2026.05.07

現場を知り、「未来への種」を蒔く。「10年3仕事」でたどり着いた、サントリー生産技術開発のキャリアパス

現場を知り、「未来への種」を蒔く。「10年3仕事」でたどり着いた、サントリー生産技術開発のキャリアパス

大学院での化学工学の研究から、インターンシップを経て入社した、サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 プロセス技術開発部の高田健斗さん。工場配属に始まり、省エネ・省水活動の推進やサステナ技術開発など、多彩な経験を積み重ねてきた10年間を振り返って、サントリーの「10年3仕事」での成長とキャリアパスについて教えてもらいました。

インターンで確信した、「サントリーで働きたい」という選択

学生時代は工学部で化学工学を専攻していた高田さん。在学中に参加したインターンシップが、サントリーとの出合いでした。

高田さん:2014年の夏に、サントリーの生産研究部門のインターンシップに参加しました。サントリーが取り組んでいる生産課題に対して、栃木梓の森工場で社員の方と一緒に着手し、提案までを行う2週間のプログラムでした。

そのときの課題は「省エネ」で、工場のエネルギー削減のために何ができるのか、現場を歩き回って調査しながら仮説を立てていきました。単なる「職場体験」ではなく、生産研究の実務に近いかたちで関わらせていただき、自分が学んでいる工学や化学の知見をどう業務に生かせるのかを肌で感じることができた、学びの多い機会となりました。

学生時代から、「学術的な研究よりも工業製品などへの応用化学に興味があった」と話す高田さん。

高田さん:また、社員の方が皆さん親切で、情熱を持って仕事に取り組んでいたことも印象的でした。「こういう人と働きたい」と自然と思えたこともあり、インターンが終わる頃には、「サントリーで働きたい!」という気持ちが固まっていました。

その後の選考を経て、内定をもらった日には、喜びのあまり「山崎」と「白州」を買って自宅で祝杯をあげたことを、今でもよく覚えています(笑)。

こうして2016年にサントリーへ入社した高田さん。初期配属先は希望が叶い「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」となりました。

高田さん:新しい技術開発を通じて、まわりの人に喜んでもらえるような新商品を生み出したいというのが、入社当時からの目標でした。そのためには、まずは生産現場の最前線を知る必要があります。

なかでもビールは生産プロセスが複雑で、そのぶん学びも多いはずだと考えました。インターンの経験から、工場でどのような仕事ができるのかを理解していたこともあり、まずは現場でエンジニアリングの基礎を学びたいと思い、工場配属を希望しました。

ビールづくりの現場について、「製麦、仕込み、発酵、濾過と、複雑なプロセスは魅力でもありますね」

工場では、設備設計・導入、プロセス改善、省エネ活動の推進などを担当。一見すると技術職らしい業務ですが、その本質は「多くの人との協働」だったと振り返ります。

高田さん:工場の方だけでなく、他部署なども含めて本当に多くの人が関わります。そこを調整しながら、限られた期間で設備を入れ替え、安定稼働まで持っていく。そのプレッシャーは大きい一方で、新製品が実際にラインで流れたときの達成感は忘れられませんね。

ビジネス部門などで「1、2年目から大きな担当を持ってバリバリ働いている」という話をよく聞きますが、生産研究部門も同様に、年次を問わず活躍の機会があります。大きな予算がついたプロジェクトを任せてもらえたり、重要な設備の立ち上げを一から担当させてもらえたりと、責任ある仕事に早い段階で関わることができました。

そうやってたくさんの人と関わりながら、ものづくりの現場が実際にどう動いているのかを知ることができたのは、ビール工場での大きな学びでした。

ビール工場から世界へ。現場経験が広げた、エンジニアとしての視野

5年間の工場配属を経て、2021年にはSBDのエンジニアリング部へ異動。国内外の工場を舞台に、サステナビリティに関わる技術提案を行うようになります。

高田さん:新たに配属されたのは、ビール以外にもウイスキーやソフトドリンクなど、多様なフィールドで生産課題を解決する機能を持った部署。それまではひとつのビール工場のことだけを考えていましたが、ここからは一気に視野が広がりました。

具体的には、国内外の生産拠点へ実際に赴き、省エネや水使用量の削減といった課題への提案を行ってきました。タイの「BRAND’S Essence of Chicken」の工場や、アメリカのメーカーズマーク蒸溜所、スコットランドのアイラ島にあるスコッチウイスキーの工場など、さまざまな拠点の現場を知ることができたのは貴重な経験でしたね。

エンジニアリング部時代は、主に省エネや省水など、国内外の工場でのサステナビリティ課題に注力。

これまで国内の工場で経験してきたことを、海外の生産拠点でも実践していく。そこには確かな手応えがあったそうです。

高田さん:サステナビリティの観点で課題解決のロードマップを描き、それを現地の工場に落とし込むのは、決して簡単ではありませんでした。欧米圏とアジアでは価値観も異なりますし、生産課題に対する受け止め方もさまざまです。

英語が流暢ではなくても、設備の絵を描いて矢印と数値で示せば「こうすれば良くなる」ということは感覚的に伝わります。エンジニアリングの世界なので、図と数字とロジックで説明すれば、ある程度は理解してもらえるというのは意外な発見でしたね。

