SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2017年6月30日

#541 桶谷 宗汰 『チームのために走り回って仕事する』

大学時代にサントリーラガーマンの指導も受け、入りたいと思って頑張り、そのチームに入団してきた桶谷宗汰選手。自分の強み、意気込み、そして将来の展望について訊きました。(取材日:2017年6月6日)

◆怖すぎる

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—— 初めて会った時に、良い面構えをしていると感じました

「目つきが怖い」とは言われたことがありますが、「良い面構え」とは初めて言われました。僕としては普通の顔でいるつもりなんですが、近寄りがたい雰囲気が出ているみたいで、高校の時から言われ始め、大学になると初対面の人の多くから「怖すぎる」と言われていました(笑)。

僕は明治大学出身なんですが、対抗戦で優勝できず、大学選手権でも3回戦で、創部初めて京都産業大学に負けて終わってしまい、不本意な結果となってしまいました。サントリーに入り、優勝するチャンスがあるチームだと思いますし、自分が試合に出て優勝したいという思いを持ってサントリーに入ってきたので、そういう思いが顔に出ていたのかもしれません。

—— 明治大学出身のサンゴリアスの先輩たちの存在は意識しましたか?

仕事とラグビーを両立させているチームですし、仕事のことやラグビー以外のことでも年齢が近い先輩がいた方が色々なことを吸収しやすいと思いましたし、実際にそう感じています。もちろん明治大学以外の先輩も、色々なことを聞きやすいですし、教えてくれるのでやりやすいですよ。

—— 明大コーチにはサンゴリアスOBの元申騎さんがいて、指導してもらったと思いますが、怖かったですか?

...はい(小声)。スキルだけじゃなく、ラグビーの根源の部分である、激しさやタフな部分を厳しく教えていただきました。

◆新たなスタート

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—— ポジションはずっと変わらずバックローなんですか?

高校の時はチーム事情でロックをやったこともありましたが、高校2年の秋頃からNo.8をやり始めて、大学ではNo.8とフランカーを交互にやっていました。個人的には試合が終わった後の充実感はフランカーの方が大きくて好きですが、チームのために走り回って仕事をするポジションであるバックローは、プレーしていて楽しいですね。

—— 走るのが好きなんですか?

ずっと動き回った試合では、やった感がありますし、それで勝てれば最高ですね。僕は体が大きい方ではないので、日本代表を見据えた時に、動き回れて、ディフェンスができて、ボールに絡める選手じゃなければいけないと思っています。大学1、2年の時にそういうプレーを追及し始めたら好きになりました。

—— 将来もラグビーを続けると考えたのもその頃ですか?

U20日本代表の経験が大きくて、大学1年からU20に呼んでいただき、その時の監督が沢木さんでした。そこでラグビーの難しさに加え、楽しさや奥深さを教えていただきました。ミーティングでも「ラグビーを人生の一部として考えろ」と言われましたし、そこまでいってこそ得るものも大きくなると感じました。

高校まではフィジカルで戦えましたが、大学では難しさを感じていて、フランカーとしてこの世界で生きていくためには運動量だと実感しました。そういうプレースタイルに変えてプレーしていると、動き回って仕事をすることに楽しさを感じましたし、ラグビーのやりがいになっていきました。

あと、サントリーに入りたいと思ったのも沢木さんの存在が大きくて、この人の下でラグビーをやれば上手くなると思いましたし、勝てると思いました。

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—— 実際にサンゴリアスに入って、U20日本代表の時と比較して違いはありますか?

同じく厳しいです(笑)。それが良いプレッシャーになって、まだ2ヶ月ちょっとですが、自分でもレベルアップしたと感じていて、求めていたものがあったと思っています。

サントリーに入りたいと思い大学時代に頑張りましたが、実際に入ることができたからには、サンウルブズであり日本代表に選ばれるための新たなスタートになるので、また頑張っていきたいと思っています。

—— 持ち味である運動量の部分は、サンゴリアスでも評価されていると感じますか?

今の時期(6月6日)では、まだ練習試合を1試合しか行っていませんが、フォワードの中でワークレートや動き出しのスピードはよかったと思います。ただ、倒れてから起き上がるまでのスピードはフォワードの中でも遅かったので、まだまだ伸びしろはあると思います。自分の持ち味で勝負できるところがあると手応えを感じているので、そこを継続して強みにしていきたいと思っています。

◆先発で出場して80分間グラウンドに

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—— ラグビーを始めたきっかけは?

小学5年の時に友達に誘われてスクールに入りました。地元が東大阪市なので、クラスの中に1人2人はラグビーをやっている子が必ずいて、ラグビーのことは知っていました。スクールを見に行って、すぐに面白そうだと思いましたし、すんなりと始められました。

—— どこが面白そうと思ったんですか?

小学校の時は体が大きい方で、ボールを持って相手とぶつかった時に体を当てる楽しさを感じました。

—— 今はどこが面白いと思いますか?

動き回ると、もちろん体力はキツくなるんですが、自分が動くからこそチームが回って、それで勝った時に「自分の仕事量で勝てた」と感じられるようになりました。もちろん勝った要因はそれだけではありませんが、チームの潤滑油じゃないですけど、僕の影の仕事でチームが勝つと、そのキツさが充実感になって、それが今の面白さを感じる部分ですね。

ラグビーはハードなスポーツですが、しっかりとリカバリーをしなければ、そのハードなことを繰り返しできないんです。大学時代はそのバランスがうまく取れず、あのような結果になってしまったんだと思います。

—— 大学時代にいちばん印象に残っていることは?

大学4年の時の試合は、良いことも良くないことも全て印象に残っています。後半の最後に粘り勝てた試合もありましたし、追い込み過ぎて試合で最高のパフォーマンスを出せなかったこともありました。

—— その経験は社会人で活かされていますか?

サントリーのみんなは、次の日にまた100%でハードなトレーニングをするために、これ以上は追い込まないという線引きが各自ハッキリしていますし、そのためのリカバリーをしっかりとやっていると思います。そして、その環境づくりがされていると思います。そういうことに気づけるようになったのは、大学時代の経験があったからだと思います。

—— 今シーズンの目標は?

僕のプレースタイルは、後半からの出場ではなく、先発で出場して80分経った時もグラウンドにいる選手だと思っているので、レギュラーを取りスタメンで試合に出たいです。ポジションはフランカーで出たいんですが、チームから求められればNo.8でも出たいですね。

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