サントリーウイスキー蒸溜所便り

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山崎蒸溜所便り

国産「ミズナラ樽」の誕生

2018年10月19日

こんにちは。水野めぐみです。
10月に入り日が落ちるのも早くなり、山崎蒸溜所では、草花をはじめとした場内風景にも秋らしさを感じるようになりました。
今回は、国産の「ミズナラ樽」誕生についてご紹介します。


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樽の中で熟成の時を重ねるモルトウイスキー原酒


遡ること1940年代、戦争中に海外からの樽の輸入が困難となった時期がありました。そんなとき、日本国内の様々なオーク材から熟成に適したものを探し求め、選んだのが「ミズナラ」でした。


ミズナラは水分を多く含み、燃えにくい特性を持っているためそう呼ばれるようになったと言われています。高級な家具材としても使われるこの材は、いざウイスキーを熟成させるとなると原酒が漏れやすく、製樽作業は苦労の連続でした。さらに新樽でウイスキーを熟成すると木香が強すぎることから、ブレンダーからは必ずしも高い評価を得られなかったそうです。


しかし、ここでひとつの奇跡が起こります。新樽では強すぎた木香が、長期熟成することで伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)などを思わせる独特の香味に変化していったのです。


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テイスティングカウンターで
お愉しみいただける「山崎12年構成原酒」〈ミズナラ樽〉


そして数十年の時を経て、ミズナラ樽で熟成した原酒は今では海外のブレンダーやウイスキー通からも高い評価を得るようになりました。
シングルモルトウイスキー山崎の豊かな香味を生み出すためにも、なくてはならないこのミズナラ樽は、サントリーで保有する約120万樽の中でも数千樽ほどしかない希少な樽。ミズナラの木が樽材として使えるまで成長するには長い年月がかかるため、サントリーではその保護や育成にも力を入れており、樹木の選定にあたってはブレンダーも森へ赴くほどです。


山崎蒸溜所のテイスティングカウンター(有料)では、「山崎12年」のミズナラ樽原酒もご試飲いただけます。その他の構成原酒や製品と個性を比べてみるのもおすすめですよ。
ご来場の際は、ミズナラ樽が誕生した歴史にも思いを馳せながら、ぜひお愉しみください。
※ご提供製品は状況により、品切れとなる場合もございますのでご了承ください。


【入場にはご予約が必要です】
多くのお客様のご来場により場内が混雑しております。予約なくご来場された場合、入場できないこともございますので、ご来場の際には必ず前日までに事前予約をお願いいたします。詳しくは山崎蒸溜所のホームページをご覧ください。


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