SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2017年5月 5日

#533 竹本 竜太郎 『キツイ時にこそ声を』

兄・隼太郎選手がキャプテンとしてチームを引っ張り、2冠を達成した2011年に入部して早7年目。ここ数年はなかなか出場できず、一時は引退も覚悟したという後の開き直りのシーズンを迎えた弟・竜太郎選手。その思いと意気込みを訊きました。(取材日:2017年4月13日)

◆パワーヨガ

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—— 今のコンディションは?

非常にいい状態です。昨シーズンが終わってオフを2ヶ月間もらえたので、ヨガをして体のリフレッシュをしたり、旅行に行って精神的にもリフレッシュすることができました。チームの中でも体は柔らかい方だと思っているんですが、ヨガを取り入れて更に柔軟性を上げて、これまでとは違ったアプローチで怪我をしにくい体を作ろうとしています。

僕が教えてもらったヨガはパワーヨガと言われるもので、これまでは逆立ちができなくて、今でも逆立ちはできないんですが(笑)、パワーヨガをやったことで三点倒立を綺麗な形でできるようになりました。ヨガでの柔軟性を数値化していないので、実際に柔らかくなったかどうかを証明はできないんですが、自分の感覚としては柔軟性やバランス感覚が良くなっていると思います。

—— なぜ取り入れようと思ったんですか?

何かを変えなければ、怪我をするリスクは変えられないと思い、体の柔らかさと使い方のところでヨガを取り入れてみました。

—— これまで今回のように新たな取り組みを取り入れるということは行ってきたんですか?

これまではオフシーズン中にウエイトトレーニングをしっかりとやることに重点を置いてきましたが、今回は可動域のところにフォーカスして、重いウエイトを上げられるようにするのではなく、軽いウエイトで速く大きく動かくことを意識しています。

あとはゴムチューブを使ってインナーマッスルを鍛えるトレーニングを取り入れたりして、可能な限り色々なトレーニングを取り入れつつ、そこから選択して、自分に合うものを続けています。

取り入れ始めてまだ1ヶ月半くらいですが、フィットネストレーニングなどで、以前まではふくらはぎに負荷がかかり過ぎてしまっていたりしたんですが、今は体のコアにも負荷を感じているので、良いフォームで走れるようになってきていると思います。

◆ワラタスをターゲットに

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—— 2015-2016シーズンのプレシーズンリーグでの出場はありましたが、トップリーグでの出場は2013-2014シーズンまで遡りますね

試合に出場できていなかったので、引退を覚悟しなければいけないと思っていましたが、今シーズンもサンゴリアスでプレーするチャンスをいただけたとポジティブに捉えています。僕としてはラグビーでもラグビー以外のところでもエネルギーがある方だと思っているので、ラグビー以外のところでもチームに良い影響を与えられると思っています。ラグビーに関しては、複数のポジションでプレーができるので、そういう部分でチームのサポートができると思います。

—— 出場できていない期間、精神的な辛さなどはありましたか?

自分が出場できずにルーキーが出場している姿を見ると、もどかしさがありましたし、何よりも悔しさがありました。その思いが空回りして、チャンスが来る時に怪我をしてしまっていたりしたので、自分自身をコントロールしなければいけない年齢だとは思っていましたが、それができていなかったと思います。

逆に言えば、そこは学んだところで、今シーズンはどこまで追い込めば怪我をするかのラインをしっかりと把握して、自分自身を俯瞰で見ていかなければいけないと思っています。

—— 自分が出場できていない期間のチームを見ていて、どう見えましたか?

