SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2026年1月16日

#994 小林 賢太 『僕が入ったブレイクダウンで速いテンポでボールが出ているか?』

神戸戦で一際動きの良さが目立った小林賢太選手。現在の個人とチームについて聞きました。(取材日:2026年1月中旬)

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◆目の前の仕事に100%向き合えた

――コベルコ神戸スティーラーズ戦では、プレーが弾みまくっているように見えました

年末のクボタとの試合では、自分の中では特に自分のパフォーマンスが出せなかったところがありました。バイウィークを挟んでモヤモヤした気持ちのまま、次の試合に向けてのセレクションがあり、もちろんそこは自分ではコントロールできない部分なんですが、神戸戦に向けた週の月曜日にクラブハウスに来た時にメンバーボードを見てみると、自分の名前がありました。またチャンスをもらえると感じましたし、より自分のパフォーマンスにフォーカスしなければと、自分の中で再認識しました。

試合に向けて、自分が試合に出るからには、自分の言っているパフォーマンスを出さなければいけない、それが自分の責任だと思っていましたが、結果として良い形でボールをもらえたり、自分のもらいたい間合いでプレー出来たので、あのようなパフォーマンスになったのかなと思います。

――本当に弾んでいましたね

ありがとうございます(笑)。

――あのようなプレーが出来るということは、ベースとなるブレイクダウンやスクラムが良かったということですか?

前にお話しした自分のひとつひとつの課題、そこが上手くいけばハマるという流れというよりは、神戸戦ではひとつひとつの局面で、全力のプレーをしようと思っていました。だから、自分のサイクルにハマったというよりは、本当に目の前の仕事に100%向き合えた結果だと思います。

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◆自分の力だけじゃない

――練習から試合まで、目の前のことに100%で向き合えていたということですね

チームからもどういうプランで試合をやるのかというところもありますし、その中で自分がどういう役割で、どういうプレーをしたらチームに良い影響を及ぼせるか。試合に向かう前の1週間、その1日1日の練習で、チームのトレーニングや個人としても、積み重ねてやっていけた結果だと思います。

――その中でランは自分の中で大きなテーマだったんですか?

あんなに綺麗に抜けることはあまりないので、あれは結果論ですけれど、あそこでラインブレイク出来たのは、自分の力だけじゃないと思いますし、しっかり前の選手とリンクしてコミュニケーションが取れた結果のラインブレイクだったと思います。そういったところでは、自分の強みの早い判断によって、周りとしっかりとコミュニケーションが取れたところが、あの局面においては良かったところだと思います。

――今後も毎試合、あのようなプレーを見たいと思いますが

もちろんああいうプレーが出来れば、チームに勢いをもたらせられると思いますし、ラインブレイクが全てではないですけれど、ああいう形でいろいろなモーメンタムをチームにもたらすことができるプレーがあると思います。周りと繋がるという点では、やる直前に話すだけだったら、あのプレーは絶対に出来ませんし、あのボールをもらうブレイクダウンが出来るちょっと前くらいから、あのシーンで言うと、マツさん(松島幸太朗)や横にいる翔大(平生)とコミュニケーションが取れていたので、そこでひとつクリアな絵が見えたと思います。そういう場面を増やしていければ、良いかなと思います。

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◆コミュニケーション、判断、言語化

――スクラムについてはどうですか?

結果としてはまだ昨シーズンほどペナルティを取れているわけでもないですし、正直、自分たちの中でまだもどかしさみたいなものがあります。ペナルティを取れたり押すことが出来れば、間違いなくチームに勢いをもたらしますし、アオさん(青木佑輔アシスタントコーチ)からも押すマインドの話をしてもらっています。今週はホンダ戦で、相手もスクラムに自信を持っているチームだと思うので、そこに対して良い準備をしていきたいと思っています。

――ブレイクダウンについてはどうですか?

