SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2008年11月26日

#161 長友 泰憲 『ドライブ&アライブ』

◆倒れてもすぐ立ってドライブ

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—— ここのところトップリーグ4試合フル出場ですね

そうですね。2節の後半からなので、4試合半出てる感じです。

—— 自分では開幕前、これくらいは出られるだろうという感覚でしたか?

いいえ、出られても1試合か2試合くらいだと思ってました。

—— どこが良かったんですか?

自分で言うんですか(笑)。怪我人が多いというのもありますが、倒れてもすぐ立ってドライブするところですかね。アライブです。

—— それは昔からの自分のスタイルなんですか?

大学の時に1個上の先輩で有田さん(啓介)という人がいて、その先輩が低い姿勢でずっとドライブしているのを見ていて、自分も真似しようと思ってやってみたら結構うまくいったという感じです。有田さんは今トヨタにいて、センターで今年1回出場していると思います。

—— それは何年生の頃ですか?

大学の2年生くらいでした。

—— それからずっとそのスタイルですか?

そうですね。やってみたら意外に良くて、とにかく低くやっていこうと思いました。

◆ディフェンス面

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—— 試合では緊張はしますか?

お客さんが多いと緊張しますね。あまり多くの観客の前でやったことが今までなかったんで、すごく緊張します。

—— 試合に出ていて、課題は何ですか?

ボールを落とすところですね。相手のディフェンダーを気にしすぎてボールを落としてしまうことがあるので、その辺を気をつけていきたいと思います。まずはキャッチしてから常に意識することですね。キャッチする前に相手を見ておくのと、キャッチしてから相手を見るのとがあると思いますが、僕はキャッチする前に見ておきたい方なんですね。キャッチしてからだと、ボールを持った状態でどうしようかと、一瞬迷ったり、躊躇したりする間ができてしまうと思うので、できるだけボールを持つ前に状況を把握しておきたいんです。

—— 対策は?

相手のラインを見るタイミングなど意識してやっていて、今いろいろ試しているところです。

—— 大学の大先輩に小野澤選手がいますね

ザワさんのことは、高校3年生の頃に初めて知りました。

—— サントリーで同じチームになってどうですか?

今教えてもらっているのはアタックではなく、ディフェンス面のことをいろいろ教えてもらっています。今は「アタックは自分の感じでいいから」と言われているので、自分で頑張っています。

—— 11番と14番、どちらが得意というのはありますか?

どちらもできるんですが、どっちかっと言ったら左の方が好きかも知れないですね。癖で左に行ってしまうところがあるので...。ステップ切るのは11番、スワーブは14番がやりやすいです。

—— 他のポジションはどうですか?

15番(フルバック)とセンターをやりました。センターはすごく難しいです。外にスペースがあるし、ボールを持つ時に相手も近いので難しいですね。やった時はちょっとあたふたしてしまいます(笑)。

—— 高校からずっとウイングなんですか?

そうです。1回だけセンターをやりましたが、あとはずっとウイングです。

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◆兄がやってた

—— 子供の頃から足は速かったんですか?

そうですね。小1の頃から早かったですね。小学校の団体リレーもずっと出てました。最近体重が増えたので、少し遅くなってますが、クリーンとかやって、スピードは維持していきたいですね。

—— ラグビーを始めたのは?

高1からです。

—— キッカケは?

兄がやっていたんです。3つ上の兄貴です。兄も足が速かったですね。僕より早かったです。今はもうラグビーはしていないですね。ラグビーがきつくてやめたので、僕にはラグビーを薦めませんでした。でも、僕は兄が花園に出たのを見て、「いいなぁ」と思って始めました。小中学校ではサッカーをしていて、Jリーグに憧れていました。

—— サッカーではどこのポジションをやっていたんですか?

サッカーでは小1ではフォワードでしたが、足が速いので、センターバックに変えられました。僕的にはフォワードが良かったんです。バックはつまらなかったですね。点取られるだけですから(笑)。高校に入る時も、大分に強い高校があったんですが、「遠いからや~めた」って感じで、近い高鍋高校にしました。

—— 高校でサッカー部というのは考えなかったんですか?

1回、入学前の春休みにサッカー部の練習に行きました。そうしたら、家に電話がかかってきて、お母さんが出たんですが、「サッカー部に入るの?」と言われたみたいです。兄がラグビーをやっていたこともあって、それより前にラグビー部の監督が一度家に来て、ラグビー部に入るという話をしていたんです。だから驚いて電話してきたんだと思います。

—— サッカーの練習はどうでしたか?

面白かったですけど、もうラグビーをすると決めていたんで、どうこうということはなかったです。

—— ラグビーは全く未知の世界でしたか?

