2025年12月12日
#988 ハリー ホッキングス 『今とても飢えている』
日本代表初キャップを獲得したホッキングス選手。サンゴリアス・バイスキャプテンとして、また中心選手として、目前に迫る新シーズンに向けての心境を聞きました。(取材日:2025年12月上旬)
◆大きな名誉
――とうとう日本代表に入って2試合出ました!
めっちゃ良い経験でした。嬉しかった。
――2試合ともリザーブでしたね
あまり深くは考えていませんでした。ただ、チームの一員になれたこと自体が、とてつもない名誉でした。そして、あの2試合に出場できたこと自体が、素晴らしい経験であり、何よりも大きな名誉だと思います。
――自分のプレー自体はどうでしたか?
試合についての多くを学びましたし、今後より良いパフォーマンスを発揮できると思っています。とくにウェールズ戦では、言うまでもありませんが、終盤のあのペナルティーは悔しいものでしたし、試合に負けたことは皆にとって残念なことでした。ですから自分のプレーには、間違いなく改善の余地があると思っています。
――みんなから「おめでとう」のお祝いの言葉は?
来た、たくさん来ました。友達、家族、チームメイト、みんなからです。
――最初に日本のサントリーに入った時から、5年目のこのタイミングで日本代表を、と目指していたんですか?
将来的に可能性はあるとは常に認識していましたが、僕にとって重要なのは、過去5年間、サントリーのために毎年最高のラグビーをプレーすることでした。日本代表が今、現実のものとなったことは、とても光栄であり、大きな達成です。この状況は、いつも夢に見ていたことです。ですので嬉しいのはもちろんですけれど、まだまだ先があると思っています。ただ幸せだというわけではないし、これで目標達成というわけでもありません。逆に今とても飢えている。
――もっともっとということですね?
はい、もっと素晴らしいラグビーをして、もっと出場できることを望んでいます。
◆挑戦的な考え方が育まれている
――そのためにもサントリーでの今度のシーズンが大事だと思いますが、何をより良くしていきたいですか?
今シーズンは僕たちにとって、とても重要なシーズンになります。新しいシーズンに向けて、素晴らしいチームづくりができていると思いますし、本当に良い精神的なもの、挑戦的な考え方が育まれていると感じています。だから、その一員になれることにワクワクしています。今シーズンはぜひとも成功したいですね。
――1年すこし前にインタビューした時に、その時点で貴殿のラグビーは100点満点で何点?と聞いたら、52点という答えでした。今はどうですか?
53点。
――1点上がったのは?
このスピリッツ・オブ・サンゴリアスのインタビューが1回増えたから、1点アップ。
――そうしたらその後もう1回やってるので今54点ですね。あと46回やれば100点?
はい、46回インタビューをお願いします(笑)。
――今の自分に足りていないと思うところはありますか?
難しいですね...。すべてだと思います。常に自分のプレーのあらゆる部分を向上させたいと思っていて、新しいことを見つけたり、様々なコーチや選手から学んだり、どこをどう改善すべきか考え続けています。取り組むべき課題は、山ほどあります。
――精神的には良い状態ですか?
はい、そう思います(笑)。僕は、最高の選手になること、そしてサントリーに貢献し、素晴らしいシーズンを送ることに全力を注いでいます。僕の心は間違いなくそこにあります。
――今ますますラグビーを面白く感じているのではないかと思いますが、自分ではどう感じていますか?
ただプレーするのが好きなんだと思います。プレーすること自体が楽しいし、勝つことも大好きです。特に、チームの一員として。大好きな仲間たちと共に、一緒に勝ちたいです。それがいちばん大事なことだと思う。仲間やコーチ、チームみんなとの絆や関係性、そしてその気持ちを共有して楽しむこと。それ以上に素晴らしいことなんて、少ないと思いますし、それ以上に素晴らしい感覚は、そう多くないと思っています。
――プレーやスキルはどうですか?
いつも向上することを目指しています。常に改善する方法を模索して、これからもずっと、進歩し続け、前進し続けられると良いと思います。とくにタイトなフォワードとして、フィジカル面は常に重要な要素です。身体同士の衝突や、ボール保持、タックル、セットプレー、スクラムなど、そういったすべてのことに集中していくつもりです。あらゆることに集中していくことが重要です。
◆最高のチームは常に最高のディフェンスチーム
――この何シーズンか、なかなか勝てなかったり、優勝できなかったりすることについて、どう思っていますか?
