2026.05.25
営業、海外トレーニー、人事、経営企画......異動が成長に直結! グローバルを見据えた「10年3仕事」
2018年の入社以降、営業、海外トレーニー、人事、経営企画と、異なる領域を横断してキャリアを築いてきた名古路実希さん。一見するとバラバラに見える経験の積み重ねは、どのようにして現在の仕事へとつながっているのでしょうか。「10年3仕事」のリアルな価値とともに、その軌跡をひもときます。
「答えは現場にある」、東北営業で培った仕事の基礎
「日本発のブランドをつくり、世界へ広げたい」という思いでサントリーに入社した名古路さん。サントリーを志望したきっかけは、学生時代の海外経験とマーケティングへの関心だったといいます。
名古路さん:小学3年生から中学卒業までをアメリカで過ごしました。多様な人種や価値観が混ざっている環境だったからこそ、違うことが当たり前でした。「違いを受け入れること」、「自分ならではの意見を出してみよう」といった考え方のベースが自然に身についていたと思います。
その頃に、日本の商品やブランドのユニークさとこだわりを肌で感じたことが、消費財や日用品に興味を持ったきっかけでした。同じカテゴリーの商品でも、コンセプトやパッケージ、コミュニケーションなどのブランディングによって世界観が変わり、消費者の反応が大きく異なるというのも面白いなと思いました。
サントリーウエルネス株式会社 経営企画本部で活躍する、名古路実希さん。
帰国後は日本の高校を卒業し、大学では商学部でマーケティングを専攻。日常に寄り添った商品で日本の品質・こだわりを世界中にもっと広めていきたいという思いから、サントリーに入社します。
名古路さん:初期配属はサントリーフーズの東北支社で、量販営業(※)を担当しました。仙台を中心に、青森、岩手、山形、福島などの各県を回りながら、お客様が商品を手に取る数々の瞬間を目の当たりにできたのは、貴重な経験でしたね。
営業時代に上司から繰り返し言われてきたのが「答えは現場にある」ということ。売れている理由も、売れていない理由も、現場に行けば必ずヒントがあります。まずは足を運び、現場を自分の目で確かめることが大事だという教えは、別の部署に異動してからも常に意識しています。
※量販営業:スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどの小売業態を担当する営業のこと。
「人生で一度も訪れたことがなかった」という東北地方。各県を車で回りながら”現場主義”を貫いた。
量販営業の最前線で3年を過ごした後、2021年からは同じ東北支社で営業推進を担当。「縁もゆかりもなかった」という東北からはじまったキャリアでしたが、ここで培った“現場を起点に考える姿勢”は、今でも名古路さんの仕事の軸となっています。
名古路さん:正直、仙台への初期配属はすごく驚きました。でも、同じように仙台に配属された他メーカーの方と仲良くなれたり、仕事以外の部分でも、東北6大まつりや芋煮会など、東北ならではの文化を経験ができたりして、結果的にはすごく楽しかったですね。
自分で選んだ場所ではなかったからこそ、新しい価値観に触れることができました。今振り返ると、営業という職種もそうですし、新しい土地での経験というのも、その後のキャリアの土台になっていると感じます。
東北支社時代には、チームの仲間と青森ねぶた祭にも参加。
海外から人事へ。経験の掛け算で広がったキャリア
入社から4年を経て、トレーニー制度(※)に挑戦した名古路さん。若いうちに海外での実務経験を積みたいという思いから、自ら手を挙げて掴んだ機会でした。
※トレーニー制度:海外グループ会社で1年間、実地研修(OJT)を受けることができる制度。専門性を磨くとともに、語学力・コミュニケーション力・異文化対応力およびリーダーシップを修得することが目的。
名古路さん:いつか海外で働きたいという思いがあったので、まずはトレーニーとして実際に業務を通じて挑戦をしたいと思いました。当時の上司たちもすごく後押しをしてくれて、面接の練習やエントリーシートの添削など、とても温かく応援していただいたことをよく覚えています。
選考プロセスを通過し、2022年4月からはトレーニーとしてロンドンへ。担当したのは、利益最大化を担うRGM(レベニュー・グロース・マネジメント)でした。
※RGM:Revenue Growth Managementの略。収益性のある成長を促進するための管理や戦略手法のこと。
「ロンドンでの1年間が、その後のキャリアパスを考える上での刺激になった」と名古路さん。
名古路さん:営業時代は“売り上げやシェアをどうやって伸ばすか”を中心に考えていましたが、ロンドンではインフレやコロナ禍という市場の動向も見極めながら、ときには“売らない判断”をすることも。イギリスではこのRGMの考え方が広く浸透していて、事業全体を俯瞰して利益の最大化を推進していく立場として、ときには営業やマーケティング部署と相反する意見を述べる必要もあり、そこに葛藤することもありました。
一方で、イギリスでも上司や同僚に恵まれ、国や環境が違っても、ものづくりへの想いや“Yatte Minahare”精神が浸透していることなど、同じサントリアンとして共感する部分が多かったのはうれしかったです。
また、英語でコミュニケーションをとれたとしても、業務に対する知識や経験がないと価値を出すことが難しいとも感じました。語学以上に、自分の軸となる専門性が必要だと実感できたことも、その後の自分にとっていい経験となりましたね。
2022年のロンドン赴任中に、チームメンバーと一緒に撮影。
