バー・デビュー前の基礎知識

1オーセンティックバーとは

オーセンティックバー、ショットバー、ジャズをはじめとする音楽ライブのあるバー、スポーツバー、ダーツバーなどさまざまにあります。また同じオーセンティックでも、ホテルバーと街のバーでは空気感が異なります。
オーセンティックとは正統派。では正統派のバーとはどういうお店なのでしょうか。
明確な定義はない、とおっしゃる達磨さんに、オーセンティックバーに対しての私感を語っていただきました。
「酒類に精通し、技術の研鑽を積んだプロフェッショナルなバーテンダーがカウンター席をメインに接客しているお店。氷やグラスといった材料やツールにバーテンダーの姿勢がうかがえ、もっと言えば、トイレをはじめとして店内に清潔感があること、でしょうか」(達磨氏)
悩ましいのはショットバーとオーセンティックバーとの違いだそうです。
「その区分は曖昧です。ショットバーと名乗っているお店にはカジュアルな雰囲気のほうが多い、といった印象です」(達磨氏)
皆さんが、敷居が高いとおっしゃっているのはこのオーセンティックバーのはずです。ここからはオーセンティックなバーを中心に語っていくことにします。

2気になるバーを見つけよう

身近な親しい人のなかに、行きつけのバーがあるという方はいらっしゃいませんか。初めての場合は、そういう方に同行させていただくのがいちばんです。 そこから徐々に慣れ親しんでいくことができます。
「自分のチカラで行こうとするならば、Webサイトや雑誌といった媒体で、気になるお店を見つけることです。店内画像を見て、内装やカウンターまわりの様子から行ってみたいな、と感じるお店を探します。そこでチャージ料やサービス料も含めて、2〜3杯飲んだときの予算の目安も確認しておくことです」(達磨氏)
初めての場合は、友人を誘って二人で行くほうがいいようです。一人だと、カウンター席に座って緊張して、時間をもてあましてしまうこともあるからです。
「とくに女性の場合、初めての方が一人で入店されるとバーテンダーも緊張するといいます。周囲のお客様の様子からどの席にするか判断し、隣の方からむやみに話かけられないように気を配ったりと、心地よい時間を過ごしていただくためにさまざまな気遣いをします。それがバーテンダーの仕事でもあるといえますが、気遣いに恐縮しながら過ごすのが嫌ならば、誰かを誘うほうがいいでしょう」(達磨氏)
またホテルバーは常連客ばかりという訳ではありませんから、初心者には意外とおすすめ、だと達磨さんはおっしゃいます。バーテンダーもホテルマンですから付かず離れずの接客に徹しているとのことです。
あえてホテルバーのテーブル席に着いて、他の方たちの過ごし方、飲み方を眺めながら、場慣れしていく方法もあると教えていただきました。

3ベストな曜日や時間

地域によってベストな曜日は異なる、と達磨さんはおっしゃいます。
「たとえばオフィス街が近いバーの場合、平日は仕事帰りの常連客で混み合う人気店であっても、土曜日は空いている場合が多い。できれば土曜日の営業開始時刻間もない早い時間がいいでしょう。平日よりもバーテンダーはゆったりと相手をしてくれるでしょうし、そのバーが気に入ってこころを開くことができれば次回にゆとりが生まれ、平日でも臆することなく席に着くことができます」(達磨氏)
逆に住宅街が近い地域密着型のバーでは、土曜の早い時間から混み合う場合が多々あるようです。そういうお店は平日の早い時間に訪ねるほうがいいでしょう。遅い時間になれば、帰宅前にスイッチを入れ替えようとする常連客で賑わいます。平日のバーは20時、21時と遅い時間になるほど混み合ってくるようです。

4バーのドレスコード

特別な規定はないようです。ただし、あまりにもラフなスタイルは好ましくありません。はじめての場合、男性ならばジャケットに襟のあるシャツ、女性ならばあまり派手にならない程度のお洒落でいいようです。
「バー・デビューにTシャツ、短パンという方はいらっしゃらないでしょう。あくまでラフ過ぎないことです。また、格式を重んじるホテルバーによっては宿泊客でない場合、服装によっては入店を断られることもあります。ジーンズにスニーカーというスタイルで断られている人を見かけたこともあります。はじめてのホテルバーではジャケットはもちろんのこと、靴にも注意して、清潔感のあるコーディネイトを心がけたほうがよいでしょう」(達磨氏)
その他では「レストランでもそうでしょうが、とくにバーでは香水に気を遣うこと」、と達磨さんはおっしゃいます。強い香りはお酒の香りや味わいを損なうために、バーテンダーだけでなく周囲のお客様にも敬遠されるそうです。
無難な服装でバー・デビューし、そのバーの雰囲気がわかれば、次回からの装い方も楽になります。