SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2025年8月22日

#972 パトリック・ヴァカタ 『イタ気持ち良い』

リハビリテーション中の新人ヴァカタ選手。間もなくというリハビリ明けへの期待が高まります。(取材日:2025年7月下旬)

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◆楽しい

――ヴァカタ選手、スピリッツ・オブ・サンゴリアスのインタビュー宜しくお願いします

Petu(ペトゥー)と呼んでください。

――Petuってどういう意味ですか?

特別な意味はなくて、パトリックを短くしたものです。

――それではペトゥーさん、東京サンゴリアスに入って5ヶ月くらい経ちましたが、どうですか?

楽しいですね。練習が楽しいですし、みんなと出掛けて行ったりして、仲良くしてもらっています。今はリハビリ中なので、練習などを見ているんですけれど、楽しいですね。

――復帰はいつ頃になりそうですか?

あと1ヶ月くらいですね。

――では次のシーズンでは大丈夫ですね

そうですね。9月から全体練習が始まり、12月に開幕になるので、あと4ヶ月くらいですね。

――練習が楽しいとは、どんなところが楽しいんですか?

チームの練習には参加できず、外から見ている状態ですが、みんながちゃんとコミュニケーションを取っていたり、誰かがミスをした時に周りの人たちがサポートしていたりしているところを見るのが楽しいですね。

――早くその中に加わりたいという感じですか?

そうですね。

◆トンガ人は日本に来て成長しています

――日本に行こうと思ったのはなぜですか?

先に日本に来た先輩、シオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ)やいろいろな先輩が、トンガではメディアに出てきます。なのでそういう選手になりたいと思って来ました。

――日本ではなく他の国に行く選択肢はありましたか?

ニュージーランドのチームからも声はかかりましたが、まだ若かったので、自分ではそこまで深く考えず、親が決めた通りにしました。

――ご両親はなぜ日本を選んだと思いますか?

日本に来るトンガ人は、日本に来て成長していますね。日本に来て伸びる選手が多いです。

――ご両親は何かスポーツをやられていたんですか?

父はラグビーをやっていて、途中で辞めました。母は特にやっていません。

――子どもの頃はお父さんからラグビーを教えてもらったりしたんですか?

そうですね。あと兄貴です。

――何歳くらいからラグビーを始めたんですか?

8歳くらいですかね。トンガは他の国に比べると、小さい頃は本格的にやっていないと思います。

――他のスポーツもやっていたんですか?

やっていません。基本は、みんなラグビーをやっています。

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◆対面の選手に絶対に負けない

――日本に来て、高校でも大学でも1年生から試合に出ていますね。日本に来てずっとレギュラーで試合に出ていることについては?

嬉しいですね。

――どこが良くて試合に出て活躍できたと思いますか?

特にアタックのところ、ラインブレイクのところ、あとディフェンスも頑張って、自分のライバル、対面の選手に絶対に負けないようにと思ってやっています。日頃からメモをしたりして、スキルとか絶対に負けないように、同じポジションの誰にも負けないように、アタックでもディフェンスでも頑張りました。

――そのやり方は日本に来て覚えたんですか?

日本に来てから、ちゃんとトレーニングやラグビーのことを教えてもらいました。

――そこから日本に来ていきなりレギュラーを取れるというのは、覚えるスピードが早いんですか?

そんなことはないと思います(笑)。

――圧倒的にパワーがあったんですか?

自分ではよく分からないですね(笑)。理由は何とも言えないですね(笑)。

――学生時代、トライも多いですよね

みんなのおかげで、自分が最後にトライを取るのが多かったと思います。あと自分はいろいろなところに入ることが多いですね。バックスのラインに入ったりして、それでボールが回ってきて、自分が最後にトライをする。相手が2人くらいだったら、何とかそのままトライまで行けると思います。

――それはステップが素晴らしいんですか?それともスピードが?

スピードと、あとはパワーですね。

――パスも得意なんですよね?

パスも大丈夫です。

――バックスをやろうとは思いませんでしたか?

バックスは無理ですね。他のバックスは足が速いので、ディフェンスのところでは絶対に追いつけないと思います。あとは体力もそうですね。

――バックローが好きな理由は何ですか?

小さい頃から、6番、7番、8番の背番号がカッコ良いですね。カッコ良い選手がいたこともありますし、バックローはめちゃくちゃ動いてキャリーしたりタックルしたり、そういう役割があるので、それが好きですね。

――カッコ良いと思ったプレーが、今は実際に出来ているわけですね

出来ているかは分かりませんが、出来ていると嬉しいですね。

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◆シンドイ練習、苦しい練習

――チームの練習や試合を見ていて、サンゴリアスに入った今の自分の課題は何だと思いますか?

