2026年4月17日
#1010 堀越 康介 『ブレイクダウンにカオスを起こす』
ラインアウトスローをはじめとして、安定感あるプレーを続けている堀越選手。この先どんなプレーを見せてくれるのでしょうか。(取材日:2026年4月中旬)
◆心身ともにリフレッシュ
――久々のバイウィークで1週試合が空きましたがいかがですか?
今週から動き始めて、かなり変な重さもなくなりましたし、ちゃんと休めたので、心身ともにリフレッシュできたかなと思います。
――チームのみんなの感じは?
とても元気ですよ。
――他のみんなもリフレッシュできたんですね
そうですね。かなり身体的にはキツかったです。8連戦の中で勝ったり負けたりと波のある試合が続いていたので、やはり心の中でも疲労があったと思いますし、もちろん身体も疲労していたと思います。それがこの1週間でどれだけ取れたかわかりませんが、少しは休めたんじゃないかなと思います。
――今シーズンは昨シーズンとは違いますか?
昨シーズンとは違うと思います。より自分たちがどうやって勝つかという部分が、昨シーズンよりも明確になっていると思います。あとはミーティングでも言っているんですが、自分たちの力が10出せたらどこにも負けるチームはないと思っています。常に7~10の間の力を出そうという話もしているので、勝つためのプランは明確ですし、あとは僕たちがどれだけ精度高くやり続けられるかだけだと思います。
――バイウィーク前の試合ではその力を出すことが難しかった?
ひとつは雨の時の戦い方が、相手の方が上手かったと思います。ボールが滑る中でのミスもありましたし、やっぱり僕たちはボールを動かすチームなので、そこでのミスは多少は仕方ない部分はあると思いますが、そこから一気に相手のペースに合わせてしまった前半だったので、相手が上手かったと思います。

◆スタンダードはもっと高いところにある
――1・2・3番の3人がパックとしてある程度固定されていて、先発でない時には3人ともリザーブで、後半から揃って交代したり、その次には3人とも先発ということがありますね
それに関してはスタッフから何か言われていることは特にないので、特に何も思っていないですが、多分パックを崩したくないんだろうなとは思います。
――先発とリザーブでは試合に対する入り方が違ってきますか?
先発の時はやはり最初の5分、10分がめちゃくちゃ大事なので、そこでまずは精度の高いセットピース、得点を取る、規律高く動き続けるというところは、強く意識しています。後半から入る時には、ある程度ゲームの流れを見ながら入れるので、大事なところがわかりますし、ここぞという時の声掛けも、リザーブの時の方がわかりやすかったりします。
――ここのところの自分の出来はどうですか?
うーん、ボチボチですかね(笑)。
――この前の試合ではトライがあり、ルーズボールへのリアクションも良かったですよね
毎試合、インパクトは出せていると思います。ただチームから求められているスタンダードはもっと高いところにあると思いますし、それに対して、自分がもっとできることがあるんじゃないかと思っています。
――もっとできるひとつとしては、以前に言っていたスティールですか?
そうですね。それとブレイクダウンにカオスを起こす。スローボールにするとか、スティールができなくても、相手の球出しを遅らせるというところですかね。そこも良くなってきていると思います。まずディフェンスが昨シーズンとは違うと思うので、タックルも、ポジショニングの速さも、そういうところは自分でも成長を感じているところではあります。
――トライについてはどうですか?
誰も僕のトライを求めていないと思いますよ(笑)。でも僕がトライすることによって、チームが盛り上がる瞬間もあると思います。以前トライをたくさん取っていた時って、今よりも自由に動かせてもらっていたんです。今はゴール前では動きが決められていて、本来は僕が動くところではなかったんですが、その時の僕の感覚を信じて、行った方が良いと思ったんです。結果としてトライになりました。

