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日本植物生理学会 PCP論文賞を受賞!

「青いバラ」の研究成果を発表した論文に対し、日本植物生理学会から「2009年度PCP論文賞」を受賞しました。この賞は、日本植物生理学会の英文誌『Plant and Cell Physiology』誌に掲載された論文のうち、植物科学の進歩に寄与する独創的で国際的にも優れた論文に授与されるものです。今回は2007年に発表された約170編の論文が選考対象となりました。選考理由として、「青いバラを世界で初めて作成することに成功したこの論文は、植物科学における応用研究の重要な成果として極めてインパクトがあり社会的にも注目されたこと、また代謝経路等の詳細な研究に基づく成果でもあり、学問的にも高く評価できる」点が挙げられました。今回の受賞は、サントリーの研究開発が、応用面だけではなく、科学的にも優れていることを示すものです。

胸に赤いリボンをつけた男性
対象論文
Engineering of the Rose Flavonoid Biosynthetic Pathway Successfully Generated Blue-Hued Flowers Accumulating Delphinidin
Plant Cell Physiology (2007) 48:1589-1600
筆頭著者
勝元幸久
論文要旨
本研究では、数百種のバラの中から、フラボノイド組成の解析と花弁抽出物のpHの測定により、デルフィニジンが蓄積した場合に青く発色する可能性が高い品種を選抜した。これらの品種においてパンジー由来のフラボノイド3’,5’-水酸化酵素遺伝子を発現させたところ、デルフィニジンの含有率が95%程度になり、従来のバラより青くなった系統を得ることができた※。よりデルフィニジン含有率を高め、どんな品種においても色素としてはデルフィニジンだけが蓄積するように、バラ自身のジヒドロフラボノール4-還元酵素遺伝子の発現を抑制し、アイリスのジヒドロフラボノール4-還元酵素とパンジーのフラボノイド3’,5’-水酸化酵素遺伝子を発現した。得られたバラにおいてはデルフィニジンの含有率はほぼ100%に達し、花色も従来の交配では得ることができなかった、青い色を帯びていた。「デルフィニジンの含有率はほぼ100%」という性質は、後代にも伝わった。
※販売している「アプローズ」はこのうちのひとつです。
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※部署名、役職名、写真は、制作(インタビュー)当時のものです。

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