2026年2月 6日
#998 イザヤ プニヴァイ 『上手くいっている時に、それをやり続ける、そこを突き続ける』
パナソニック戦で場内を沸かせる2度のラインブレイクを見せたプニヴァイ選手。今回のランやプレーそしてチームの惜敗から見えてくるものは?(取材日:2026年2月上旬)

◆江見に感謝
――埼玉パナソニックワイルドナイツ戦では素晴らしいランと笑顔、2回ありましたね
自分でも結構、ビックリしていました。特に最初の方は。あのようなクリーンなブレイクで、あのスペースに入れるとは思っていませんでした。自信をもって最初からボーンって行けば、トライを取りきれたかもしれません。結果としては泰雅(尾崎)にパスをしました。ふたつ目もラインブレイクできるとは思っていませんでしたが、前を向いたときにスペースが空いていたので行きました。
――最初にラインブレイクできたので、ふたつ目は自信をもって行ったんですか?
はい、そうです。
――それができたのはなぜだと思いますか?
その週の木曜日の練習であったことなんですけれど、スクラムからボールを出した直後の組織的なサインプレーの際に、ディフェンスのセンターに入っていた江見が、先を読み過ぎて裏に飛んでいきましたので、将伍(中野)が前で当ててくれて、トライラインまで私の前が空いたんです。練習でトップスピードまで走ることができて、そこで自信がついたので、江見に感謝しています。
――ディフェンスが強い相手に対して、あのようなラインブレイクが出来て、更なる自信になったんじゃないですか?
自信を持ってプレーしたことが、あのプレーの手助けになったと思いますし、ディフェンスは全チーム良いのですが、特にトップ4のチームと対戦して、ここ何シーズンかでセミファイナルやファイナルに行っているチーム、パナソニックも東芝も、そういうチームと対戦するのは、チャレンジとして好きです。
――この後の試合でも見せてくれますね?
そう願っています。そこから伸びていくことが目的です。毎試合、2ラインブレイクということはできないかもしれませんが、パフォーマンスを積み重ねていけるようにしていきたいと思います。今週も1週間を通してやるべきことをやっていって自信をつけて、日曜日の試合で遂行したいと思います。
――ひとつ目は注目する選手と言っていた尾﨑泰雅選手にパスをしてトライになりました
私よりも良いポジションにいて、スコアを取れるポジションにいると思ったのでパスをしました。泰雅はとても良いサポートランを走ってくれるので、そこにいることはわかっていました。

◆成長の道を辿っていける
――今シーズンこのインタビューには6試合を終わって2回目の登場。今シーズンはあと2~3回は登場しそうですね
開幕戦の後のインタビューは、私じゃない方が良かったんじゃないですか(笑)。キックへのチャージだけでしたよね。でも、今回のように、何回も出られるようになると良いですね。
――しかしながら、今回、試合には負けてしまいました
勝てた試合だったと思います。何回かスコアが取れるチャンスはあったと思いますし、相手のスコアを止められるチャンスもあったと思います。ポジティブなこととしては、このブロックでの成長は出来たと思います。接戦の試合が2回くらいありましたが、自分たちのサイクルにフォーカスし続ければ、このまま成長の道を辿っていけると思っています。次はまだ7節ですし、早い段階で決断に迷わないようにしたいと思います。
――スコアが取れる時に取る、相手のスコアを止められるときに止めるためには、何が必要ですか?
こちらがボールを失ってからトライを取られたシーンがありましたが、ラックをひとつも作らずエッジまでボールを運んでトライを取られました。それはトランジション(攻守の局面が切り替わる状況)でのディフェンス。ボールを失わないようにすることは無理なことですが、エラーに対してのリアクションが早くなかった、トライを止めるほどのスピードがなかったと思います。
もうひとつトライを取るためには、上手くいっている時に、それをやり続けることが大切です。エッジのスペースにチャレンジすることが上手くいっているのであれば、そこを突き続けるんです。例えば時間であったりスコアボードであったり、レフリーからのプレッシャーがかかってきたりすることもあると思いますが、自分たちのサイクルをやり続けて80分やることが大事です。