◆こんなに話すパックは初めて
――今プレーしていて、嬉しいと思うのはどんな時ですか?
モールでトライを取ったり、スクラムでペナルティーを取ったりした時は嬉しいですね。今シーズンはモールトライは多くないですが、スクラムはいま良い感じです。
――それは何が要因なんですか?
パックでずっとやり続けているということもありますし、コバケン(小林賢太)とTK(竹内柊平)と、グラウンド内外でかなり話をしているので、そういうところが試合に出ていると思います。
――その3人はみんなよく喋りそうですね
そうですね。細かいところまで話すので、かなり深い話をしていると思います。僕がサンゴリアスに入って、こんなに話すパックは初めてくらいだと思います。
――その効果があるんですね
あります。試合中にパッと言ったことも2人ともパッと反応してくれます。「こうなったらこうしよう」と事前に話しているので、試合中にセットアップを変えたりすることもあります。試合の途中で「どう?」って話して、「じゃあ次からはこっちにしようか」って。それで上手くいっています。
――それが面白いところですね
面白いですね。

◆もっと壊しに行く
――今の課題は何ですか?
ボールキャリーですね。もっと壊しに行くというか、ポイントを作りに行くんじゃなくてゲインを取りに行く。そこかなと思います。
――そこは今後は改善できそうですか?そこはどう変えるんですか?
行けます。ポジショニングとタイミング、あとスピードチェンジ、そこかなと思っています。当たる瞬間に2、3歩加速して当たるとか。
――それは高度なテクニックですね
そうですね。昔みたいにバチーンって行って、抜けることができるようなチームはありません。どのチームも大きい選手が相手ですし、抱え込まれてしまうので、その中で自分のこの大きくない身体でゲインを切る方法は、それしかないと思っています。
――もう少し詳しく言うと、どうやるんですか?
当たる瞬間にスピードを上げるイメージです。走りながらボールをキャッチして、行けるところを見て、そこに向かってスピードを上げて当たるんです。パスのオプションもあるように思わせるために、そのままのスピードで当たっていたので、ポイントを作るようなキャリーになっていました。そこを思いっきり勇気を持って行こうと思っています。この前の試合では、それが結構できていたと思います。
――そこで抜けたら、それが上手くいったということですか?
そうですね。チャンスになるラックがあると思うので、ゲインが切れて、良い球出しで良いスピードで出せた時のラックは、良いボールキャリーがいたから、ということになります。

◆思いっきり自分の精度を出せる環境
――その他はどうですか?ほかにも課題はありますか?
まだまだで、ボールキャリーとワークレート、ひとつひとつの精度を上げていかなければいけないと思います。
――ひとつひとつの精度を上げるためにはその時間、集中しなければいけないと思いますが、そこはどうやっているんですか?
個人の集中もそうですし、絶対にひとりじゃできないので、ひとつのタックルをするにしても横とコネクションしながらじゃないといけないです。思いっきり自分の精度を出せる環境を作れるようにしておくことが、大事だと思います。
――チームとしての集中力を作り出すには?
その大事な時間帯で、点を取った上でいかに取られないかです。そういうマインドのところも、チームとして作っていかなければいけないと思います。

◆コリジョンを見て欲しい
――目指している優勝に向けての道程は?
決定しているのがあと4試合、その中で大事なことは今日1日の練習ですし、今週の試合がいちばん大事なんです。ひとつひとつチームで勝って行って、その先に優勝がある。
――キャプテンのサポートも今シーズンのテーマだったと思いますが、それについては?
出来ていると思います。難しいですけれど、ケイノ(サム・ケイン)に負担がかかり過ぎないように、フォワードのところではホッコ(ハリー・ホッキングス)と僕とショーン(マクマーン)で話をしたりしています。
――さすがオールブラックス(ニュージーランド代表)の元キャプテンと感じるところもありますか?
物事の視点が違うと感じますね。悲観的になり過ぎないで、「今はこういう状況だから」って話してくれます。ケイノの言葉に助かっている部分もありますし、前向きですね。
――次のスピアーズ戦に向けてのポイントをお願いします
前回の試合で79失点して、チームとしてもリベンジの意味で、かなり激しいフィジカルバトルになると思います。フィジカルは僕の得意なところでもあるので、すべての局面でのコリジョンを見て欲しいと思います。本当に大事な1試合になると思います。そして熊本での試合になるので、他のところから熊本に来られる方は、ぜひ熊本も楽しんでほしいと思います。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]