日本代表で秋のテストマッチを経験させてもらって、リーグワンとレベルが違うほどのプレッシャーがありましたし、そこでスキルも得られたところがあります。もちろん相手があることですし、ひとつひとつの局面で同じブレイクダウンは絶対にないので、その一瞬一瞬の判断力をもっと培っていく必要があると思っています。

――一瞬一瞬の判断やコミュニケーションの部分は、どうやってより自分のものにしていこうと考えていますか?

チームのシステムにハマってラグビーやるだけではなく、システムの中でも自分たちで上手く遂行するためにコミュニケーションを取る必要があります。コミュニケーションが出来ているということは、イコール判断が出来ていて言語化が出来ているということだと思うので、そこのクオリティをもっと上げていければ、自ずと面白いラグビーが出来ていくのかなと思います。

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◆スピード感をオフフィールドでもすり合わせが出来ていた

――コミュニケーションは試合中だけでなく練習中や練習外など、機会がたくさんあると思いますがどうですか?

練習が終わった後に、メンバーは違いましたが、スタンドオフの選手を捕まえて、どの距離感でもらいたいかとか、言葉だけじゃ伝わらない感覚の部分を合わせたりしたのが、先ほどお話したラインブレイクのシーンに繋がりました。あのシーンはフォワードで一緒に練習した翔大が自分の外側にいて、自分の中ではもらいたい間合いでもらえましたし、絶対にこのシーンだったら行けるという確信があったので、そこの判断からコミュニケーションに繋がるスピード感を、オフフィールドでもすり合わせが出来ていたと思います。

――試合の前日もフロントロー3人でミーティングしていたそうですね

スクラムのところは自分たちでも納得いっていない、自分たちで結果が出せていないという状況で、自分たちが積み上げてきたものをどう結果に繋げるかという部分は、グラウンドだけじゃ解消しきれないところもあります。グラウンドだったら、この肩の間隔とかコネクションがどうだとか話せるんですけれど、実際に自分たちを俯瞰で見た時にはどうかみたいなところは、グラウンドのその場では絶対に分からないところです。そういった部分を、試合の前に3人で話しました。だからこそ、フロントローっていつも一緒にいるよねって、いろんな人が言うんだと思います(笑)。フォワードって暑苦しいよなって(笑)。そういうところで必要なコミュニケーションを取っています。

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◆あとは結果を出すだけ

――その勢いが今回は試合の結果に結びつきませんでしたが、チームの状況はどうですか?

間違いなく神戸戦は、自分たちのファイティングスピリッツを出せた場面が多かったと思います。あとは自分たちが取りたいところで点を取り切れなかったり、ミスで終わってしまったり、ペナルティをしてしまって、自分たちを追い詰めてしまったりしていたのですが、間違いなくみんなで積み上げてきているところは、正しいと僕は思っています。もちろん結果がいちばん大事なんですけれど、それ以上に今はプロセスのところにチームとしての迷いもないですし、あとはそこにコミットしていって、結果を出すだけだと思っています。

――2連勝してみんなの自信が戻ってくるかというところでの2敗、響グループ(リーダーグループ)のひとりとしてはどうですか?

もちろん年末のクボタ戦は、問題がなかったとは絶対に言えないような試合でした。そこでチームとしても落ちた部分はあったので、その中で年末にも練習して、チームとしての結束力は高まっていると思います。神戸戦も最後は本当に少しだったと思いますし、負けを認めるというところはありますが、結果は得られなかったものの、それ以上にチームのスピリッツは出せた場面が多くあったので、そこは自信を持って良いと思います。

――今後の試合ではファンにどんなプレーを見てもらいたいですか?

ブレイクダウンのフィジカリティのところですね。

――それはどんなシーンになりますか?

相手の上に自分が乗れているというか、タックルと似たような部分ではあるんですが、僕が入ったブレイクダウンでは速いテンポでボールが出ているかどうか?そこが自分たちのラグビーの生命線になるところなので、ボールを持っていない時のそういう動きは頑張りたいと思います。1試合で何回あるか分かりませんが、1回1回の仕事の精度を上げていくという意味でも、ここで公言しておきたいと思います。

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(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]

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