SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2009年12月24日

#183 竹本 隼太郎 『身長180.1cm』

◆日本代表ではフランカーでチャレンジ

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—— 初のジャパンの経験はどうでしたか?

そうですね、僕の中では、大きなイベントでした。去年はいいプレーをすること、優勝をすることを目指してやっていたんですが、今年はジャパンに入ることも大きな目標に決めていたので、すごく嬉しかったです。まだまだ課題はたくさんあるんですが、そのために自分に足りないものをひとつひとつ潰している途中で選ばれたので、本当に呼ばれただけで嬉しかったです。

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—— カーワン監督とは面接などしましたか?

最後、選ばれる選ばれないのミーティングで1対1のミーティングをしました。

—— その時にどういうことを言われましたか?

スキルフルなのは練習やセレクションマッチで分かったということを言ってもらいました。パワフルということも言ってもらいました。ただ、ナンバーエイトとしては体が小さいからフランカ―でチャレンジしてくれと言われました。僕としては、ナンバーエイトで選ばれたのに、最後になってフランカーというのはどうなのかと思ってズッコケました(笑)。

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僕の面接の順番は最後の方で、終わったやつがあいつは落ちた、あいつは残ったっていうのが分かっていたので、メンバーとリザーブの構成を考えると、残るひと枠は俺だと確信して面接に入りました。それで行ったら選ばれていない、しかもフランカーって言われて、だったら最初からフランカーでチャレンジしたかったですが、チーム事情なので仕方ないですね。本当はナンバーエイトでやりたいですが、フランカーでも行けるようにしておこうと思っています。

—— 以前からあまりポジションにはこだわらないと言っていましたね

そうですね、こだわりはあまりないです。

—— ナンバーエイトは体の大きい帰化選手が多いですが、その辺はどう感じていますか?

別に何とも思っていないですね。いちばん大事なのはパフォーマンスだと思っているので、選ばれないなら選ばれないで仕方ないですが、日本代表ではフランカーでチャレンジするだけですし、後半シーズンの活躍次第では、もしかしたらこの身長でも考え直してくれるかもしれないですからね。

—— 身長はいくつあるんですか?

180.1cmです。よく180cmないだろうと言われるんですが、毎年しっかり健康診断で測った数字です。多分、顔が大きくてズングリムックリの体型なんで、180cmあるようには見えないというのも分かるんです。だから、この場を借りて本当に180cmあることを公表したいです(笑)。

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◆反応の速さとバランス

—— 自分の長所はどう思ってますか?

パススキルと判断、リアクションの速さです。

—— 試合を見ているとボールを持ってゲインする場面が目立ちますが

ボディコントロールも自信を持っているので、反応の速さとバランスと、去年に比べて初速が上がっているので、それを活かして、去年よりボールを持ったら前に出れることにつながっています。

—— 初速が上がった秘訣はありますか?

走るフォームの改善と初動の意識ですね。

—— フォームの改善は何がきっかけだったんですか?

きっかけは、言えないです。企業秘密です(笑)。足が遅いなと感じていたので、仕事量は多くても、まだまだ裏に出てからの伸びがなかったので、ボールを持った時のパフォーマンスはまだまだ上がるなと思いました。要は意識の問題ですね。ステップにしてもコース取りにしてもそうですね。

—— 小野澤選手はいいお手本ですか?

もう、まさにそうです。完全な理想形です。フォワードがあのステップを切れたら、それだけで優勝できちゃうんじゃないですか?(笑)

—— 小野澤選手とはよく話すんですか?

ジャパンの時にもコーヒーに誘ってもらったりして、お話はしています。ラグビートークはすごくためになります。

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◆まだまだ未開拓

—— ジャパンで新たに感じたことや得たことは?

自分もやっとこのレベルに立ったんだと感じました。自信を持ってさらに自分の持ち味を出していきたいと思いました。ポテンシャルがあって選ばれてる選手もいますし、自分で課題を克服してひとつひとつスキルアップして選ばれている選手もいるので、代表もまだまだ伸びる余地があるなと思いました。フォワードはまだまだ未開拓というか、耕せばいくらでも収穫できるなということも実感しました。ジャパンもまだまだ強くなれますね。

—— 印象的なことはありましたか?

カーワンのプレッシャーですね(笑)。とても雰囲気がある人ですね。規律をすごく重んじて、僕はミーティングに遅れてしまったことが一度ありました。ひとこと、「次はないぞ」と静かに言われました。練習に関しては、基本確認することは良かったんですけど、寒い中での待機時間も多くて、試合でのパフォーマンスはあまり上がりませんでしたね。練習自体は確認が多くて、フィットネスなどは、向上はしませんでした。インプットが非常に多かった印象です。やることの確認ですね。

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◆もっとトライを

—— サントリーも後半戦いいスタートを切りましたが、調子はどうですか?

あまり調子が良いとは言いたくないのですが、去年よりは上がってますし、前半戦もずっと課題だと思っていた仕事量とボールを持ってのパフォーマンスが上がっているので、もっともっと上げていきたいです。

—— チームの雰囲気は?

徐々に上がってきていて、良い状態だと思います。

—— リーダーシップメンバーとしてはどうですか?

リーダーシップメンバーとしては、春のインタビューですごくきれいに書いてもらいましたが、なかなかやりたかったことを全て出来ているわけではないですね。ウインドウマンスで少しゆっくりラグビーについて考えられたので、また仕切り直して1日1日しっかり振り返ってやっていきたいと思います。

—— 優勝への手応えはどうですか?

優勝するポテンシャルは去年も持っていましたし、一昨年もマイクロソフトカップは優勝しましたから、それをより確実にするために、いくらやってもやりすぎることはないという気持ちで、取り組んでいきたいと思います。手応えというのはあまり感じる必要はないと思っています。相手に合わせるのではなく、自分たちのやることやり続けるというところは去年と格段に変わってきましたね。

各コーチの責任も明確になって、毎週の課題を基に練習して改善できているので、相手に合わせずに、自分たちの試合が出来ているんだと思います。後半戦ではもっともっとトライを取りたいですね。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)

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