白州蒸溜所便り
白州蒸溜所つくりのこだわり ~自然環境と水~
2020年5月27日
こんにちは、森川ユタカです。今回から全3回にわたって白州蒸溜所のつくりのこだわりをご紹介します。
第1弾はウイスキーづくりに大切な「自然環境」と「水」。ぜひ白州蒸溜所ツアーに参加した気分でお愉しみください!
森の蒸溜所「白州蒸溜所」
南アルプス・甲斐駒ヶ岳の麓に位置する白州蒸溜所。
標高約700メートルの澄みわたる大気と約82万平方メートルもの広大な森に包まれ、世界でも稀なその立地から別名「森の蒸溜所」とも呼ばれています。
佐治敬三(左)と大西為雄(右)
白州蒸溜所の竣工は1973年にさかのぼります。
サントリー2代目社長の佐治敬三は、山崎蒸溜所とは異なる個性のモルトウイスキー原酒を求め、第2のモルトウイスキー蒸溜所としてふさわしい候補地を全国から探しました。
立地の条件としてこだわったのは、「自然環境」と「水」。
敬三には「良質な水、やがて美しく薫る水でなければ、人々に愛されるウイスキーは生まれない。」という信念がありました。
この良質な水の調査を任されたのが、かつて山崎蒸溜所の工場長を務めたウイスキーのプロフェッショナル、大西為雄です。
時には険しい山中まで分け入って水の調査を行う貪欲な姿から、大西は後に「水の狩人」とさえ呼ばれました。
そして、全国にまでおよぶ調査の末ようやくたどり着いたのが白州の地だったのです。
水が伝う白い花崗岩
2人が白州の地に魅了された理由は、南アルプスの山々に囲まれた豊かな自然環境にありました。
甲斐駒ヶ岳付近の南アルプスには花崗岩の地層が広がり、山に降り注いだ雨や雪が何十年もかけて花崗岩層によって磨かれることでミネラルバランスのよい水になります。
白州蒸溜所の仕込み槽
豊かな自然環境のもと育まれた水は、ウイスキーづくりの第一工程である「仕込」で大きな役割を果たします。
ウイスキーの原酒は、「仕込」・「発酵」・「蒸溜」・「熟成」を経てつくられますが、全ての工程において水は欠かすことができません。
特に「仕込」では、原料の麦芽と水を混ぜ合わせてウイスキーのもととなる「麦汁」をつくるため、ウイスキーの味わいや品質に大きな影響を与えます。
長い年月をかけて、南アルプスの山々をくぐり抜けてきた地下天然水は、ほどよいミネラルを含むキレの良い軟水で、この水で仕込まれた原酒は軽快で穏やかな味わいを持ち、重厚で華やかな山崎の原酒とはタイプが異なります。
白州蒸溜所を取り巻く「自然環境」、そして、白州の地で育まれた清冽な「水」で仕込むからこそ、シングルモルトウイスキー「白州」の軽快で爽やかな口あたりが愉しめるんですね!
次回は白州蒸溜所のつくりのこだわりから発酵と蒸溜をご紹介します。ぜひお楽しみに♪
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【工場見学一時休止のお知らせ】新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、感染防止のため、当面の間、工場見学および場内全施設(ショップを含む)を休止させていただきます。見学・予約再開につきましては、日程が決まり次第、白州蒸溜所ホームページでお知らせ致します。(2020年5月27日現在)