昨シーズンは練習試合が少なかったんですが、その中でもモチベーションを保てたのは、ノンメンバーのみんなが「何くそ」と悔しい思いを持っていたからだと思います。昨シーズンを振り返ると、そういう思いや競争がなければチームは成長しないと思いましたし、練習中からチャレンジすることの重要性を学ぶことができたと思います。

今年で7年目になりますが、今は「やれることを全てやって、挑戦しよう」という気持ちでいますし、準備の仕方も逆算して考え、取り組むようになっています。今のターゲットは、6月11日にワラタスと試合をするので、まずはそこを最初のターゲットにしています。

サンウルブズやアジアチャンピオンシップの日本代表で多くのメンバーがチームを離れていて、いまチームにいるメンバーで準備をしていかなければいけないので、6月11日に向けてチームをどう持って行けるかと考えていますし、それが土台となってトップリーグの開幕に向けて進んでいくと思うので、6月11日の試合に出場できるよう準備を進めています。

◆10番でチャレンジ

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—— 色々なポジションでプレーできますが、どのポジションをメインにしていこうと考えていますか?

10番でチャレンジしようと思います。同じポジションには晃征さん(小野)という素晴らしいお手本がいるので、良い部分をどんどん吸収して、グラウンドでチャレンジしたいと思っています。

晃征さんはラグビーをよく知っていますし、周りをよく見ていますし、かなり考えてプレーしていると思います。相手選手が「なぜこのプレーをしたのか」というところまで考えていると思いますし、あとグラウンド内外での細かなコミュニケーションが上手いと思います。細かなコミュニケーションがしっかりと取れているので、頭の中のイメージをみんなと共有することができるんだと思います。

—— 他のポジションについては?

10番をやるということはサインプレーを分かっていなければいけないので、センターやウイング、フルバックでもしっかりとマッチすることができると思います。

—— プレーできるポジションで好きなポジションは?

10番と15番が好きで、どちらかと言われれば、10番をやりたいと思います。

—— バックスの面白さはどこだと思いますか?

空いているスペースを見つけて、狙った通りにしっかりと攻め切れた時は面白いと感じます。10番では、それに加えて、自分たちのアタックをコントロールする役目もあるので、自分が発したコールから良い形で攻められたら気持ちが良いですね。

◆気配りのあるプレー

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—— トップリーグ出場から時間が空き、不安に思っていることはありますか?

試合勘の部分は不安がありますし、この年齢になると他の選手とも比較されると思います。ルーキーはチームにエネルギーを与える存在だと思いますが、僕の場合は、少ないチャンスの中で最大限の成果を発揮しなければ、試合に出続けることは難しいと思います。

そのためには集中して取り組まなければいけないと思いますし、緊張もすると思います。その中で、先ほど言った「やれることを全てやって、挑戦しよう」という気持ちでいるので、全ての準備をしてやり切るだけだと思います。それでもできなければ、自分が持っているものはそこまでだということです。

—— 今シーズンの目標は?

それは本当にシンプルで、“STAY HUNGRY”で2冠を達成することと、試合に出ることです。もちろん10番で試合に出たいと思っていますが、その準備過程で、ユーティリティーということでリザーブに選ばれるかもしれないので、そこはチームから求められていることに合わせ準備していくつもりです。

—— 10番としてのアピールポイントは?

フィジカルの部分ではしっかりとチームをサポートできると思いますし、ボールを持って自分でも前に出られるところが強みだと思っています。

—— 今シーズンよりも更に先は見ていますか?

サンゴリアスで試合に出て優勝するということだけしか見ていません。将来振り返った時に後悔をしたくないので、思ったことに対してアクションを起こしたいと思いますし、そこにしっかりとしたビジョンを持っていたいと思います。

—— ラグビー以外でもエネルギーがあると言っていましたが、何か心がけていることはありますか?

チームソーシャルでもそうですが、ウエイトトレーニングやグラウンドでもキツイ時にこそ声を出して、周りを盛り上げられればと思っています。

—— ファンの人に向けて、注目して欲しいポイントをお願いします

落ち着いて判断してプレーするところを見てください。今シーズンは相手と周りをしっかりと見て、その状況に合わせたプレーができると思いますし、これまでよりも気配りのあるプレーをしたいと思います。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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