「こどもたちのためのコンサート」特別公演
~岩手・宮城・福島のこどもたちとウィーン・フィルメンバーによる夢の共演~

  • 日時
    2016年10月16日(日)14:00~
  • 場所
    サントリ-ホール 大ホール
  • 曲目と出演

    宮古高等学校吹奏楽部 with ウィーン・フィルメンバー
    指揮:山田和樹

    サン=サーンス(仲田 守編曲):オペラ『サムソンとデリラ』から「バッカナ-ル」

    マスカーニ(建部知弘編曲):オペラ『カヴァレリア・ルスティカ-ナ』間奏曲

    ワーグナー(L. カイリエ編曲):エルザの大聖堂への行列

    J. シュトラウスI 世(岩本伸一編曲):ラデツキー行進曲


    郡山市内中高生合同オーケストラ&合唱団 with ウィーン・フィルメンバー
    指揮:山田和樹
    ソプラノ:安井陽子 メゾソプラノ:加納悦子 テノール:小原啓楼 バス:大沼 徹

    ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱付」から第4楽章


    仙台ジュニアオーケストラ with ウィーン・フィルメンバー
    指揮:山田和樹
    フルート:ディーター・フルーリー

    モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314(285d)

    指揮:平川範幸

    シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26


    司会:朝岡 聡

  • 後援
    宮古市・岩手県吹奏楽連盟
    郡山市・郡山市教育委員会
    仙台市・公益財団法人仙台市市民文化事業団
  • 協賛
    サントリーホールディングス株式会社

秋晴れの中、5年間の集大成ともいえる特別公演がついに開幕です。サントリーホール大ホールには、ご応募いただき当選した約1,800名のお客様にお楽しみいただきました。

まずは、ブルーのジャケットが爽やかな宮古高等学校吹奏楽部(37名)の演奏でスタート。1曲目が終わったところで、司会の朝岡聡さんから、基金の設立経緯やこれまでの活動についての紹介があり「このサントリーホールの大勢のお客様の前でこどもたちとウィーン・フィルメンバーとの夢の共演の実現です。会場の皆様、音楽の力を感じてください。」と、そして、宮古高校のいきいきとした演奏が続きました。演奏を終え朝岡さんからのインタビュー。部長の長洞りょうさんは「楽しい!の一言です。隣にウィーン・フィルメンバーの人がいて、美しい音がして…。東京に行ってサントリーホールで演奏するのを部員一同楽しみにしていました。ありがとうございました。」世界的指揮者の山田和樹さんは「ウィーン・フィルメンバーの方々の人間力がすごいです。若者のパワーとパワーの循環によって音楽の力が生まれるのをお楽しみください。」とお話くださいました。

続いては、郡山市内中高生合同オーケストラ&合唱団(188名)による第九です。演奏の前にコンサート・ミストレスの柳澤良音さんは「今までに2回ウィーン・フィルメンバーの方にご指導いただき、楽譜は印刷物で心の表現が大切と学びました。弾くのは自分次第。豊かな音色を出せるように頑張ります。オケだけでなく合唱・ソリストにも注目していただき、合唱とオケの掛け合いを皆さんお楽しみください。」指揮の山田さんは「ウィーン・フィルメンバーと一緒に演奏することで人間力を磨いて欲しいですね。中高生がドイツ語で歌うのはすごいことです。若い人との一期一会を楽しみます。」とお話いただきました。中高生とは思えない演奏で、会場は感動に包まれました。

休憩をはさみ、最後は仙台ジュニアオーケストラ(102名)の登場です。フルート協奏曲のソリスト、ディーター・フルーリーさんは、基金設立メンバーです。「震災から5年を実感します。日本は本当に多くの音楽ファンがいらっしゃる事に驚きました。若い演奏家と一緒に、皆さんのために演奏出来て幸せです。」コンサート・ミストレスの須藤遥さんは「ウィーン・フィルメンバーの方々に何度か指導いただき、音の素晴らしさと皆さんの“繋がり”や“和”を感じました。そこで弾けることが楽しく、本当に貴重な体験の積み重ねでした。これからに繋げていきたいです。」と笑顔で語り、最後の演奏へ。大きな大きな拍手に応え、アンコールに「ふるさと」を客席も一緒に全員で合唱しました。その後も拍手が鳴りやまず、山田さんがコンサート・ミストレスの手を引いて退場し、終演となりました。
皆さん、本当にありがとうございました。
お客様からも「こどもたちの演奏が素晴らしくて、胸が熱くなりました。」「とても良いコンサートで、何度も涙が流れました。」とありがたい感想をいただきました。5年間の公演事業の集大成でしたが、ウィーン・フィルのメンバーともども今後も被災地のこどもたちとの交流を続けたい思いがありますので、またいつかどこかで・・・。