そうですね。全く知りませんでした。ラグビーをしている友達がいい奴ばかりで、それでラグビーにしたというのもありました。自分の代は結構ラグビー部が集まりました。

—— 実際にラグビー部の活動が始まってからはどうでしたか?

新鮮でしたね。ボールの投げ方も全くわからないし、どうすればいいかもわからないので困りましたね。

—— 新しいことをするということが楽しかったんですか?

楽しかったですね。途中からは基礎トレーニングや筋トレばっかりやっていて、ちょっとキツ過ぎだろうとも思いました。走るのも多くて、監督と総監督がいたんですが、1年生は総監督に教えられて、とにかくその総監督がきつかったんです。すごく昔の練習みたいなのが多くて、おんぶして走らされたり、お姫様抱っこでグラウンド1週させられたりしました。

—— それでもみんな辞めずについてきたんですか?

自分らの代は結局30人くらい入ったんですが、辞めたのは1人もいなかったです。仲良かったんで、みんなで頑張りました。「辞めたい」って言ってるやつは多かったですけどね。結局みんな続けました。

◆人を抜く快感

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—— 高校は強かったんですか?

県内では強い方でした。

—— 自分でラグビーで行けるなと思ったのはいつ頃ですか?

そんな...、大学もラグビーで行けると思ったことはなかったですね。1年の春すぐに大分で大会があって、初めて試合に出されました。試合の前に監督にインゴールに呼ばれて、トライの仕方だけ教わって、試合に出されました。ラックの中とか全然わからなかったですね。分からないからとにかく捕まらないように逃げて走って、初めてトライしたと思ったときは、タッチの外に出てました(笑)。僕はトライだと思っていたので、あれ~?と思っていたら、監督に「お前、そこはトライじゃねぇよ!」って言われて気づきました。

—— チームの雰囲気は明るい感じでしたか?

そうですね。明るく楽しいチームでした。上下関係とかもそんなに厳しくなかったですね。

—— その試合でデビューした後は、ずっと出たんですか?

いいえ。そこから花園予選は出てないですね。ラグビーを高校で始めたということで、まずは試合はこういうもんだということを分からせるために出してもらったんだと思います。経験者の友達は試合に出ていました。

—— 試合に出られるようになったのはいつからですか?

2年からですね。1年の時の花園予選が終わってからですね。

—— どういうところが楽しいと思いましたか?

人を抜く快感ですかね。

—— ステップのキレですか?スピードですか?

ステップですね。ステップで抜く方がスピードで抜くより楽しいなと思いました。そこにこだわりたいと思いましたね。

—— サッカーとは違いましたか?

サッカーはドリブルが下手だったんでダメでしたね。ラグビーは結構自分でいけるので、その辺が面白いと思いました。

—— 相手を抜くための個人練習などはしていたんですか?

していましたね。ステップを切るためのバランスと脚力をつけるために、スケートの選手がよくやるような、左右に飛んで片足で着地してというのを繰り返しやっていました。

—— 2年から3年になった時はかなり手応えを感じてきたんですか?

2年の時の方が足首を怪我していなかったので、良かったですね。2年の花園予選の決勝で足首を怪我してしまいました。

—— 高校時代で一番楽しかったのは何ですか?

なんですかね~。遠くから来ていて下宿しているやつがいたんですが、そいつの家に泊まって、和気あいあいやることですかね。その中でイジられキャラのやつがいて、そいつらと遊んでるときが一番楽しかったですね。

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◆悩んだことは勉強

—— 兄弟は?

兄と弟です。兄と弟はタイプが違います。弟は1つ下なんですが、僕や兄貴と違って、前に出ていくようなタイプじゃなかったです。だからあまり弟はイジらなかったですね。だからイジられキャラのその友達と遊ぶのが楽しかったのかもしれません。弟は結構内気な感じですね。兄貴はめっちゃテンションが高くて、お母さんがくたびれるほど扱いにくいです。お父さんはすごく優しいです。

—— ラグビーをやることに関して親はどうでしたか?

賛成でした。お爺ちゃんとお父さんはラグビーを勧めていました。だから兄もやっていたんでしょうね。

—— 高校時代に悩んだことはなんですか?

勉強ですね。進学校だったので、赤点(25点)を取ると試合に出してもらえなかったので、結構監督に怒られていました。でもどうしようもなくて...。

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—— 得意だったのは?

体育です!(笑)

—— 不得意は?

国語と数学と化学です。あと英語ですね。

—— 社会は得意だったんですか?

