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SPIRITS OF SUNGLIATH

#606 北出 卓也 『全部できる選手になりたい』

昨シーズン前半節は試合に出られず、中盤からスタメンに定着した北出卓也選手。その勢いを継続中の今シーズン、フォワードリーダーとして何を考え、何を目指しているのでしょうか?(取材日:2018年10月1日)

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◆チームにエナジーを

――フォワードの中心選手の1人として今のチーム状態をどう見ていますか?

どこのチームもサントリーをターゲットにしてくると思うので、みんなも言っていますが厳しい試合が続いています。これからもたぶん僅差の試合が増えてくると思いますが、その中で今いるフォワードでチームにエナジーを与えられるようにして、しっかりとエナジーを出していければと思います。

――具体的には?

例えばスクラムを組む前にまとめるところであったり、モールを組む前に声をかけたり、そういうところでもっとパッションを出していけたらと思います。

――今のフォワードの課題は何ですか?

スクラムは先ず春からずっと個人のパワーのところをしっかりとやってきて、8人で組むところに繋げていきました。そこでパワーはついてきていると思うんですが、それをまだ発揮しきれていないです。僕自身も思っていますけど「もっといける」と言う部分もありますし、アオさん(青木スクラムコーチ)がコーチになって「もっとパワーをつけた部分を試合で発揮しないと意味がない」という話もしているので、そこは自分が先頭に立ってやっていきたいと思います。

――パワーを発揮するためにはどういうことが必要ですか?

スクラムは相手がいることなのですが、相手どうこうで考えてしまうとサントリーのスクラムが崩れてしまいます。サントリーがどう組んでいくかというところのスタンダードを、もっと高めて行きたいと思っています。

――そういうところで2番の役割は大きいと思いますが、どのように自覚していますか?

スクラムのリーダーはフッカーなので、そこはリーダーとしてパッションの部分とまとめるところが役割です。サントリーのスクラムを組むために、8人をしっかりまとめる。スクラムのリーダーとして8人に対して、もっとアプローチしていかないといけないと思います。

――具体的に試合中だと、どういうことをやるんですか?

僕が求められている部分は、例えばこの前のNEC戦も最初の20分まではスクラムがとても良くてプレッシャーをかけられたんですけど、少し相手が変えてきた時にそれを受けてしまい、相手に合わせてしまいました。100%サントリーのスクラムを毎回組めたら良いんですが、1本できなかった時に「これ押せないんじゃないかな」と試合中にチームとしてマインドが下がってしまう時があるので、そこをどう修正していくか。監督からも言われていますけど、1本ミスした後にすぐに修正する能力を、もっとつけていかなければいけないと思います。

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◆熱くなる部分、冷静な部分

――パッションを表現したり、みんなを盛り上げたりするためには、どのような方法があるんですか?

僕は実際それが得意な部分ではなくて、どちらかと言うと一歩引いて見るという形で今までやってきました。押せていないところはマインドで変わってくると思います。バック5の力がとてもついてきたんですけど、試合中に疲れてきたり押せないんじゃないかと思ったりする時があると思います。フロントローは「やってやるぞ」と基本的に思っていると思うんですが、その時にバック5をどうこっちに持ってくるかを模索中です。

――そのあたりは普段コミュニケーションでフォローしているんですか?

そうですね。バック5は特に外国人選手が多くて、僕はそんなに英語を話せる方ではないですし、シンプルに「ここいくぞ」ということをもっと伝えられたら良いと思います。

――北出選手の性格はどちらかと言うと、パッションで行くよりもクールな感じですか?

特にラグビー中はそうですね。熱くなる部分も大事だとは思うんですけど、その中にも冷静な部分は必要だと思います。

基本的に高校、大学とリーダーグループに入っていたんですけど、バイスキャプテンやフォワードリーダーなど先頭に立つ方ではなく、一歩引いたところでチームを見ていた役職が多かったので、そういうところもあるのかなと思います。

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――そういう意味では新しい自分を作るチャンスではないでしょうか?

いつかはチャレンジしていきたい部分でもありますし、今はアオさんの「サントリーのスクラムを強くしたい」という気持ちや情熱がミーティング中や練習中にとても伝わってくるので、そういう部分で自分がゲーム中に表現できたら良いと思います。

――大体いつ頃スクラムに光が見えそうですか?

