2026.09.07

「何が起こるかわからない」を楽しむ! キャリア採用から歩んだ、サントリーでの19年

「何が起こるかわからない」を楽しむ! キャリア採用から歩んだ、サントリーでの19年

サントリーへの再挑戦。その先で広がった営業の世界

2007年に入社し、現在はサントリー株式会社の北海道企画部でマネージャーとして活躍している因幡さん。前職は製薬会社でのMR(医薬情報担当者・営業職の一種)として2年間勤め、キャリア採用を経てサントリーで仕事の幅を広げてきました。

因幡さん:新卒の就職活動でもサントリーを受けていましたが、残念ながら最終面接で不採用に。最終的には大手製薬会社に就職し、北九州で開業医を担当するMRとして働くなかで、営業という仕事への手応えを感じるようにもなりました。

当時の担当エリアでは、開業医の先生も高齢の方が多く、本当にかわいがっていただいたなと思います。そこでは、コミュニケーションをとりながら信頼を積み重ねることで、成果につながっていく営業という仕事の面白さを実感しました。

一方で、製薬会社は社員の大半が営業職で、MRの仕事を定年までまっとうする人も多いことがわかりました。「いつかは新しい仕事にもチャレンジしたい」という気持ちもあるなかで、サントリーのキャリア採用の募集を知り、改めてサントリーに挑戦したいと思いました。新卒のときに担当だった人事の方が私を覚えてくれていて、「頑張ってね」と伝言をいただいたのがうれしかったのを、よく覚えています。

入社して19年目、サントリー株式会社の北海道企画部の因幡雅彦さん。

再挑戦の思いが叶い、サントリーに入社した因幡さんが最初に配属されたのは、福島支店の酒類営業。縁もゆかりもない土地で、地元のスーパーや酒量販店を担当します。

因幡さん:最初は土地の方言がよくわからなくて、電話を取っても何を言われているのか聞き取れず苦戦しました(笑)。営業先を回っても、「なんでおたくから買わなきゃいけないの?」と言われたこともありました。それでも、地道に店舗を回って商談を重ねていくうちに、少しずつ信頼してもらえるようになり、担当チェーンも増えていきました。

MRの時代は、薬の説明はできても価格交渉はできませんし、お店に売り場があるわけでもありませんでした。一方で、お酒の営業は売り場をつくる担当の方や卸業者の方など関わる人がとても多く、提案の幅も自然と広くなります。得意先の方々と世間話をしながら、普通の“生活者”の感覚で商談を進められるのが、新鮮で面白かったですね。

「もともとは引っ込み思案で、コミュニケーションが得意なタイプではなかった」と因幡さん。

福島での4年間を経て、全国のビール営業を統括・推進する部署へ。当時の支店長は、「相当な覚悟が必要な部署だよ」と内示を告げながら、送り出してくれました。

因幡さん:時代が時代だったので、本当に“死ぬ気で働く”という言葉を体現するかのように、みんな猛烈に業務にあたっている部署でしたね。全国の意思決定に関わる部署なので責任重大ですし、「自分なんかが決めていいのか?」と、正直怖さもありました。

しかし、そこで気づいたのは、営業推進のトップ層の人たちも、決して「正解」がわかっているわけではないということでした。たとえば、看板商品を限定パッケージで値下げして展開する企画でも、社内で「本当にやっていいのか」と相当議論になりました。みんな迷いながら「これが進むべき道だ」と判断していくしかないんだと理解できたのは、大きかったですね。

このとき、もうひとつ思ったのは、私はキャリア採用にもかかわらず、全国規模で会社の方針に関わる仕事を任せてもらえるんだ、ということでした。一度入社したら、新卒入社でもキャリア採用でも関係ない。そこもサントリーらしさだと思います。

信頼から共感へ。マーケティングでぶつかった「最大の壁」

さらに5年後、ブランド戦略部へ異動となった因幡さん。ここで、社会人人生における「最大の壁」にぶつかることになります。

因幡さん:マーケティングを担当する部署なのですが、それまでも営業推進担当としてマーケティングの担当者とタッグを組んでやってきたので、ある程度は仕事の内容もわかっているつもりでした。でも、実際は、「こんなに自分って仕事ができないんだ」と大きな挫折を感じた時期でしたね。

会議でも自分の出せるアウトプットが低すぎて、「もっと深く考え直せ」と言われてばかりでした。ブランドマネージャーの仕事は、消費者のインサイトを深く捉えることが求められます。当時の上司からも、「お客さんの気持ちを考えることが楽しいと思えなければ、ブランドの仕事はできないよ」と言われました。

