SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2026年2月17日

#1001 鳥井 信宏 『ヘッズアップ!』

スピリッツ・オブ・サンゴリアス記念の1001回目は、スタジアムでもよく姿をお見かけするサントリーホールディングス株式会社鳥井代表取締役社長。サンゴリアスへの思いを語っていただきました。(取材日:2026年1月下旬)

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◆ほんの一瞬の何か

――第5節の三重ホンダヒート戦の試合終了後、選手に向かって「競っている試合の方が見ている方は面白い」とおっしゃっていましたが、それは鳥井社長の優しさではないかと思います

単純に、ラグビーは競っているゲームの方が面白い。

――競っていても勝たなければいけませんよね

そりゃそうですよ。例えば2023-24シーズンの第6節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦、相模原のギオンスタジアムでやった試合は、前半途中で0対29までいって、そこから大逆転勝ち(36対34で勝利)して、ああいう試合を見ているのがいちばん楽しい(笑)。

――どんなチームと試合をしようが、競って勝つというのを東京サンゴリアスに求めているんですか?

大差で勝とうが負けようが、それは本当のチームの実力であって、地力だと思いますが、競っている時に勝つか負けるかは、ほんの一瞬の何か、そういう力があると思います。それが大事だと思います。実力が拮抗している時に勝つか負けるかは、何かチームの力やベクトル合わせ、そういうところなのではないかなと思いますね。

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――サントリーのバレー部(サントリーサンバーズ大阪)は今、圧倒的に強いですね

ありがとうございます。でもね、1試合1試合を見てみると、結構フルセットの試合があったり、バレーボールも実力が拮抗してきています。その中で今のサントリーサンバーズ大阪は強いですね。

――もともとはラグビーよりもバレーボールの方を応援されていませんでしたか?

そういう間違った情報が広がっているんですよ(笑)。まあ大阪で働いていた時は、大阪がホームですし、行く機会が多かったのは事実です。でもラグビーもずっと見ていましたし、サントリーに入る前から応援していましたよ。1995年の第48回全国社会人ラグビーフットボール大会で、永友(洋司)がキックを蹴って同点になった試合(準々決勝/20対20で神戸製鋼の8連覇を阻止。トライ数で上回り準決勝進出)を生で見ていました。その頃からサンゴリアスを見ていて、記憶に残っている試合はその試合や、花園ラグビー場でやった試合で、負けかけていたところを坂田(正彰)がセービングして、そこからダーッと反撃した試合(決勝/27対27で三洋電機と引き分け。途中8対27まで開いた差をラストワンプレーで追いつき両者優勝/トライ数で上回り日本選手権への出場権獲得)とか、逆に同じ花園ラグビー場で近鉄にコロッと負けてしまった試合とか。

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◆勝ち負けも大事だけれども

――どこがラグビーの魅力ですか?

見ていたら面白いですよ。

――ご自身でやろうと思ったことはありませんか?

まったく思ったことはないし、自分の子どもは高校までやっていますが、そこまでやれば十分ではと思います。親としては、普通は怪我を心配しますよ。

――ご自身ではどんなスポーツをやられていましたか?

テニスはやっていましたね。あとは野球部ではないけれど、草野球をやっていました。

――朝の習慣はウォーキング、出社してのコミュニケーション、それらのルーティンがあるそうで、ラグビーの準備とも共通するものがあるように感じますが、いかがですか?

それこそ小野ヘッドコーチは、とても朝が早いそうですね。ラグビーにしてもバレーボールにしても、今の立場で言うと、勝ち負けもとっても大事だけれども、試合に出ている人、出ていない人、裏方も含めて、チームを応援しているという姿が好きですね。15人だけじゃ絶対に勝てないわけで、リザーブもいれば練習相手もいて、それを支えている裏方もいて、そういう人たちも含めて、本当のサントリーサンゴリアスというチームとして一生懸命頑張っているところは、応援したくなりますね。サントリーサンバーズもそうですよ。チームづくりという部分で、ラグビーは15人で戦うスポーツだから、それを支える人はとてもたくさんの人数がいると思います。それでよく頑張っていると思いますよ。

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――それに応えるためにも強くなければいけないですね

そりゃ、強いのがいちばんです。極端に言うと、ディビジョンをひとつ落としたら全勝で勝つと思いますけれど、それじゃ意味がないですよね。

――ラグビーと会社の経営、会社の組織づくりで、共通するものはあると思いますか?

目標達成に向かって、チームワークが不可欠という点ですね。ラグビーも会社も、全員が役割を果たさないと目標達成ができないという点は同じ。あとは、状況が刻々と変わる中で、最適なプレーを選択していかなければならないという点も、経営と通じるところがあるように思います。よく、経営者にはラクビー経験者が多いと言われたりしますが、特別経営者に向いている、というような話ではないと思います。

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◆みんなが一生懸命やって、最大限強くなることだけ

――サントリーサンゴリアスというチームに対して、将来イメージしていることはありますか?

これは日本のラグビーがどうしていくのかとか、リーグワンがどうなっていくのか、それに合わせてプロの選手、社員選手がどうなっていくのか。ポリシーも含めて、考えていかなければいけないですね。全部プロでやれと言われたら、プロの球団をやるということになりますので、それを本当にサントリーがやらなければいけないのかと考えるかもしれません。

――サンゴリアスのサントリーにとっての存在価値は?

そりゃ勝ったら会社が盛り上がりますし、それは間違いありません。でも存在価値なんて考えてやらなくて、良いと思いますよ。決められたルールがあって、その中でこうしなければいけないんだったら、やるしかないと思います。応援するということは会社で決まっているので、存在価値なんて、そんな大層なことは考えんでいいですから。みんなが一生懸命やってくれて、最大限強くなることだけを考えてくれたら良いんですよ。

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――いまサントリーが力を入れているのは、ラグビー、バレーボール、ゴルフですね

基本的にスポーツはその3つですね。その他については、サントリーの中心になるのはお酒と飲料ですから、そういう我々が狙いたいターゲットにピッタリのスポーツがあれば、当然研究はします。ブランドの在り方として、例えばジム・ビームはシカゴ・カブスやニューヨーク・ヤンキースを応援しているんです。あるスポーツをずっと応援されているケースは、いろいろな企業でありますよね。そういう分かりやすいブランドマーケティングが良いなと思いますね。

――スピリッツ・オブ・サンゴリアスは読んでいただいていますか?

はい、会長のスピリッツ・オブ・サンゴリアスで、会長の望みは大勝することでしたね。大勝、いやもう、それはそれで楽しいでしょう(笑)。それは間違いない(笑)。1000回続けるということは素晴らしいことですよ。本当に素晴らしいいことです。

――最後にサンゴリアスへの檄をお願いします

昔、サンゴリアスでよく言っていたのは、ヘッズアップ!頭を上げる。本当にリーグワンの今は、実力伯仲だと思います。最後まで諦めずに、ヘッズアップでシーズンを乗り切って欲しいですね。

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(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]

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