お客さまに自然の恵みをお届けする一方で、限られた資源を大切に使い、可能な限り自然に還すことが大切であると考えています。
サントリーグループは、地球環境そのものが大切な経営基盤と認識しています。
地球上にある水のうち、人間が利用できる淡水は全体の約0.01%にすぎません。サントリーグループの主な事業は、水や農作物といった、自然の恵みに支えられています。「水と生きる」サントリーは、水を大切に使い、きれいにして自然に還すだけでなく、水を育む森を守るなど、自然界における水の健全な循環への貢献―すなわち「水のサステナビリティ」を事業活動における最も重要な課題と認識しています。
水使用量の削減に継続的に取り組んでいます。今後もさらなる挑戦をつづけていきます。
2010年4月に完成したサントリープロダクツ(株)天然水南アルプス白州工場では、水のカスケード(多段階)利用といった非常に高度な循環再利用により、限りある水資源を最大限有効に活用し、製品1kℓを製造するために使う水の量の少なさで業界トップレベルを達成しています。
製造工程で使用する水を冷却水や洗浄水など5つのグレード(清浄度)に分類し、高いグレードが要求される用途から次のグレードでまかなえる用途へ段階的に再利用を図る技術です。
サントリーグループでは、排水をできる限り自然に近い状態で自然にかえすため、法律よりも厳しい自主基準値を設け、排水品質を徹底管理しています。工場からの排水は、嫌気性排水処理設備※などで浄化処理し、下水道や河川へ放流しています。その際、測定装置による常時監視と検査員による日々の水質点検などを実施しています。
※ 微生物(嫌気性菌)を用いて汚濁物質を分解する処理方法
サントリーグループの国内工場では、生産工程で発生する副産物・廃棄物の排出量削減と100%再資源化に取り組んでいます。2020年は、国内工場から発生した副産物・廃棄物は合計228,355トンとなり、前年より総量で9.2%、原単位で7.2%減少しました。再資源化率は100%を維持しています。
コーヒー・緑茶・ウーロン茶・ウイスキー・ビールなどを生産する工程で発生する副産物や廃棄物が、どの ようなものに再利用されているか紹介します。
2011年、サントリー食品インターナショナル(株)は、国内飲料業界初の「B to B メカニカルリサイクルシステム」を協栄産業(株)と協働で構築。使用済みボトルを再生して新たなボトルを生み出すB to B(ボトルtoボトル)発想のもと、PET樹脂の不純物を高温・減圧下で吸い出して純度を高め、再びペットボトルとして利用しています。
導入当初の再生PET樹脂使用率は50%でしたが、現在は100%にまで拡大。石油由来原料100%のボトルと比較して、CO2排出量の大幅な削減を実現させました。
この再生PET樹脂100%のペットボトルは、「サントリーウーロン茶」「伊右衛門」2ℓをはじめ多くの製品に活用されており、環境保全に関わるさまざまな賞も受賞しています。
自動販売機においても資源の有効利用の実現に向けた取り組みを積極的に行っています。回収した自動販売機の部品を再び自動販売機の部品として活用するために、部品のリユースに向けた技術開発ならびに、リユース部品の管理システムの開発を進めています。2020年には、整備・修理に要する部品のリユース率は59%となりました。今後もさらにリユース部品の使用対象を拡大し、資源有効利用に努めていきます。