SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2026年2月13日

#999 飯野 晃司 『求められているイチを完璧なイチにする』

トレーニングマッチでゲームキャプテンを務める飯野選手。自らのプレーと言葉で引っ張るチーム内でのバチバチな競争を語ってくれました。(取材日:2026年2月中旬)

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◆やってきたことは間違っていなかった

――埼玉パナソニックワイルドナイツに1点差で負け(30-31)、翌日のトレーニングマッチ(1月25日/府中朝日フットボールパーク)では勝ちました(21-12)。価値ある勝利でしたが、ゲームキャプテンとしてどんな目標を掲げて試合に臨んだのですか?

練習試合に出たメンバーに対しては、数少ないチャンスであり、自分のためにしっかりアピールをしようと伝えました。みんなファーストジャージを着て試合に出たいメンバーばかりなので、そこを出していこうという声をかけました。

――勝つということを前面に出すのではなく?

はい、これまでやってきたことを試合で出せれば負けることはないと思っていました。そしてみんなギラギラ燃えていたと思います。勝ちたかったのはもちろん勝ちたかったんですけれど、正直、あまり前の日の試合のことは意識せずに、それはそれ、これはこれとして。ただ、やってきたことは間違っていなかったという証明になったと思います。

――それは前の日の試合もトレーニングマッチも、と言うことですか?

そうです。前の試合は何かが足りなかったから相手の方が上回って負けて、日曜日の試合は僕たちの方が上回ったから勝ったと思います。

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――それはやろうとしたことができたということですか?

それもあったと思いますし、1人1人の熱量、そういう部分で勝てたんじゃないかなと思います。ゲーム内容的には風が強くてボールが取れないシーンも数多くありましたが、その中でもちゃんとゲームサイクルに関して良いコントロールが出来ていた部分もありました。ただ、まだ改善しなければいけない部分もあったので、そこは僕の反省すべきところです。

――その課題とは?

個人としてのパフォーマンスは置いておいて、チームとしてもっとコントロールできるところがあったと思います。最初、ペナルティーを3本くらい立て続けにしてトライを取られましたし、その後にいい形で組み立てられていたので、アップのタイミングでもっとコミュニケーションを取っていればと思う部分はあります。あと風が強いことはアップの段階で分かっていたので、一応風上を取っていたつもりだったんですけれど、何フェーズ以内で蹴るといった話を、もっと他のメンバーと話せていればと思いました。

――稀にみる風の強さでしたね

そうですね(笑)。ラインアウトのボールが変化球すぎて、「ごめーん」って言いながらプレーしていました(笑)。仁熊のタッチキックが、5mラインにまっすぐ行ったと思ったら、最後でグインって曲がっちゃったりもしましたね。まあ、良い経験かなと思います。

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◆バチバチにやり合っています

――リーグ戦ではなかなか試合に出られていない状況ですが、いかがですか?

もちろん試合に出たい気持ちはありますが、コスさん(小野晃征ヘッドコーチ)が「チームとして戦う」と示していますし、出ていない選手にもその選手の役割があると思っています。練習をしていても、ここ何シーズンよりもバチバチにやり合っていますし、ノンメンバーの方が良いパフォーマンスをする時もあるので、そういうところでメンバーに対して試合に出たいという想いが伝わっているのかなと思います。

――インタビューをリクエストしたとき「僕でいいんですか?」と言っていましたが、試合に関してはそうではないんですね

インタビューは若い選手がたくさんいるので、若い選手の方が良いんじゃないかなというだけでしたが、試合に対してはぜんぜんないです(笑)。遠慮するつもりはありません。

――3~4シーズン前はリーグ戦にかなり出ていましたが、もう一度そうなるための課題は?

僕みたいな選手は、当たり前のことを当たり前のタイミングですることを続けるしかないと思っています。いまは怪我もなく続けられているので、僕個人としては良い感じで出来ています。

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――いろいろ若手のお手本になっていると思うんですが、若手へのアドバイスは?

僕も若い頃、試合に出られずに不貞腐れて「何でやねん」って思っていましたし、それがないとおかしいと思っていたので、そういう気持ちはあって良いと思います。ただ、その分、「もっとこうした方が良いよ」ってサポートができるのは、僕を含めてそういう経験をしてきたベテランの選手たちで、そういう選手たちがちゃんとサポートしてあげれば、もっと良い方向に怒りを向けられるんじゃないかと思います。僕も若手の頃にしてもらいましたし、声をかけてくれる先輩たちがたくさんいて、そういう先輩たちが抜けて、その役が僕に回ってきたと思っています。

その点ではフォワードもバックスもあまり関係なく、この前の練習試合では僕がゲームキャプテンでしたが、チームとしてそういう人たちのエナジーをひとつの方向に向けてゲームをしたから勝てましたし、それがバラバラだったら負けていたと思います。この前のゲームに関して、そこは良かったかなと思います。

――自分たちがやっていることが間違いないと信じられる状況になってきているんですね

これまでも、やっていることが間違えているとは思っていませんでしたよ(笑)。大差で負けたクボタスピアーズ戦も、やってきたことが間違えていたんじゃなくて、やってきたことが出せていなかったんです。相手がこれまでやってきていたことと、ゲームの時にやったことが違っていましたし、そういうこともあると認識しました。

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◆コンシェルジュか支配人

――「僕でいいんですか?」という言葉から感じましたが、そういう気遣いを持った選手はチームとして非常に使い勝手が良いのではないかと思います。それは意識しているんですか?