負けは絶対に痛みが伴うと思います。リーグワンになった4シーズン前から、決勝、準決勝、準決勝、準々決勝に負けたことに、チームのみんなが痛みを感じていると思います。でも僕たちは、その失望感をバネにして、自分たちを鼓舞して、今よりさらに頑張ること、さらに何マイルか走る、さらに何か追加しようとする原動力に変えることができると思う。なぜならもう二度とあの気持ちは持ちたくないからです。僕たちは勝利の喜びを、共に分かち合いたいと思っています。
――そのためにもとくにディフェンスが大事だと思いますがいかがでしょう?
僕たちの焦点であることは、間違いないです。ディフェンスコーチのトニー・マッガーンは、われわれに対して非常に厳しい指導をしていますが、それは恐らく必要な結果をもたらすと思います。そして願わくば、それをチームの真の強みにできればと思います。なぜなら僕が思うに、最高のチームは常に最高のディフェンスチームだからです。だからわれわれも、ディフェンスを本当に大きなポイントだと据える必要があると思います。
――代表から帰ってきたばかりですが、今のチームの雰囲気はどうですか?
チームの雰囲気は、とても良いです。
――去年と違うところを感じますか?
うまく説明するのは難しいのですが、新しい顔ぶれとして、新しい選手も、新しいコーチもいます。その彼ら全員がチームに大きく貢献していると思います。とくに遠征から戻ってきた今、チーム全体に新鮮でワクワクする感覚が漂っています。そして何より、第1節を心待ちにしながら、いよいよシーズンに突入できることに、みな興奮していることを感じます。
――今年自信を持って突き進むためにも、開幕戦がとても大事なのでは?
当然ながら、どの試合も開幕戦と同じくらい重要です。私たちにとって次の試合がまさに開幕戦ですが、おっしゃる通り、自信をつけるためには、素晴らしいパフォーマンスを発揮し、できれば勝利を収めるのに最適な試合だと思います。初戦はサンゴリアスにとって厳しい戦いになると思いますし、同時に僕たちにとってとても重要な試合だと思います。
◆前向きに、周りの人を励ますように
――新キャプテンのもと、バイスキャプテンになりましたね
それは間違いなく、とても大きな責任であり、その役割に指名されたことは大きな名誉だと思います。もちろん、サム ケイン キャプテンを可能な限りサポートすることが大切ですが、同時に私自身のリーダーシップを発揮する領域、つまりラインアウトなどフォワード陣の中で、その役割を果たすこともゲームでの重要な部分です。ですから、その部分を推進し、リードするために最善を尽くすつもりです。
――自分で身をもって見せていく形ですか?
おそらく行動で示しながらリードすることが、多くなると思います。ミーティングなどで大げさに話すタイプではないので、高い基準を行動で示し、皆をまとめていくことを心がけています。もちろん、良いチーム文化を作って、チーム内での結束感や一体感を醸成することも、大切だと思っています。
――ホッキングス選手は精神的な浮き沈みがなく、いつも安定していると思いますが、精神的に強い方だと思います?
努力しています。できるだけ浮き沈みなく、自分自身を平静に保つようにしています。
――それは子供の頃から?
たぶん、僕には若い兄弟がいたから、大きな家族でそのように育ってきたのかもしれません。
――根っからポジティブですか?
はい、そう思います。それが家族の血かどうかは分かりません(笑)。いつも前向きに考えようとしていますし、私の周りの人を励ますように心がけています。
――今シーズンのターゲットは?
優勝です。個人としても、優勝です。そのために、プレーヤーとしてできるだけチームに貢献したいと思います。
――もうちょっと長い目で見たときの目標はありますか?
難しいですね。僕の身体が許してくれるなら、ラグビーに挑戦しているはずです。でも僕は、あまり遠くの将来を見据えていません。何かできるかもしれないけど、もう少し近くの将来を見ています。トレーニングを続けて、最高の選手になることを目指しています。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]