当時の私は、「人が商品を選ぶときに深い意味なんてない。CMで見たとか、お店で目についたとか、その程度だ」と思っていたんですね。だから、「自分にはこの仕事が向いてないのでは」と弱音を吐いてしまうことも多くありました。

ブランド戦略部では「オールフリー」や「金麦」を担当。

そんなとき、停滞から抜け出すきっかけをくれたのは、後輩のブランドマネージャーでした。

因幡さん:その後輩は口癖のように「お客さんはこれを見て、どう思うかな」と言うんです。そのたびに一緒に考えることを繰り返していたら、“お客さんの気持ちを考える”ということが、本当の意味で理解できるようになっていった気がします。

営業は「信頼」を積み上げることが何よりも重要です。しかし、マーケティングは、信頼ではなく「共感」こそが求められます。「わかった、お前にすべて任せる!」ではなくて、「面白いね、その感覚わかるかも!」と思ってもらうことが大事なんだと気づけたことは、自分にとって大きな転機になりました。

大きな成長は、挫折とそれに立ち向かうチャレンジにこそついてきます。自分の成長曲線を振り返ると、アップダウンを繰り返しながらも、全体としてはしっかりと上を向いてきたと思います。それは、そのときそのときの挫折と気づきを、ちゃんと次の仕事に活かせているからかもしれませんね。

キャリアは「予定調和」じゃないからこそ、おもしろい

因幡さんの次の舞台となったのは北海道企画部。2023年からは、久しぶりの営業拠点で酒類企画マネージャーとして、北海道でのサントリーファンづくりに取り組んでいます。

因幡さん:ここでは営業活動の推進が主な業務ですが、営業もマーケティングも経験したからこその視点で、新しい取り組みにチャレンジすることが、私の役割だと思っています。マーケティングは「生活者全体」を、営業担当者は「流通の取引先」を見ていますが、そこで取りこぼしていた「エリアの生活者」に目を向ける点で、自分の経験を活かせると感じました。

北海道のお客様への個別インタビュー調査を実施すると、「サントリーは水にこだわっていていいよね」など、味やブランドに惹かれて好きになってくれている人がちゃんといることに気づきました。それをどう生かして、北海道の生活者の皆さんにアプローチしていけるのか。金麦と『水曜どうでしょう』の30周年特別コラボ企画や、北海道日本ハムファイターズと角瓶のコラボ企画など、さまざま模索しながら、ひとつずつかたちにしてきました。

北海道におけるサントリーファンづくりの施策も、因幡さんの重要な業務のひとつ。

仕事だけでなく、働き方の面でも新しい一歩を踏み出しました。マネージャーとして1カ月の男性育休を取得し、4歳になる双子と、生まれたばかりの第三子の子育てにも積極的にかかわっています。

因幡さん:男性の育休取得は進んでいるものの、男性マネージャーで1カ月以上育休を取った人があまりいないと聞いて、それなら余計に自分が育休を取って先行事例になろうと思いました。育休中は双子と毎日遊び、じっくり子どもたちに向き合えて、自分にとってもすごくいい時間になったと思います。ぜひ、あとに続く人がどんどん出てきてほしいですね。

休日は家族と北海道を満喫。「キャリアよりも家族の幸せが第一という価値観は大事にしています」。

因幡さん:「新しい仕事をしてみたい」とサントリーに入社して、実際にいろいろな部署で仕事をしてきました。振り返ってみると、その経験ひとつひとつが自分の糧になっています。キャリアというのは、思い通りに設計できるものではありませんし、むしろ「何が起こるかわからない」ことを前向きに面白がれるかどうかが、やりがいにつながっていきます。

せっかくサントリーに入ったならいろいろな部署を経験したほうがいいと思いますし、壁にぶつかって粉々になるのもまた、大事な経験です。転職も異動も、それを選択した時点ですでに新しいチャレンジ。そういうチャレンジマインドが自分にはあるんだと、自信を持って次の一歩に挑みたいですね。

※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部

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因幡 雅彦

因幡 雅彦Inaba Masahiko

サントリー株式会社
北海道企画部 酒類企画マネージャー

2005年、大手製薬会社に新卒入社し、MRとして営業を経験。2007年、キャリア採用でサントリー株式会社に入社。福島支店で酒類営業を担当した後、2011年にビール営業部にて「オールフリー」「ザ・プレミアム・モルツ」の家庭用営業推進に携わる。2016年からはブランド戦略部で「オールフリー」「金麦」のブランドマーケティングを担当。2023年4月より北海道企画部にて酒類企画マネージャーを務める。

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