリューション

当社では風通しのよい組織づくりや福利厚生の充実、従業員の健康に寄与するサービスを提供しています。

「社長のおごり自販機」で職場のコミュニケーションを活性化!

当社の「社長のおごり自販機」は、従業員同士が2人で社員証をタッチすることで、自販機の飲み物がタダになるサービスです。無料で飲み物をもらえるおトク感や隙間時間に行える気軽さが功を奏し、利用率は96%という高い数字となっています。

自販機に一緒に飲み物を買いに行くことで、ちょうどいい雑談タイムが生まれ、職場のコミュニケーションの活性化にもつながります。使用人数や新しいペア数をダッシュボードで確認でき、効果をデータとして見える化できる点も好評です。

「ボスマート」でオフィス内での軽食提供を可能に!

当社の「ボスマート」は、会社の外に出なくてもオフィス内で軽食が買えるサービス。24時間365日利用可能、自販機で決済できる手軽さも人気です。パンやカップ麺、スープ、お菓子など多様なニーズに対応できる豊富な品揃えとなっています。

設置は省スペースで柔軟なレイアウトが可能、品物(品物→商品)の補充や代金管理は当社側で行います。自販機による無人決済で効率的な運営とコスト削減ができ、担当者の負担が少ない点も魅力です。

「Suntory+」で健康経営を推進!

当社の「Suntory+」は科学的根拠のある超低ハードルな健康タスクで、従業員が気軽に健康行動を始められるサービスです。専用アプリを利用して、デジタルとリアルの両接点で健康行動を促進します。

対応自販機で飲料と交換できるクーポンや、自販機まで歩くだけで健康行動できる機能など、さまざまな仕掛けで楽しく継続できるようになっています。また、担当者用Webサービス「サントリープラスNavi」で、アプリの利用率や歩数、従業員のリアルな声を確認できるようになっています。

人手不足を乗り越えるために【企業事例紹介】

人手不足を解消した企業は、どのような取り組みをしたのでしょうか。具体的な事例を見ていきましょう。

ゲーム事業者のケース(神奈川県)

神奈川県に本社を置くK社は、ゲーム業界における人材確保の課題に対応するため、働きやすい職場環境の整備を進めています。

育児支援として、小学3年生まで利用可能な時短勤務制度や、リモートワーク・フレックスタイム制を導入しています。育児休暇の取得率は女性が100%、男性が64.9%と高く、出産祝金制度では第3子以降に200万円を支給するなど、家庭との両立支援も充実しています。

また、社員のキャリア形成を支援するため、社内講演会や通信教育の機会を提供し、マネジメント職に加えて専門性を重視したエキスパート職群も設け、誰もが 活躍できる環境づくりにも努めています。加えて、外国籍社員の採用も進めており、社員寮の提供など生活面での支援も行っています。

さらに、2023年には約7.7%のベースアップを実施し、8年連続の賃上げを達成しました。これらの取組により、2023年度の離職率は5.1%と業界平均を大きく下回る水準を維持しています。

IT事業者のケース(東京都)

東京都に本社を置くM社は、企業のDX支援を展開しています。優秀な人材確保と長期的な企業の成長・発展を目指し、2016年からさまざまな取り組みを開始しました。

まずは、残業時間の削減と生産性向上に注力しました。従業員で構成される「時短推進委員会」が主導して、生産性向上目標と生産性向上手当を導入。これらの取り組みにより、2015年度の月平均残業時間28.1時間から、2018年度には15時間以内へと大幅減に。一方では、年収20%アップの目標も達成したそうです。

女性活躍推進とワーク・ライフ・バランスの実現も功を奏しています。「女性管理職比率30%以上」などを目標に掲げ、ベビーシッター利用補助制度や在宅勤務制度などの制度を拡充し、特に育児休業の取得を強く推奨しました。その結果、2018年度には女性管理職比率30%以上の目標を達成。また、2023年12月末時点で、男性の育児休業取得率は68.2%、平均取得日数は108日と高い水準を達成しています。これにより、新卒女性のエントリーが増加し、女性の採用数が男性を上回る年もあるとのことです。

さらに、新規IT人材の採用と育成にも積極的です。ITスキルや経験値を持たない新卒や地方人材を新たな採用対象として開拓し、入社後の育成を前提とした採用を進めました。また、研修費の充実など人材育成への投資も実施。これらの取り組みにより、新卒採用数は2013年度の29名から、2024年度には411名まで増加。全従業員の7割弱を20歳台が占めるようになりました。また、全体の離職率は2023年時点で9%ほどにまで低下したそうです。

「令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-」第Ⅱ部第2章第3節(厚生労働省)を加工して作成

まとめ

人手不足は、どの企業にとっても無関係ではいられない社会的課題です。採用の工夫だけでなく、労働環境の整備、福利厚生の充実、スキル支援、ワークスタイルの柔軟化など、多角的なアプローチが求められます。

目先の採用成功を追うのではなく「選ばれる企業」「定着する職場」をつくることが大切です。企業の持続的成長に向けて、今こそ本気で向き合うタイミングだといえます。

福利厚生の充実に、当社の「オフィス自販機シリーズ」のサービスはいかがでしょうか。オフィス自販機シリーズは”自販機で、はたらく人を、イキイキとすこやかに”をテーマに、従業員が心地よく働ける環境にするサービスや、従業員の健康と安全を大切にするサービスをご提供しています。詳しくは以下のリンクをご参照ください。

PICKUP

導入事例

PICKUP

コラム