「図や数字を交えて相互理解を深められるのも、エンジニアリングの現場ならでは」と高田さん。

ほかにも、ベトナムやメキシコ、ヨーロッパなど、世界各地の拠点を訪れた高田さん。言語や文化の違いに直面しながらも、仕事の本質は変わらなかったといいます。

高田さん:初めて訪れたベトナムの工場では、マネージャー以外は英語が通じないメンバーがほとんどでした。それでも、省エネや省水の取り組みに対する関心は非常に高く、私が現地で作業しているときには、ゾロゾロと集まって後ろからその様子を覗き込んでくるほど熱心なんです。

言葉が通じなくても「少しでも学びたい」「より良くしたい」という思いがひしひしと伝わってきました。そうした姿勢に触れることで、こちらのやる気も高まりましたし、自分のスキルが必要とされているという実感に、胸が熱くなったことを覚えています。

実は2021年まではパスポートすら持っていなかったくらい、海外への関心はあまり高くありませんでした。でも、「自分のスキルが活かせるフィールドは世界中にある」と実感できた4年間は、自分にとって大きな転機となりましたね。

2023年、テキーラを生産するメキシコのサウザ蒸溜所にて。

「まだ世にない価値」をつくる。研究と現場をつなぐ役割へ

現在は、サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 プロセス技術開発部に所属。さまざまな研究の「種」を、実際に使える技術として具体化し、生産の現場に実装していくことがミッションです。

高田さん:たとえば、原料からまだ取り出しきれていない有用な成分を、いかに効率よく回収・活用して、新しい価値に変えることができるのか。そして、その技術をどうしたら生産プロセスとして具体化できるのか、といったことに取り組んでいます。

その技術や成分が、未来の新商品のキーパーツとなったり、入手困難な原料の代替になったりすることもあり得ます。お客様がまだ味わったことのない「新しいおいしさ」につながる可能性を秘めた、まさに「まだ世にない価値」を創造するワクワクするような仕事だと感じています。

「ビーカーレベルの基礎研究を実際の設備へスケールアップすることも、生産技術のやりがいです」

こうした技術開発の土台となっているのが、これまでの工場での現場経験です。

高田さん:工場では、設備の制約や運用の事情など、いろんな要素が複雑に絡み合っています。そのリアルな部分を経験しているからこそ、「このアイデアは実際に使えるのか」という肌感を持って研究に取り組めることは、自分の強みだと感じています。

香気成分の例でいえば、工場のプロセスのどこで香りが逃げているのかがイメージできるかどうかで、技術開発のアプローチも変わってきます。現場を知っているから、どこにチャンスがあるのかも見えてきますし、研究の「種」は現場にこそたくさんあると思いますね。

さらに近年は、技術そのものの価値をどう伝えるかということにも、関心を持ち始めているそうです。

高田さん:技術開発は、商品の魅力を伝えるうえでも重要な要素です。商品にどういう技術が使われていて、それがおいしさにどうつながっているのか。お客様にとっての価値を生み出すという点では、商品のストーリーとプロセス技術はとても親和性が高いんじゃないかと最近よく考えています。

「いろんな商品に詰まった『技術のストーリー』もしっかりと伝えていきたい」と、高田さん。

高田さん:新しい生産技術は商品の品質を高めるだけでなく、それを「おいしさの理由」としてきちんと伝えることで、商品価値をより深く届けることができる。そうした循環を生み出し、新しい価値や文化をかたちづくることもまた、技術開発の役割だと考えています。

現在は京都のワールドリサーチセンターで勤務している高田さん。休日には夫婦で美術館を巡るなど、京都での生活を満喫しているそうです。

高田さん:京都は学生時代を過ごした場所で、思い入れがある地域で勤務できるのはうれしいです。海外出張もそうですが、その土地土地の魅力を感じながら仕事ができるのは、すごく恵まれていることですね。

入社して10年。これまでの「10年3仕事」を振り返ると、ビール工場、エンジニアリング部、プロセス技術開発と、思い描いていたキャリアを歩んでこれたと感じています。

学生時代には研究室のなかで完結していたことも、サントリーではさまざまな部署と連携しながら、ひとつの工場を動かし、海外にも広げていくことができます。そうやって「未来への種まき」に関われることが、この仕事の面白さですね。

未来の価値創造を目指して、日々の業務に取り組む”生産技術開発サントリアン”。

この先、高田さんが目指すのは、その「種」を確かな価値として実らせることです。

高田さん:まずここで新しい技術をひとつひとつ確立していき、世の中に新しい価値をどんどん届けていきたいです。まだかたちになっていない「種」ですが、10年後にはきっと当たり前に存在しているような技術を、自分の手で創造していきたいと思います。

※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部

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高田 健斗

高田 健斗Kento Takada

サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社
プロセス技術開発部

2016年に新卒で入社後、サントリー利根川ビール工場(現:天然水のビール工場 群馬)エンジニアリング部門 設計技術グループ に配属。ビール工場の設備設計・導入、および省エネ活動を推進。2021年よりエンジニアリング部 プロセスエンジニアリンググループへ異動し、国内・海外拠点における省エネ・省水活動推進、サステナ技術開発、新規中味プロセス技術の実用性検証・評価に従事。2025年より現職にて、新規中味プロセスの開発を担当。

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