◆毎回ドミネートする必要はない
――今回ディフェンスについてはどうでしたか?
良い時と悪い時があったと思いますが、全体としては、開幕戦より良かったと思います。ただ2回弾かれました。何回かは良いタックルに入れていたので、常に伸びしろはあると思いますし、まだ完成形ではないですけれど、チームとして良い方向に向かっていると思います。
――2回弾かれたところで弾かれないようにするには?
昨日考えていたんですが、ドミネートタックルをする良いポジションに入れていない時にそうなります。悪いポジションなのに、ドミネートタックルをしようとしてしまいました。その時に弾かれてしまいました。チェス(チェスリン・コルビ)はタックルを成立させることが上手ですが、毎回ドミネートする必要はないということを理解して、たまには向こうの勢いに乗せたまま倒し切れば、それでも良い時はあります。2回弾かれた時の1回は、悪いポジショニングで足が詰まった状態だったけれど相手をひっくり返そうとして、相手の勢いに弾かれてしまいました。
――その判断はいつするのですか?
タックルする前に判断をするので、難しいことではないと思います
――ではそれを意識したら、次からはできるということですか?
できると思います。ただ、その中で疲労やプレッシャーがあると変わってきますが、こういうシチュエーションを経験したので、今後はしっかりと準備ができます。まあ、また弾かれることはあるかもしれないですけどね(笑)。

◆誇りを持ったパフォーマンス
――第6節はインプレー時間が長かったと思うんですが、あのような試合を戦い抜いたということは自信になりますか?
時間帯によってはバテた時もありました(笑)。開幕戦でも80分間プレーをしましたが、その時にはフィジカルも足りませんでしたし、コリジョンのところが出来なかったりもしました。この前の試合は80分を通して、誇りを持ったパフォーマンスはできたと思います。
――開幕戦よりもかなり良くなっていますね
小さなアップダウンはありながらも、全体としては徐々に上がってきています。
――今の課題は何ですか?
ディフェンスのリーダーなんですけれど、ミスタックルをしてしまいました。ディフェンスでの役割を遂行して、ドミネートタックルでも、コミュニケーションを取って、ステイホールド(ボールを保持したまま前進する)をオーガナイズする。ちゃんとタックルを成功させる、ブレイクダウンで邪魔をする、どう上手く言えばいいか分かりませんが、80分を通して、自分の役割を90%以上できれば、良くなると思います。
――自分のパフォーマンスだけじゃなく、リーダーとして他のみんなも引っ張っていかなければいけないんですね
全員がどうディフェンスするかを理解しているので、リーダーとしては、そのキーとなる部分をドライブし続けて、その中でいちばん大事なことは、私自身も自分の役割を遂行することです。
――パナソニックにはこの8年間で、いちばん競った試合でしたし、大きな意味を持つ試合になったと思いますが、レベルはさらに上がっていきますか?
もちろんです。大きな自信を得られたと思いますが、8年勝てていなかったのは知りませんでした。リーグ戦で勝つのか、プレーオフで勝つのかと言われたらプレーオフで勝ちたいので、これからもしっかりと積み上げていかなければいけません。最後が自分たちのベースになるようにしていきたいです。

◆最高の仲間たちと成し遂げる
――日本でいちばんのセンターになりたいと言っていましたが、今はどの辺ですか?
まずはサンゴリアスでいちばんのセンターにならなければいけません。それをやるためには自分のベストをやらなければいけませんし、徐々に良くなっているという話はしましたが、まだサンゴリアスの中でも競争がありますし、そこで勝ち、継続してパフォーマンスを上げていかなければいけないと思っています。
日本でいちばんかどうかは、毎回フォーカスはしていません。今日上手くできるか、成長できるかということにフォーカスしています。先週よりも今週、より良いパフォーマンスをするためには、どうすれば良いか、それだけを考えています。
――いまラグビーをやっていて、いちばん楽しい時は?
ラグビーで最も好きなのは、週末の試合に向けて、1週間かけて心身ともに準備し、技術を磨き、ゲームプランを完璧に練り上げ、それを相手チームに対して実行し、勝利を目指すという挑戦です。
最高の仲間たちとこれを成し遂げられることが、ラグビーの最高の魅力だと思います。友人が同じように努力する中で、自らも最高の自分を目指せる挑戦です。

(インタビュー&構成:針谷和昌/通訳:石森大雄)
[写真:長尾亜紀]