もともとそういうキャラクターということはあると思いますが、チームとして使い勝手が良いということに対しては、ちょっとは意識しています。「まあ、こいつだったらできるだろう」と思ってもらっていることに対する準備はしているつもりです。

――その空気を読む力、人が望んでいることがわかる力は、ジャンルを超えて言えば例えば司会者が合っているのではと思うのですが

司会者まではできないかもしれませんが、ホテルのコンシェルジュとか支配人とかしっくりくるというか、やってみたいですね。

――まだ先の話ですが、引退後やってみては?

もともとチームソーシャルの司会とかもやっていたんですが、そういうところは宮本啓希さん(OB)に教えてもらいました。最近、人が喋っているところを見て、「この喋り方良いな」とか「こういう言い方があるんだな」って思ったりしています(笑)。

――チームで喋ることも、さらにやった方が良いのでは?

それはみんないるので、そこは僕じゃなくても良いんです。

――ラグビーに加えてその才能をもっと活かせたら面白いですね

何にしましょうか(笑)。何か仕事をするのが好きなので、仕事で喋ることも好きですし、人と喋ることが苦じゃないというか。引退後は、その能力をサラリーマンで活かせたらと思っています。

――万能感がありますね

ラグビーの時でも4番~8番までぜんぶできるように頭に入れているとか、もともとそれで試合に出させてもらっていたので、嫌いじゃない言われ方です(笑)。サッカーのゴールキーパーの経験が活きているのかわかりませんが、例えば飲み会の場ではぜんぶが見える位置に座りたいです(笑)。だから、だいたい角の隅っこにいます。

――イベントを仕切ることもきっと合っていますね

でも、何かを生み出すことはできないんですよ。僕の性格というか、ゼロをイチにはできないけれど、求められているイチを完璧なイチにすることはできると思います。

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◆ひとつになって戦おう

――選手として成長し続けていますか?

成長はしていると思います。あまり実感はないんですけれど、ジムでの数値は少しずつ上がっているので、その部分は成長しているんじゃないかと思います。

――それはプレーをしていても実感しますか?

あまりないです(笑)。でも、体重は落としたけれど、それでもフィジカルは変わらないので、ジムの効果が出ていると思います。今はバチバチにやるよりも、自分の身体を気遣う方が多くなりましたね。

――疲れが取れにくいとか出ていますか?

出てきますよ。だからストレッチをちゃんとやるようになりました。寝るのも子どもと一緒に寝ているので、9時とかには寝ています(笑)。それで6時頃に起きているので、8~9時間くらい寝ていますね。でも途中、何回も起きます。子どもがグズッたりしたら起きています。

――今シーズンの目標は?

勝ちたいですよね。

――勝つために自分は何をしますか?

できることをします。

――例えば?

試合のメンバーに入ればちゃんとその役割をしますし、入らなければそっちの役割をちゃんとやります。

――社会人で10年、今のチームの感触は?

若い頃は本当に必死だったのであまり覚えていないんですが、直近のチームと比べると、ノンメンバーのメンバーに対するバチバチ感が強い気がします。やっぱりメンバー内の競争が激しいチームが強いと思います。

――自らもバチバチ行っていますか?

そうですね。僕はハドルで結構喋るんですが、言うからにはやらなければいけないと思っています。

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――サンゴリアスとして今シーズン、ファンに期待してほしいことは?

一緒に頑張りましょう(笑)!例えば、観客席で僕の名前が入ったタオルとかは少ないじゃないですか。だから、僕のタオルを掲げている人がいたら、めちゃくちゃサービスしたくなります。他のメンバーもそうだとは思いますが、箱推しで黄色いものを身に着けて、スタンドが黄色くなることが僕らの力になっているんです。

ここ何シーズンも優勝できていなくて、ファンの皆さんもガッカリしていると思うんですが、僕たちもメンバー、ノンメンバー関係なく、ひとつになって戦おうと言い合っていますし、選手、コーチだけじゃなく、運営スタッフ、そしてファンの皆さんも一緒に、本当に最後まで一緒になって戦えたら、素晴らしい結果になるんじゃないでしょうか。

――その戦った先に祝杯が待っていますか?

はい、一緒に飲みましょう(笑)!


(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]

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