サントリーウイスキー蒸溜所便り

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山崎蒸溜所便り

【山崎蒸溜所】ご来場のお客様からよくいただく質問にお答えします!~蒸溜編~

2026年3月23日

こんにちは、水野めぐみです。
最近は暖かい日も多く、山崎蒸溜所でも春の気配を感じられる日が増えてきました。3月に入り、多くのお客様にご来場いただいています。

私たちがご案内している山崎蒸溜所の見学ツアー中、お客様から製造工程についてさまざまなご質問をいただきますが、その中でも特に多く寄せられるのが蒸溜工程についてです。
そこで今回は、皆さまからいただいた蒸溜工程に関する疑問について、Q&A形式でご紹介します。


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山崎蒸溜所のテイスティングラウンジ


■ニューポットの味わいは?
樽で熟成させる前の、蒸溜したばかりの無色透明の液体は「ニューポット」と呼ばれ、アルコール度数は70%以上あります。
香りの第一印象はやや強く感じられますが、口に含むとフルーティーさや穀物の香り、クリーンで力強い味わいを感じることができます。

このニューポットから、香味のバランスのよい部分だけを取り出し、樽詰めします。そして、樽の中で長い時間をかけて熟成されることで、ウイスキーならではの、華やかな香りやまろやかな味わい、そして琥珀色へと変化していくのです。


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多様な蒸溜釜が並ぶ蒸溜室

■蒸溜釜の加熱方法は?
蒸溜釜の加熱方法には、主に「直火蒸溜」と「間接蒸溜」の2種類あり、山崎蒸溜所では初溜は全て直火加熱、再溜は全て間接加熱を行っています。
直火蒸溜は、釜の下から火で1000℃以上に加熱する方法で、香ばしさやコクのある味わいの力強いニューポットが生まれると言われています。

一方、間接蒸溜は、釜の内部に設置されたパイプに蒸気を通して加熱する方法です。軽やかでクリーンな酒質になりやすいとされています。
このように、加熱方法によるつくり分けも、原酒の個性を生み出す要素のひとつです。


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形や大きさの異なる蒸溜釜(ポットスチル)

■蒸溜釜の形や大きさはなぜ違うの?
蒸溜釜は、形や大きさの違いによって出来上がる原酒の個性が変わります。
山崎蒸溜所では、首の部分にふくらみのある「バルジ型」と、ふくらみのない「ストレート型」など複数の形状の蒸溜釜を使い分けています。
一般的に、ストレート型は力強く重厚なニューポットを生み、バルジ型は比較的軽やかでクリーンな酒質になりやすいといわれています。


■蒸溜釜のネックの角度はなぜ違うの?
蒸溜釜の高さや、ネックの角度によって酒質が異なり、香味に変化をもたらします。
蒸溜釜の高さが低くネックも下向きであれば、蒸気が簡単に冷却装置へ移動することができるので、重い酒質になります。一方で、蒸溜釜の高さが高く、ネックが上向きの場合は、重い成分は上部まで上がりにくく、軽い成分だけが冷却装置に移動することで、軽やかな酒質になるといわれています。

このように、蒸溜釜の形やネックの角度の違いによって、原酒の味わいにさまざまな個性が生まれます。


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レンガで底上げしている蒸溜釜

■レンガで底上げしている釜があるのはなぜ?
レンガで底上げしている釜は、初溜釜と再溜釜があります。
初溜釜では、レンガを積み上げることで下から直接火で加熱する構造になっており、再溜釜ではラインアームの角度を変えるためにレンガで高さを調整しています。


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場内では、かつて使用していた蒸溜釜を展示

■蒸溜釜はなぜ銅でできているの?
蒸溜釜には、熱伝導に優れ加工しやすいことから銅が使用されています。
さらに銅には、蒸溜の過程で不要な成分を取り除く働きがあり、ウイスキーづくりに適した素材とされています。
蒸溜釜は、定期的なメンテナンスや点検、釜の表面を磨く作業などを行いながら大切に使用されており、蒸溜所によって異なりますが、数十年単位で使い続けられることもあります。

今回は、蒸溜工程についてお客様からよくいただく質問をご紹介しました。

ツアーは現在、なかなか予約が取りづらい状況が続いていますが、過去にウイスキーづくりに使われていた蒸溜釜は、ウイスキー館や場内でご覧いただくことができます。
皆さまのご来場をお待ちしております。

【お知らせ】山崎蒸溜所のご来場には事前予約が必要です。詳細につきましては、山崎蒸溜所のサイトをご確認いただき、ご予約のうえご来場ください。

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