もうすぐ見えます。

――手応えは?

あります。モヤモヤしている部分があって、NEC戦も前半20分まで良いスクラムが組めたのにその後は何で組めなくなってしまうんだろう?と。それを試合を通してできるようになって来た時に、やっとパワーを発揮できるようになってくるのかなと思います。

ハタケさんが(畠山)が「流れが悪くなった時にそれを良くできるのは絶対にフォワードのプレー」とよく言っていて、それは僕もそうだなと思います。その1つとしてスクラムやモールで乗っていけると、チームがまた復活できると思います。そういう意味でNEC戦は良くなかったと思います。

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◆アタックもディフェンスもセットプレーも

――昨シーズンの半ばからはほぼスタメンで出ていましたが、自分ではどう思っていましたか?

昨シーズンは出られなかったら辞めるくらいの覚悟を持って自分では取り組んでいたつもりで、努力しても結果に繋がらないこともあると思いますが、しっかりと結果に繋がったのでとても自信にはなりました。

――それからずっと出ている北出選手の今の課題は何ですか?

さっきの話に繋がるスクラムであったり、フォワードを引っ張っていくところであったり。プレーで言うとタックルの部分は監督にも求められている部分であり、そこで昨シーズンも試合に出られるようになったと思うので、その質を落とさないこと、そしてもっとレベルアップをしていくこと。あとはボールキャリーの部分も求められている部分で、ボールを持ったら必ず前に出ることです。1つ1つのスタンダードを上げていかなければいけないと思っています。

――今コーチに元フッカーが2人いますが、このあたりはいろいろ話し合っているんですか?

そうですね。これは自分にとっても良い環境だと思いますし、アドバイスを求めると納得できる答えが返ってきます。

――目指しているフッカー像はありますか?

僕はこの選手のここが凄いというよりは、全部できる選手になりたいです。アタックもディフェンスもできて、セットプレーも強い選手になりたいです。でもまだまだです(笑)。

――目指すところから言うと、今どのあたりにいますか?

5割です。

――フォワード全体の成果や結果にもよると思いますが、あと5割はどのくらいで駆け上がろうとしていますか?

早ければ早いほど良いんですけれど、正直、選手である以上は日本代表になりたいですし、実際に今スコッドに入ってはいないですけど、スコッドを目指すのであれば、もうあまり時間はないと思っています。

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◆とことんやる

――そのための強みはどこですか?

フッカーの中では走力はあると思うので、そこは強みだと思います。

――走力と言うのは速いということですか?

持久力もそうですし、瞬間的なダッシュでもそうですし、総合的な走力の部分では負けてはいけないところかなと思います。

――それは持って生まれたものですか?

足は遅かったですね。そんなに速い方ではありませんでした。足が速くなるための努力はしたことはなかったんですが、持久力も高校、大学くらいからついてきたと思います。

――それは練習量ですか?

大学では完全に練習量ですね。高校の時は一気に10kgくらい体重が落ちて、自然に走れるようになりました。

――痩せたのはなぜですか?

通学です。自転車を1時間くらい漕いで学校に行っていました。定期代を安く済ませるために、1時間かけて駅まで行って、そこから電車で30分でした。

――ハートの部分で強いところはどこですか?

基本的には負けず嫌いではあるんですけど、そんなに表に出す方ではないので、やると決めたらとことんやる部分はあると思います。そしてそれを続ける部分もあると思います。

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◆毎日読書

――サントリーに入ってから続けていることはありますか?

オフの日にクラブハウスに来たりとか、気持ち的な部分もあると思うんですけど、他の選手がやっていない時にトレーニングしたりなど、多くの時間をラグビーに遣っているということで、負けたくないというのもあります。

――そうするとオフがないですね

そうなってくるとメンタルの切り替えが難しいので、そこはもっと上手くならないといけないと思います。メンタルのオンとオフを切り替えるところを、今はあまり上手くできていないです。

――今はずっとラグビーという感じですか?

オフが難しいなと...。切り替えるのにどういうことが良いのかを探しているところです。友達とごはんに行くとか、そういう時間を作らなければいけないなと思います。

――そういう意味で趣味や好きなことはどんなことですか?

趣味にしたいと思っていることはゴルフですね。全然できていないですけどね。夏場は暑くて全くやりませんでしたが(笑)。

――他にスポーツ以外で何かありますか?

