紅茶って、元々はウーロン茶だったということをご存じでしょうか?その壮大なウーロン茶の世界史を、ここでは順番にお話しします。またクイズにお答え頂き全問正解された方には、全問正解認定書が与えられます。ぜひチャレンジしてください。
大航海時代のイギリス人にとって、中国ははるか東方の神秘の国でした。その中国からもたらされるお茶は、深い歴史の末に生み出された、大変に貴重な嗜好品だったのです。当初イギリスを始めとしたヨーロッパ人は、緑茶とウーロン茶などの発酵茶はまったく別の茶樹から摘んだ葉で作られたものだと考えていました。実際には、緑茶も発酵茶も、その原点は学名「カメリア・シネンシス」というツバキ科ツバキ属の茶樹であり、その製法によって色も風味も違うお茶に生まれ変わるなどとは、想像すらしなかったに違いありません。
イギリス人は、次第にお茶に慣れ親しんでいくにつれて、緑茶よりもウーロン茶などの発酵茶の方が、砂糖と一緒に楽しむという自分たちの嗜好によく合っているということに気づきました。これは、ひとつには肉類中心のイギリスの食生活に対して、発酵茶が口内の油脂分を切ってくれ、かつ消化を促すことを、体験的に知るようになったためなのです。また、ロンドンの硬水は、発酵茶の苦みや渋みを抑えてマイルドにしてくれる働きがあり、こうした水質も一因であったと考えられます。