Research & Technology
新しい価値を生み
“未来のお客様”の
笑顔を増やしたい
人と自然を深く理解し、未来に求められる新たな価値を形にする。一人ひとりの“生きる”が輝き、世界が潤う未来のために、多彩な専門領域にまたがるユニークな研究に挑戦しています。
人の未来を見据えた多岐にわたる研究領域
サントリーグローバルイノベーションセンター(以下、当社)では、研究テーマを選定する際に、おいしさや健康を実現することに加えて、人間らしく生きる喜びや、生活文化・社会への貢献も含めて検討しています。健康を先取りする成分や機能を研究対象にすることはもちろん、食品としておいしくあることや、人々の暮らしを前向きで楽しくする視点を持ち得るか、人に寄り添い地球に寄り添えているかを考え抜きます。グループの基盤技術研究を担う会社として独立しているのは、お客さまにとっての本質的な価値を実現する上で、長期的な視点からじっくりと研究に取り組むためです。多岐にわたる分野の社内外の研究者と協力しながら、失敗を恐れず、新たな挑戦を積極的に続けています。
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- 微生物科学
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- 醸造学や応用微生物学の知見にもとづいた、酵母をはじめとした微生物の機能解明とその活用
醗酵・培養技術/微生物育種技術/バイオインフォマティクス
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- 植物科学
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- 植物生理学や遺伝学の知見にもとづいた、原料植物の品質やサステナビリティの向上
- 植物バイオ技術による新たな機能の開発
原料植物栽培技術/植物育種技術/バイオインフォマティクス
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- 健康科学
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- 観察・介入研究による人の体・心の理解に関する研究
- 栄養学や薬理学のアプローチを用いた、体・心に関わる商品・サービスの機能・作用メカニズム解明
介入的臨床研究/観察的臨床研究/in vitro/in silico/作用メカニズム解明技術/成分分離技術/成分同定技術/ビッグデータ解析技術/オミクス技術
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- 嗜好科学
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- 食品化学や感覚科学の視点から「おいしさ」の本質を理解し、実用化に活かす
官能評価技術/味覚分析技術/細胞応答評価技術
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- 天然物化学・分析科学
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- 有機化学・分析化学の知見にもとづいた、おいしさ、健康、安全・安心に関する成分の解明
成分分析技術/香気分析技術/単離・精製技術
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- 水科学
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- 水文学や森林水文学にもとづいた、自然界の持続可能な水循環の理解
- 栄養学や細胞生物学の視点からの水と健康に関する研究
【自然界の水】水文観測/水質分析/水循環モデル化
【生体内の水】水分摂取量評価技術/体水分量評価技術/疫学解析技術
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- データサイエンス
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- AIや統計学を活用した次世代ヘルスケアの開発
- データを駆使した基盤研究の強化
センサーデータ解析/UX評価
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- プロセス開発
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- 中味プロセス技術開発と量産化プロセス開発
新プロセス技術(例:低温殺菌技術/非加熱殺菌プロセス)/成分安定化技術(例:乳化・分散安定化/ビタミン保持技術)/フレーバー保持技術(例:アロマリテンション技術/マイクロカプセル化)/生産効率化(例:連続式調合システム/CIP〈定置洗浄〉自動化)/環境配慮型プロセス(例:省エネルギー蒸気利用/水使用量削減技術)/化学工学全般
健康とおいしさと持続可能性を満たす
当社は「健康先取り」「美味追求」「サステナビリティ」という3つの領域で、未来の暮らしをより豊かにする研究を進めています。「健康にいいが、おいしくない」「おいしいが、環境にはよくない」など、ともすれば相反してしまいがちな3つをいかに同時に実現するのか。この難しい問いに対し、私たち研究員は日々、「やってみなはれ」の精神で試行錯誤しています。容易に道筋が見えてしまうような研究テーマは避け、本質まで突き詰めることを諦めません。また、研究の成果を事業や商品、サービスといった形でお客さまにお届けすることにもこだわります。
「生きる」を支える、健康への飽くなき探求 — 健康先取り
私たちがメカニズムを解明した素材「ケルセチン配糖体」は、例えば商品「特茶」に、体脂肪を減らす成分として導入されています。植物由来のポリフェノール「ケルセチン」を選び出し、その抗肥満作用を発見しました。さまざまな実験や検証を通して効能を証明し、トクホ(特定保健用食品)の許可も取得しています。その後もよりよい素材を開発するべく、さらなる研究に挑んでいます。
健康先取りに関する研究・技術
健康先取りに関する研究論文・学会発表
心を豊かにする「おいしさ」の科学 — 美味追求
私たちにとっては「美味追求」、つまりおいしさの実現も重要な研究テーマの一つです。例えば、ビールづくりに欠かせないビール酵母の全ゲノム解読に世界で初めて成功し、発酵過程でどの遺伝子がどれだけ働き、味や香りの生成に関わっているかの解析を可能にしました。また、コーヒー豆の成熟度がトリプトファンというアミノ酸量と高い相関性を持つことを世界で初めて示しました。生豆の成分を網羅的に分析し、物質と現象の仕組みを理解することで、これまで以上においしいコーヒーをお届けしたいと考えています。
美味追及に関する研究・技術
美味追及に関する研究論文・学会発表
持続可能性を、自然を探る科学研究が高める — サステナビリティ
地球温暖化がこのまま進めば、コーヒー豆やホップをはじめとする原材料の生産に深刻な影響を及ぼすと懸念されています。植物科学による農作物の品種改良や栽培方法の改良など、原料生産を持続可能にする技術は、世界の未来に必要な研究です。私たちも、植物や水の科学を通して、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。これまで、工場の水源エリアに広がる「天然水の森」などで、良質な地下水を育むための水循環を把握する技術を培ってきました。今後もこのようなサステナビリティに関する科学的知見をさらに深め、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
サステナビリティに関する研究・技術
サステナビリティに関する研究論文・学会発表
研究成果の応用と実装事例
お客さまを楽しませたい!という着想から実現した「Lidris」
飲み物を五感で楽しめたら――そんなアイデアから誕生したのが液中描画技術「Lidris(リドリス)」です。液体に絵や文字を自由に描ければ、多くの人に喜んでもらえるのではないか。そう発想した研究員が中心となり、ロボティクス試作メーカーなどと連携し、さまざまな試行錯誤の末に実用化しました。透明なドリンクに浮かぶ繊細な立体図形やメッセージは見ているだけでも楽しいですが、やはりおいしさも欠かせません。当社はレシピを工夫して、おいしくて楽しい飲料体験を実現しました。
地下水の見える化サービス「Water Scape」
私たちが利用する「水」への理解を深め、未来に向けて「水資源」を守っていくために、社内に水科学研究所を設立しました。水科学研究所では、水文学(すいもんがく)を基盤に、水源を育む森と水の研究をはじめ、国内外の水資源の研究、さらに食品酒類総合企業としての視点から、水と健康や嗜好(しこう)に関する研究など、「自然界の水」から「生体内の水」までを網羅する包括的な理解のための研究を行い、知見の普及にも努めています。このうち、「自然界の水」におけるサイエンスに基づいたデータ・エビデンスと工場運用経験によるノウハウ・メソッドから生まれたのがWater Scape(株)です。水文学の知見を持つ研究員が各地を調査し、長年蓄積したデータと独自技術で「地下水の見える化」を実現。自治体や企業の持続可能な用水確保や資源活用を、サントリーならではの知見でサポートします。
関連する研究・技術