帰国後は、サントリーホールディングスの人財戦略本部へ異動し、新卒採用を担当。ここでもまた、これまでとは異なる業務に向き合うことになります。
名古路さん:配属先を聞いたときは、またまた驚きましたが、やってみると楽しさと同時にとても責任を伴う仕事だと感じました。面接や面談では、人生をさらけ出して話してくれる学生一人ひとりと真摯に向き合い続けること、そしてその方にとっての「幸せ」とは何かをチーム一丸となって考えることを経験。個性溢れる学生の皆さんとの関わりを通じてフレッシュな気持ちで初心に戻れたり、刺激をもらうことがたくさんありました。
また、就活生の皆さんにサントリーのことを説明するためには、まずは自分自身が会社を理解していないといけません。企業理念や事業についても改めて深く考えるようになり、会社全体を俯瞰して見る視点が身についたと思います。
人事部時代にはインド人学生の採用にも注力し、新しい取り組みを展開。
名古路さん:さらに、外国籍学生の採用や、インターンシップ、早期選考など、新しい採用戦略にも挑戦させてもらいました。インドの大学に訪問しての説明会や面接の実施、インターンシップの運営は大変でしたが、将来の活躍を願い、一人ひとりの採用をサポートできたことは何にも代えがたい経験です。そういった縁がつながっていったことも、人事ならではの貴重な経験でした。
「幸福寿命」を社会へ。すべての経験が、今につながる
現在はサントリーウエルネスで、コーポレートブランディングの一環として『Be supporters!』プロジェクトを担当している名古路さん。これまでに経験してきた多様な領域での学びが、現在の仕事に活きています。
名古路さん:『Be supporters!』は、普段は“支えられる”場面が多い介護施設で暮らす高齢者がサッカークラブのサポーターとなり、応援を通じて“支える側”へと変わっていくことを目指す取り組みです。これまで携わったどの業務とも違っていたので、自分がどう関わっていけばよいのか最初はイメージが湧きませんでした。
介護やサッカーに関する知識がない状態から『Be supporters!』に携わり、「日々新しい発見の連続です」。
名古路さん:Jリーグの試合を実際に観に行ったり、施設に何度も足を運んだりするなかで、「この選手のぜんぶが大好きなんです」とすごく楽しそうに話してくださる方がいて。そのいきいきとした姿を見たときに、この活動の意味を初めて理解できた気がしました。
活動を通じて見えてきたのが、「幸福寿命」という考え方。身体的な健康状態にかかわらず、本人が幸福を感じながら生活できる時間こそが、人生の質を大きく左右するという実感がありました。
名古路さん:スタジアムでの観戦を目標に日々のリハビリを頑張る方や、“推し”ができたことで日々の楽しみが増えた方がたくさんいらっしゃいます。そんな皆さんと接するなかで、ワクワクできることがあるだけで、人はこんなに前向きになれるんだと感じました。
『Be supporters!』の取り組みでは、実際に高齢者の方々と一緒にスポーツ観戦を楽しむことも。
名古路さん:『Be supporters!』は、メディアの報道を通して世の中に広く問いかけることを大切にしているため、メディアごとの特徴や記者の方が興味を持つ企画の立て方などを、広報経験が豊富な先輩から日々学びながら仕事を進めています。
『Be supporters!』の価値をどう言語化して社会に伝えていけるのか。「幸福寿命」という言葉をサントリーウエルネス発の価値として広げていくことは、自分のサントリアンとしての挑戦のひとつですね。
活動を通して生まれたさまざまな感動の物語を『人生100年時代の物語大賞』で社会へ広く発信。
営業、海外、人事、経営企画。一見するとバラバラのように見えるこれまでの経験は、名古路さんのなかで少しずつつながり始めていきます。
名古路さん:今振り返ってみると、営業では“現場を見る力”、海外では“全体で判断する視点”、人事では“個と未来をつなぐ視点”、経営企画では“思いを広く伝える力”が身についたと感じています。これだけ多様な分野を横断してきたキャリアは、サントリーのなかでも珍しいほうかもしれませんね。
最初は異動に対する不安もありましたが、違う仕事を経験することで自分の引き出しが増えていった実感があり、結果的にはすごく良かったと感じています。ひとつの専門性を深めることも大事だと思いますが、複数の視点を持つことで見える景色もある。10年3仕事は、その機会を与えてくれる仕組みだと感じています。
想定していなかった仕事に出合うこともあると思いますが、その経験をどう活かすかは自分次第です。目の前の仕事にしっかり向き合っていくことで、あとから振り返ったときにすべてがつながっていると感じられると思えるのも、サントリーで働く面白さなのかもしれません。

※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部
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名古路 実希Miki Nakoji
サントリーウエルネス株式会社
経営企画本部
2018年に新卒でサントリーフーズ株式会社に入社後、東北支社にて量販営業を担当。2021年より同支社にて営業推進に携わり、2022年からはサントリー食品インターナショナル ロンドンオフィスにて、トレーニーとしてRGMを担当。帰国後、2023年4月よりサントリーホールディングス 人財戦略本部での新卒採用担当などを経て、2025年4月より現職。