毎日やっているのは読書です。でも、寝る前の10〜15分くらいです。

――どんな本を読んでいますか?

ジャンル問わずです。最初はスポーツ関係の本が多かったんですが、最近は自己啓発など。

――ラグビーの本は読みますか?

ラグビーの本は読まないです(笑)。そこは切り替えています。

――最近読んだ本で面白かった本は何ですか?

マインドフルネスの本です。よく眠れる睡眠法が書いてあって少し実践しているんですけど、効果があるような気がしています。

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◆マイペース

――体、ハートに続いて、頭脳での強みは何ですか?

記憶力は良い方だと思います。長期的な記憶力というよりは、テスト前の暗記のようなものは良いと思います。

――性格全体で良いところと良くないところは?

良いところはマイペースなところで、あまり他人のタイミングに流されない。自分の時間を大事にしている部分です。

――弱点は?

難しいな...。感情をあまり表に出さないので、思ったことを言わないことです。

――言わなかったことで後悔したことはありますか?

あります。

――でも、言って後悔したこともありますか?

ちょっと思い出せませんが、あるかもしれないですね(笑)。

――ラグビーの場においては言った方が良いという場面も結構あるのでは?

思っていても今は言わなくて良いかなとか、あまり自分から言えないところもあるので、そこはフォワードをまとめる役割として自分から発信していかないといけない立場でもあると思います。それは性格的な課題だと思います。

――兄弟は?

男4人の末っ子です。

――それもあるかもしれないですね

何か言うとボコボコにされて泣かされていたので(笑)。

――今の姿を見た兄3人はなんと言っていますか?

メンバーに入ると「頑張れ」という連絡をくれたり、試合も見に来てくれたりしているので、励みになります。

――ここまでスポーツをやりきっている人はいないですか?

僕だけです。

――兄弟みんな4歳頃からラグビーを始めたそうですが、辞めたくなったことは?

父がラグビースクールのコーチでした。僕は辞めたかったんですけど、「辞めたい」と言えませんでした。

――それを辞めていたらどんなスポーツをやっていたと思いますか?

サッカーがずっと好きです。

――蹴るのが上手いんですね

中学生くらいまではゴールキックを蹴っていました。今でも蹴ろうと思えば蹴れると思いますが、だいぶ下手だと思います(笑)。小学生まではサッカーとラグビーの両方をやっていて、中学生になってどちらかを選ばなければいけない時に太ってきていたので。

――それは体質ですか?

体質ですね。親がラグビーをやって欲しそうだったので、子どもながらにそれも感じて、ラグビーにしました。

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◆ディフェンスとセットプレー

――現時点での今シーズンの目標は?

個人では試合に出続けることが、まず1つの目標です。サントリーの2番で出続けることがその先に繋がってくると思いますし、まずこのチームで結果を残したいです。

――サントリーの2番で出続けるためには何が一番大切だと思いますか?

自分の強みであるディフェンスを出していくところと、セットプレーをレベルアップさせていくことが、2番で出続けることに繋がってくると思います。理想はラインアウトが100%、スクラムが100%、モールが100%です。

――ラインアウトでのスローの調子はどうですか?

悪くはないですね。1ヶ月前くらいはおかしいなと思っていたんですけど、やっと吹っ切れてきました。時間を見つけて個人で練習しましたし、そういう部分で少し掴めてきたと思います。

――どのくらい投げ込んだんですか?

納得がいくまでです。調子が良かったらすぐに止めます。本数は数えたことがないので、感覚で投げています。それでも上手くいかない時は止めます。

――チームとしての目標は?

3連覇です。

――3連覇に向けてのフォワードの目標は?

「スクラムをサントリーの武器にする」というキーワードがあるので、相手の脅威になるスクラムを組んでいきたいと思います。

――昨シーズンと比べてどうですか?

昨シーズンは組めていないです。今シーズンは昨シーズンよりも練習もしてきましたし、絶対にパワーはついているので、あとは試合で発揮していくだけです。

――どんなプレーをしていたらファンとして調子が良いなと思って良いですか?

僕の感覚ですけど、ラインアウトを上手く投げることができている時は結構動けている時だと思います。気持ち的な部分だと思うんですが、そこが調子悪いとモヤモヤしながらプレーしてしまうので、ラインアウトが調子良い時は体も動いている気がします。そこを見ていてください。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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