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花の色を自由に変えられます

植物の品種改良

現在栽培されている穀物、野菜、花などの植物は、長年の「交配」による品種改良で作られたものです。このおかげで、病気に強い、たくさん収穫できる、美しいなど、人が利用しやすい作物がもたらされ、私たちの生活は豊かになりました。しかし、この交配には、たくさんの時間と手間が必要な上、交配では達成できない性質もありますので、なんとか効率よく品種改良ができないかというのが課題でした。近年発展の著しいバイオテクノロジーを利用しますと、狙い通りの品種改良が効率よくできるばかりか、交配では不可能とされてきたことも可能になってきました。サントリーでは、この技術を花の品種改良に応用し、世界中のバラ育種家の夢であった「青いバラ」を開発するなど、さまざまなテーマに挑戦しております。

Plant & Cell physiologyの冊子を持った男性
バイオテクノロジーで花の色を変える例
参考文献
Plant Biotechnology (2006) 23:13-18
参考文献
Plant Biotechnology (2010) 27:375-383

※サマーウェーブはサントリーフラワーズ(株)より販売しております

花の色が決まる仕組み

植物は花粉を運んでくれる虫や鳥を呼び寄せるためにさまざまな工夫をしています。花の色もその工夫のひとつで、虫や鳥にアピールするようにさまざまな色の花があります。代表的な花色の成分には、1)黄色〜青までの多くの色を出すフラボノイド(アサガオ、カーネーション、ゼラニウムなど)、2)黄色からオレンジ色のカロテノイド(黄色のキク・バラ、トマトやニンジンの成分など。)、3)一部の植物(オシロイバナ、サボテンなど)やキノコに含まれるベタレインがあります(下図参照)。サントリーは、この中で、フラボノイドの研究を行ってきました。フラボノイドには、身体によい成分が多く、眼にいいとされるブルーベリーのアントシアニン(フラボノイドの中で、赤や青の成分をアントシアニンと呼びます)や、カテキンなどもフラボノイドの仲間です。
フラボノイドは、フェニルアラニン(アミノ酸の一種)から、多くの酵素の働きによって合成されます。どの酵素がどの程度働くかによって花の色は決まります。たとえば、青い色素を作る酵素が働くと、青い花ができますし、赤い色素を作る酵素が働くと、赤い花ができます。

花の色と色素の関係
「ムーンダスト」ベルベットブルー
「ムーンダスト」ベルベットブルー

なお、酵素の働きは、遺伝子(生き物の設計図)によってコントロールされていますので、遺伝子の働きをコントロールすることにより、花の色を変えることができます。

バラやカーネーションには青い色素を作るための酵素やその遺伝子がありません。サントリーは、その遺伝子を世界に先駆けて取得しました。この遺伝子をカーネーションに入れることにより、青い色素を蓄積しているカーネーション「ムーンダスト」を作ることができました(写真はムーンダスト・ベルベットブルー)。このカーネーションは日本や欧米で販売されています。同じように青い色素を蓄積しているバラも開発することができました。

関連情報
隔離ほ場試験の適正な実施について(PDFファイル:46KB)
隔離ほ場試験の終了について(PDFファイル:12KB)
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