Research & Technology 水科学研究所

自然界の水から生体内の水まで、
水に関する総合的な研究と知見の普及を進めています。

水科学研究所メインビジュアル

Mission

「水と生きる」企業として
水と生命を守り続けていくために

サントリーのものづくりになくてはならない「水」。
私たちは、創業以来、良質の水を求めてきました。
サントリーグループは「人と自然と響きあう」を企業理念とし、
水を生業とする企業として水を守り、大切に使い、自然に還すことは、
企業としての社会的責任を果たし、
持続可能な社会を実現するために重要なことと考えています。

そこで、私たちの利用する「水」への理解、
未来に向けて「水資源」を守っていくために、
社内に水科学研究所を設置しました。

水科学研究所では、水文学(すいもんがく)を基盤に、
水源を育む森と水の研究をはじめ、
国内外の水資源の研究、
さらには食品酒類総合企業として
水における健康や嗜好に関する研究など、
「自然界の水」から「生体内での水」まで
包括的な理解のための研究と知見の普及を進めています。

私たちは、これからも「水と生きる」企業として
水と生命を守り続けていくために努力を続けていきます。

活動内容

持続可能な地下水利用

持続可能な地下水利用

環境に負荷をかけることなく、持続的に地下水を利用するためには、その場所の水循環を詳細に把握することが必要です。水科学研究所では、第三者機関と協働して現地調査を行い、湧水の状況や水質の分析結果などと併せて評価し、さらに継続的なモニタリングを続けることで環境影響がないことを確認しています。これらの調査結果は、貴重な「天然水」の安全・安心を守り、将来にわたってお客様へお届けするために活かされています。

世界の水資源問題解決に向けた研究

世界の水資源問題解決に向けた研究

世界には水が不足したり、安全な飲用水を十分に得ることができない国や地域が数多くあります。また、地球規模での気候変動が原因となって農作物へ被害が生じ、植物の生育地域が移動するなど、人々の生活や生産活動に大きな影響が及ぶ可能性があります。水と生き、水に生かされているサントリーにとって、世界の水問題は決して無関係ではないと考えています。水科学研究所では、東大水フォーラムなどと協働で世界の水問題の動向調査と水資源の評価を行い、社会への情報発信を進めています。

「天然水の森」活動ーー森と水の科学

「天然水の森」活動ーー森と水の科学

サントリーでは、工場で利用する以上の地下水を森で涵養することを目標として、全国各地で森を守り、水を育む「天然水の森」活動を展開しています。しかしながら、どのような管理方法が涵養力の高い、健全な森につながるかは科学的に解明されていないのが現状です。
水科学研究所では、水文学や土壌学、植生学などさまざまな分野の研究者と協力し、環境の異なる森林において、一つ一つ試行錯誤しながら、最適な森の管理方法の確立と科学的検証を行っています。

水と健康

水と健康

人のからだのおよそ60%は水でできています。体内の水は、栄養素の運搬や老廃物の排出、消化や代謝などの反応の場の提供、そして発汗などによる体温調節、といった生命維持のために重要な役割を果たしています。そのため、からだの水分バランスや水の流れは、健康と密接に関係すると考えられます。
水科学研究所では、こうした“生体内水循環”と健康との関係を明らかにする研究に取りくむとともに、慶應義塾大学医学部との共同研究プロジェクト「生命をめぐる水」を進めています。

水の嗜好研究

水の嗜好研究

水は無味無臭なため、その嗜好性を研究するのは難しいことです。しかし、飲みなれた水が美味しく感じられるのは、微量な成分のバランスによって、水の味わいも異なるからだと推測されます。
水科学研究所では、このような水の味わいを研究するとともに、近年伸長し続けるミネラルウォーター市場において、水の嗜好性に影響を与える要因についても研究を進めています。

水の基礎化学研究

水の基礎化学研究

水にはミネラルや有機物など、様々な成分が溶け込んでいます。水科学研究所では、僅かな成分も検出できる高感度の機器を使って水の成分を調べ、それぞれの水の特徴を把握しています。
得られた分析結果は、天然水の森の水質状況の把握、地下水の流れの解析など、多様な分野に活用されます。また、水の特徴をさらに詳細に捉えることを目指して、新たな分析手法の開発にも取り組んでいます。

サステナビリティに関する研究論文・学会発表

関連書籍・レポート

水の知/沖大幹監修、東京大学「水の知」(サントリー)編(化学同人)

水の知

東京大学で実施した全学自由研究ゼミナール「水の知最前線(水と生きる)」の講義内容を再編。文理を問わず幅広い分野で活躍する研究者や実務者による取り組みを紹介し、水に関する知の最前線を集約しています。

水の日本地図/東京大学総括プロジェクト機構、「水の知」(サントリー)総括寄付講座編(朝日新聞出版)

水の日本地図

水のおいしさ、水質、水資源量、水の供給、水道料金、水害など、全国各地を「水」をキーワードに分析し、日本地図に描きました。多くの図表を用いて「人々と水との関わり」を分かりやすく解説しています。

「天然水の森」を科学する/サントリービジネスエキスパート(株)水科学研究所、サントリーホールディングス(株)(日本林業調査会)

「天然水の森」を科学する

サントリーが森林水源涵養活動として全国各地に展開する「天然水の森」。水源涵養力が高く生物の多様性に富んだ森林の実現へ向け、水循環や植生、土壌に至るまで多岐にわたる研究活動を紹介しています。

水を守りに、森へ/山田健(筑摩書房)

水を守りに、森へ

豊かな地下水を育むために大切な役割を担う森が、今荒廃によって深刻な事態に陥っています。その原因を科学的に解明し、森林と地下水の未来を守るためにサントリーが取り組んでいる、森林再生プロジェクトの活動記録です。

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