自分が思うのは、体力ですね。怪我であまり動けていないので、あとは自分らしさを出したらいけるかなと思います。

――体力をつけることは大変ですよね

そうですね。強くなるためにはシンドイ練習もやらなければ強くはなれないですね。

――そのシンドイ練習はいつ頃から出来そうですか?

今はまだリハビリ中ですが、身体を動かしたりしていますし、チーム練習に復帰する前に体力テストがあるので、それをクリアしたら復帰になります。

――身体をぶつけることも好きなんですか?

痛いのもイタ気持ち良いですね(笑)。ラグビーはそれが気持ち良いですね。

――ラグビーの苦しいことに対してはどうですか?

好きですね。それも自分のためになるので、練習がいちばん苦しいです。シンドイ練習をしたり、苦しい練習をして良い準備が出来れば、試合はそれを発揮するだけなので楽しいですね。

◆気持ちがいちばん大事

――今まででいちばん思い出に残っている試合は?

大学3年の時に帝京大学に負けた試合です。大学選手権の準決勝で負けたんですけれど、初めて国立競技場で試合をして、10点差くらいで負けましたが良い試合だったと思います。あとは大学4年の時に京都産業大学に勝って、4年ぶりくらいに関西リーグで優勝できた試合ですね。僕はその試合で怪我をしてしまいました。

――そういう大事な試合の前は緊張する方ですか?

緊張もありますが、楽しみですね。ラグビーでは気持ちがいちばん大事です。

――なぜ気持ちが大事だと思ったんですか?

練習でテクニックとか身につけて、それが試合で出来ないということがないように、まず気持ちが大事ですね。

――気持ちは強い方だと思いますか?

試合ではそういう気持ちになります。

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――自分の性格はどんな性格ですか?

シャイですね。けれど、試合は特別ですね。試合になると味方と敵だけですが、普段は周りからもシャイと言われます。

――このインタビューではシャイだとは感じません

慣れてきましたね(笑)。

――性格的に優しいですか?

トンガはみんな優しいですね。日本人も一緒でみんな優しいですよ。

――ポジティブですか?

もちろんポジティブです。

――きょうだいは何人いますか?

兄が3人と妹1人です。

――4番目の男の子だから可愛がられたんじゃないですか?

そうですね。僕と妹は10歳離れています。妹が生まれる前は、僕が可愛がられていましたが、妹が生まれてからはみんな妹を可愛がりました。

――怒ったりすることもありますか?

試合中にたまに。自分は落ち着いている方ですが、相手から余計なことをされると怒ったりもします。

――気持ちのコントロールが出来るタイプなんですね

出来ると思います。試合の入りのところで相手にぶつかりに行って、そこからは落ち着いてプレーしています。一発目は強くいかないといけないですね。

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◆なんとかなる

――次のシーズンに向けた目標は?

試合に出ることですね。ぜんぶの試合に出たいです。

――それに向けては体力がテーマですか?

今のところですね。あとは身体を治すだけです。

――将来的な夢ややりたいことはありますか?

まずラグビーでは日本代表になりたいですね。ラグビーを引退した後のことはいろいろと考えていることがありますが、まだ決まっていません。その考えていることは、まだ内緒です(笑)。

――日本語は上手になっていますね

周りの日本人に教えてもらったり、日本語を間違えた時もちゃんと指摘してもらって、また挑戦しています。

――日本に来て何年くらいで日本語は大丈夫になりましたか?

2年くらいで、やっとみんなと日本語でコミュニケーションが取れるようになったと思います。ラグビーはコミュニケーションが大事なので、みんなとコミュニケーションを取って、あまり日本語が上手じゃなくても、周りの日本人の人たちがちゃんと理解しようとしてくれて助けてくれました。

――日本語で好きな言葉はありますか?

"気持ち良い"と"なんとかなる"ですね。

――ペトゥーさんにとって、ラグビーの面白さは?

身体をぶつけることですね。自分でぶつかるのはそんなに面白くないですけれど、それを見るのが面白いですね(笑)。

――ラグビーをやっていて面白いのは?

トライを取ることが面白いですね。けれど、やっぱり自分でぶつかるのも面白いですね(笑)。そこで相手に勝つことも面白いです。

――相手にぶつかると、大体勝つんじゃないですか?

まあー、そうですね(笑)。

(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]

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