2026.07.21
「10年3仕事」で営業からブランドマネージャーへ。海外駐在サントリアンが挑む、価値を翻訳し世界に届ける仕事とは

2020年に入社し、業務用酒販店営業を経験した室井亨樹さん。2024年からはトレーニー制度(※)で上海に駐在し、翌年春からは米ロサンゼルスで『オールフリー』のマーケティングに従事しています。愛称はCodie。国内外で幅広い経験を重ねる室井さんに、これまでの挑戦や仕事への想いを伺いました。
※トレーニー制度:海外グループ会社で1年間、実地研修(OJT)を受けることができる制度。専門性を磨くとともに、語学力・コミュニケーション力・異文化対応力およびリーダーシップを修得することが目的。
OB/OG訪問で体感した、先輩サントリアンたちの熱量に共感
大学では教育学部に進学し教員を志すも、その前に社会人経験を積むことも重要だと思い、就職活動を開始しました。
室井さん:小学5年生から高校3年生までは野球部、大学ではアメリカンフットボール部に所属し、学生時代はスポーツに打ち込んでいました。大学では教育学部に進学し、教員を志していましたが、まずは社会人としてさまざまな経験を積み、多様な視点を持ったうえで生徒に向き合える教員のほうがより良いのではと考え、就職活動を始めました。
当初は、「これがやりたい」という明確な目標があったわけではありません。OB/OG訪問を重ね、さまざまな業界の先輩方と対話をする中で、仕事への情熱は、仕事内容以上に共に挑む仲間によって生まれると実感しました。
現在、アメリカ・ロサンゼルスに駐在し、『オールフリー』のブランドマネージャーを務める室井亨樹さん。
サントリーへの入社を決意した理由を室井さんはこう振り返ります。
室井さん:サントリーの社員の方々と接する中で強く感じたのは、人や組織に対する並外れた熱量です。部門や立場の違いを超えて、全員が同じ方向を向きながら仕事に取り組んでいる姿も非常に印象的でした。
仕事もスポーツと同様、目標達成には個人の力だけでなくチームワークが欠かせません。だからこそ、このような一体感があり、社員一人ひとりが高い熱量を持って挑戦している“熱い”環境で働きたいと思い、サントリーへの入社を決意しました。
入社後は「まずは現場でサントリアンとしての基礎を学びたい」と営業部署を志望。
営業としてのキャリアがスタートしました。
室井さん:業務用酒販店様を担当し、酒販店様と協働しながら、多くのお客様にサントリー製品を体験していただける“飲み場”づくりに取り組みました。その経験を通じて、「お客様志向」や「現場発想」といったサントリアンとしての基礎を身につけることができたと感じています。
入社当初の2年間は、目の前の業務をこなしながら先輩方に追いつくことに必死でした。次第に自分なりの営業スタイルや仕事の進め方を確立できるようになり、4年目を迎える頃には、海外の市場でも挑戦してみたいという思いが強くなりました。
サントリーには「日本の価値を国内、そして世界に広げたい」というバイタリティを持つ人が多いと話す室井さん
トレーニー制度に自ら手を挙げ上海へ。“当たり前”が通用しない環境での挑戦
周囲の刺激もあり、徐々に海外への挑戦を志すようになった室井さん。
「現業を全うする」ことが次のキャリアにつながったと話します。
室井さん:業務用営業出身の先輩や同期が海外で活躍する姿に刺激を受け、次第に海外で働くことを意識するようになりました。当時の私は海外経験や特別なバックグラウンドがあったわけではありませんが、「挑戦しなければ何も始まらない」と考え、思い切ってトレーニー制度に手を挙げました。
一方で、その頃から一貫して大切にしていたのは、「まずは目の前にある現業を全うすること」です。トップセールスを目指し、日々の業務に真摯に向き合う。そうした地道な積み重ねと、周囲の方々の支えや機会があったからこそ、トレーニーとして海外に挑戦するチャンスにつながったのではないかと感じています。
そして中国・上海での仕事がスタート。
1年間のトレーニーは、室井さんにとって貴重な経験になったと言います。
室井さん:上海赴任後は、すぐに現地の卸店や飲食店を担当する営業チームに配属されました。当初は中国語でのコミュニケーションに苦労しましたが、定期的に語学学校へ通い続けるとともに、現地スタッフとのコミュニケーションを積極的に重ねることで、少しずつ中国語で意思疎通ができるようになりました。また、中国ならではの商習慣やビジネスの進め方への理解も深まり、現地で成果を出すための土台を築くことができたと感じています。
一緒に切磋琢磨したトレーニーの14期の同期たちと。
室井さん:上海では、現地のやり方を最初から否定するのではなく、まずは時間をかけて理解し、寄り添うことを大切にしました。中国では終身雇用という考え方が一般的ではないため、サントリーの「やってみなはれ」精神も、現地スタッフにとっては挑戦ではなくリスクとして受け取られることがあります。
日本では当たり前だと思っていた価値観や仕事の進め方が通用しない現実に直面したことで、「相手にとって何が価値なのか」をゼロから考え直すようになりました。
一つひとつの違いや背景と真摯に向き合いながら、地道に信頼関係を築いていった結果、互いの強みを活かし合いながら成果を生み出せる関係性を構築できたと感じています。こうした経験は、異なる文化や価値観を持つ人々と協働するうえでの大きな財産になっています。
