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「つぶてソングの集い」プロジェクト「つぶてソングの集い ~10年のあゆみ~」

  • 実施日時
    2022年 4月 29日(金・祝)
  • 実施場所
    第一生命ホール
  • プログラム

    第1部

    「あなたはどこに」(《つぶてソング》より)
    「涙が泣いている」「重なり合う手と手」(《つぶてソング》より)
    「あなたはどこに」(《つぶてソング》より)
    対談 和合亮一(詩人)、新実徳英(作曲家)
    「フルサト」「放射能」「許せるかあなたは」「夢があるのなら」(《つぶてソング》より)

    第2部

    「鳥のシチリアーノ」「春に」「なぎさのワルツ」(《ヴァイオリン・ソングブック》より)
    「燃え上がろう」「失うことは悲しい」「街を返せ」「誰もいない福島」
    「なぜ生きる」(《つぶてソング》より)
    「風を返して土を返して」
    「希望のうた」

  • 出演

    小林美恵(Vn)、大軒由敬(Vc)、永井由比(Fl)、阿久津紋子(Cl)
    中村孝志(Tp)、村田厚生(Tb)
    大須賀恵里(Pf)、鷹羽弘晃(Pf)、浜中康子(Pf)
    櫻田 亮(Ten)、新実徳英(歌、指揮)、清水 昭(指揮)、和合亮一(詩人)
    いらか会合唱団&男声合唱団TOKEI、桐朋学園芸術短期大学声楽アンサンブル
    松原混声合唱団

主催者からの活動レポートをお届けします。
 震災の年(2011年)にスタートした「つぶてソングの集い」は、2022年に第11回を迎えました。2020年、福島で開催を予定していた集いは、コロナ禍のため中止せざるを得ない状況となり、2021年へ延期になりましたが、引き続きコロナ禍の状況はきびしく、「つぶてソングの集い」本来の合唱を中心とする形で実施することはできませんでした。
 「つぶてソング」の作者、和合亮一氏と新実徳英氏によって2020年に創られ、未発表のままであった第10回記念歌〈希望のうた〉は、2021年杉並公会堂において新実徳英氏指揮のもと、松原混声合唱団、いらか会合唱団、桐朋学園芸術短期大学器楽アンサンブル他による演奏を収録し、ビデオレターとして福島の集いで披露しました。
 2022年第一生命ホール(東京)での第11回「つぶてソングの集い」において、松原混声合唱団、いらか会合唱団、桐朋学園芸術短期大学声楽アンサンブルが、新実氏の指揮のもと、プロの器楽奏者とともに合同演奏し、〈希望のうた〉の初演を実現することができました。

演奏に先立って〈希望のうた〉の詩を、作者である詩人 和合亮一氏が朗読し、その力強い声に会場は特別な空気に包まれました。

 今回は、つぶてソング全12曲が3つの合唱団、そしてテノールのソロ(櫻田 亮さん)によって演奏されました。
 作曲者自身によって歌われた「つぶてソング」第1曲〈あなたはどこに〉の演奏の際には、〈希望のうた〉に至るまでの11回にわたる「つぶてソングの集い」それぞれの情景が走馬灯のように思い出されました。
 合唱という声の力とともにこの集いをプロの演奏家、そして司会者(朝岡 聡さん)が無償でこの集いを支えて下さいました。
 「震災を風化させてはいけない」それは年月とともに難しさが増すことのように思います。だからこそ、歌い続けることが益々意味をもつことになるのではないかと感じる第11回「つぶてソングの集い」でした。