社会もギリギリですね(笑)。自分は普通科ではなく生活情報科という科で女の子ばっかりいて、料理とかも習うんですが、全然だめでしたね。しかも男は自分入れて3人しかいなくて、大変でした。

—— 3年まで赤点はあったんですか?

3年になってラグビー部に特別クラスの頭のいい奴がいて、そいつにずっと教えてもらって、なんとか赤点は取らないようになりました。今までは数学が40点くらいだったんですが、そいつに教えてもらって初めて80点を取りました。自分でもびっくりしました。

—— その友達は素晴らしいですね

そうですね。こっちがわからなくても、わかるまで根気よく丁寧に何度も教えてくれました。

◆社会人の方が大変

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—— 大学で中央大学を選んだのはなぜですか?

先輩で岡本先輩という方がいて、高校によくコーチで来てくれていたんですが、その方にどこがいいか話をしていて、中央大学が良いと勧められて紹介してもらいました。本当はあまり遠くには行きたくなくて、福岡の大学に行きたかったんですけどね。中央大学に入って、始めはきつかったんですが、だんだん慣れてきて、中大の環境がすごく好きになりました。

—— 試合には何年生の頃から出たんですか?

1年から出してもらいました。

—— 大学では開花していたんですか?

1年の時がいちばん調子良かったんです。2年の時に監督が変わって、その時は僕らの代と1つ下の代があまりやる気がなくてダメでした。3年でまた監督が代わって、そこからまたやる気が出てきました。

—— 大学で勉強はどうでしたか?

だいぶ苦労しました。1年の時は実家にどうしても帰りたくて、テスト受けずに帰っていたので、単位を11しか取れませんでした。これでは絶対に留年だと思って、2年の時は頑張って、49単位取りました。そのころちょうどサントリーからお話があって、「留年したら絶対に獲れない」と言われて、それで頑張ろうと思って、一気に単位を取りました。なので4年でも結構授業に出ていました。

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—— 社会人になって、勉強がなくなって良かったですね(笑)

いやいや、社会人の方が大変です。仕事が全くわからないので、めっちゃ困ってます。覚えることが多いですね。

—— 大学でチームはどうでしたか?

ずっと入れ替え戦でしたね。

—— 思い出に残る試合は?

自分が2年の時の入れ替え戦で、最後の最後まで負けていて、本当に最後で逆転して勝ったんですが、その時はめっちゃ嬉しかったですね。その時はしかも、監督が変わることが決まっていて、入れ替え戦の前から監督はもう来ないで、練習から自分たちでやっていたんです。

—— 辛かったことはありますか?

練習で言うとフィットネスが辛かったです。火曜日がフィットネスの日だったんですが、1年の時なんかは本当にきつくて、たまに授業ですって言って、サボっていました。たまにですけどね。筋トレは好きなんですけど、フィットネスは嫌いなんですね。

◆皮靴には慣れない

—— 自分の性格はどう思いますか?

結構楽観的というか、前向き、ポジティブ人間ですね。短所は好き嫌いが多いことですね。単純でだまされやすいです。この前も平さん(浩二)とご飯を食べていて麻婆豆腐だったんですが、平さんがその中に輪ゴムを入れて、僕も何か噛み切れないものがあるなと思っていたんですが、飲みこんだら平さんがクスクス笑っていて、「なに笑ってるんですか」と聞いたら、「おまえ輪ゴム食った」と言われて...、いつか仕返しします(笑)。

—— サントリーにはどう決めたんですか?

九州のチームに入って実家に帰ろうと思っていたんですが、武山さん(哲也/GM補佐兼チームディレクター)に、「サントリーなら常に優勝を狙えるチームでやれるぞ」と言われて、そうだなと思いました。圭太さん(長谷川)もいたので、いろいろ話を聞いていたんですが、ある日突然、圭太さんから電話かかってきて、「早く決めろよ」って言われ、その電話で「今決めろ」って話になって、そこで決めました。

—— 入ってみてどうでしたか?

最初は戦術とかを覚えることがたくさんあって大変で、楽しいとかそういうことは考えていなかったですね。仕事もあってクタクタで、あまり集中できていませんでした。最近少しずつ慣れてきてきましたが、皮靴には慣れませんね。

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—— 今年の目標は?

自分の得意なところをよりレベルアップできるようにしたいですね。そのために基礎トレーニングをやっていきます。

—— 中期的な目標は?

サントリーの試合にたくさん出て、レギュラーを取れるように頑張りたいですね。

—— 初トライは嬉しかったですか?

まぁまぁ嬉しかったですね。だれでも取れるような状況だったので、めちゃくちゃうれしいという感じではなかったですけど、普通に嬉しかったです。

(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:植田悠太)
[写真:長尾亜紀]

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