本格芋焼酎 黒丸 サントリー

  • 開発ストーリー
  • 「黒丸」に込めた想い
  • 原料へのこだわり
  • 「黒丸」の新たな試み
開発者の想い
執行役員 杜氏頭 宮田 弘氏
  • 本格焼酎の革新をめざして。「黒丸」に込めた想い。
  • 芋、米、麹。「黒丸」の原料へのこだわり。
  • 常圧蒸溜と減圧蒸溜のブレンド。「黒丸」の新たな試み。

甘い香りを引き出す、黒麹。

「一こうじ、二もと、三つくり」といって、焼酎づくりでは麹づくりが一番重要です。なぜなら麹はいろいろな成分をつくりますが、これがもろみになって蒸溜した時、どのような成分が出てくるかで酒質が決まるからです。二番目の“もと”は一次もろみ、三番目の“つくり”は芋を入れて発酵させる二次もろみのことです。すべてのもとは麹にある。だから重要なわけです。「黒丸」は黒麹を使っていますが、これのいいところは芋のヤニを分解する酵素がすごく高いことです。ヤニを分解すると香りが甘くなります。そして不思議なことに、人間は鼻で感じたのを舌でも甘いと感じるわけですね。

減圧蒸溜原酒をブレンドするという、新しい発想。

開発段階でいちばん驚いたのが、ブレンドという発想です。焼酎では、いろんなタンクの原酒を品質や味を整えるためにブレンドすることはあります。
でも、常圧蒸溜の原酒に減圧蒸溜の原酒をブレンドしておいしくするという考えはありませんでした。どちらかといえば、それぞれの特徴が薄らぐという認識です。だから始めは、常圧蒸溜した何種類かの原酒をもとにサントリーと新しい焼酎を検討していたのですが、なかなかめざす酒質が決まらない。そんなある時、テストでつくった減圧蒸溜の原酒を1本もちこみました。すると、これはいいと。さらに、常圧蒸溜の原酒とブレンドしてみようと。そこで比率をいろいろと試し、ようやく酒質が決まっていきましたが、そこからが大変でした。

安定した品質を生む、蒸溜方法の確立。

それまで私たちは、減圧蒸溜の芋焼酎を商品化したことがありませんでした。だから、きっかけとなったテストの1本を頼りに、同じ品質のものを継続して、しかも量をつくるための減圧蒸溜方法を確立しなければなりませんでした。常圧蒸溜と変わらないのは蒸溜器だけです。蒸気の温度から、真空ポンプで空気を抜く抜き方、抜く量、抜くタイミング、さらに出てきたアルコールガスを冷やす温度など、求める酒質をつくるために、様々な試行錯誤を繰り返しました。どれかひとつが狂っても、酒質に影響してきます。「黒丸」を開発するうえで、この作業がいちばんの苦労だったといえます。

ブレンドから生まれた、新しい芋焼酎のカタチ。

常圧蒸溜と減圧蒸溜の大きな違いは、もろみ由来成分が多いか少ないか。常圧蒸溜は、もろみ由来成分より二次生成物が多く、味も香りも非常に濃くなります。減圧蒸溜は二次生成物がほとんどできないので、もろみ由来の香りを引き出します。だから味はすっきり、香りはフルーティ。このふたつをブレンドした「黒丸」を口にして、おや?と思いました。芋焼酎本来の香りがたちつつ後味はすっきりとしていたからです。これはまったく新しい芋焼酎だと思いました。だから、味の濃い料理や肉にしか合わなかった今までの芋焼酎とは違い、白身の魚や薄い味付けの料理でも、おいしく味わえると思います。繊細な味の料理では味を引き立て、濃い味の料理ではさっぱりと洗い流してくれる。味だけでなく、食事との相性という面でも、「黒丸」は芋焼酎の世界を広げる商品だと感じています。

本格焼酎の革新をめざして。「黒丸」に込めた想い。 芋、米、麹。「黒丸」の原料へのこだわり。 常圧蒸溜と減圧蒸溜のブレンド。「黒丸」の新たな試み。

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