海外では語学力以上に「相手に寄り添って理解しようとする姿勢や、恐れずコミュニケーションをとる突破力が重要」と室井さん。
LA海外駐在でマーケティングを担当。「10年3仕事」の価値も体感
上海でのトレーニー期間を経て、25年4月から米ロサンゼルスへ赴任。
ノンアルコールビールブランド『オールフリー』のマーケティングを担当することに。
室井さん:英語圏で働くのは初めてで、さらに営業からマーケティングへのキャリアチェンジという大きな挑戦でもありました。まさに「ゼロからのスタート」でしたが、不安よりも新しい環境で挑戦できることへの期待の方が大きかったことを覚えています。
アメリカでは近年、ノンアルコール市場が成長を続けており、大きな可能性を秘めたカテゴリーとなっていますが、一方で、『オールフリー』はブランド認知や流通拡大といった課題を抱えています。
だからこそ、商品の価値や魅力を自分自身の言葉で社内外に伝え、一人でも多くの方に『オールフリー』を知っていただくことが、今の私の使命だと考えています。
2026年3月、中味・パッケージとも大きくリニューアルをした『オールフリー』。ブランド・マネジメントや営業活動、さらにはサプライチェーン・マネジメントなど、「川上から川下まで、泥臭くなんでもやっています」と室井さん。
室井さん:米国市場でのテスト販売開始から10年という節目を迎えた『オールフリー』。今年の結果が、ブランドの今後を左右するという強い覚悟を持ち、ブランドと一蓮托生の想いで日々の業務に取り組んでいます。この責任の大きさこそが、今の仕事の面白さであり、同時に厳しさでもあると感じています。
相手にとって価値があれば、必ず広がる。大切なのは、“価値を翻訳する”ということ。
室井さん:どれだけ自分が良い商品だと思っても、相手に価値が伝わらなければ、売れない。──ただ“売る”のではなく、“ブランドの価値を翻訳して伝える”仕事をしていると思っています。
その商品が相手にとってどうして必要なのか、ブランドを通した体験価値をメッセージにすることを大切にしています。オールフリーの価値に共感していただき、手に取ってくださる瞬間に触れるたび、喜びとやりがいを感じます。
筋トレや読書、旅行が趣味だという室井さん。オフタイムも充実しているそう。出勤前にはゴールドジムの聖地Veniceで、ハードなトレーニングに励みます。
グローバルでの経験を、次世代の人材育成に還元していく
上海・LAでの海外駐在を経験して、サントリーの魅力や強みを感じることも多いそう。
室井さん:今、ロサンゼルスで働く中で強く実感するのは、日本での営業経験や上海という異文化の環境で人と向き合い、周囲を巻き込みながら成果を追求してきた経験が、すべて今の仕事につながっているということ。サントリーには「10年3仕事」という考え方がありますが、これまで携わってきた一つひとつの仕事が今に繋がる重要なピースとなり、現在の自分を形成してくれています。
これまで楽だと感じた業務はひとつもありません。それでも常に前向きに踏ん張ることができたのは、周りの方々のサポートと「やってみなはれ」という環境があったからです。それがサントリーの強みであり最大の魅力だと思います。
「器用な性格ではないなら、恥をかいて前に進む」ことを続けてきた室井さん。LA駐在の仲間と共に、世界に価値を伝えています。
“ジャパニーズ”の価値を世界へ、自らの経験を次世代へ。
室井さん:日本の良さを世界のカルチャーへと昇華し、グローバルスタンダードにしていきたいと考えています。日本のものづくりのレベルの高さやサントリーが培ってきたクラフトマンシップ、そして世界がまだ十分に気づいていない日本ならではの価値を、これからも積極的に発信していきたい。そのためにも、今後さまざまな業務や部門を経験し、自身の視野と専門性をさらに広げていきたいと思っています。
また、国内外で培った経験を活かし、将来的には営業発のグローバル人材育成にも貢献したいです。それが会社や組織への還元につながるだけでなく、これまで多くの方々に支えていただいたことへの恩返しにもなると思っています。
実現したいことや挑戦したいことはまだまだ尽きません。今後も新たな可能性に挑み続けながら、自分自身の成長とサントリーのさらなる発展に貢献していきたいと思っています。
※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部
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室井 亨樹Koki Muroi
Suntory Global Spirits
Global RTD部
2020年に新卒入社し、東京第1支社 1支店で業務用酒販店の営業を担当。
2024年4月からはトレーニーとしてSuntory Global Spirits China(上海)へ出向し、業務用営業に従事。2025年4月よりSuntory RTD Company北米事業開発部、2025年10月よりSuntory Global Spirits Global RTD部で『オールフリー』ブランドマネージャーとして、現在もロサンゼルスに駐在。愛称はCodie。