2026.08.24
"未来"を見据える研究から、"現在"に届く商品開発へ。サントリーの「10年3仕事」で開いた新たな扉

サントリーやジョイントベンチャー企業で研究部門を経験した後に、念願のスピリッツ・ワイン商品開発研究部に配属され缶チューハイブランド「-196」の担当となった勝部諒さん。「人の心を動かす商品をつくる」べく、日々取り組んでいます。研究や商品開発など、「10年3仕事」を経験して得たことについて勝部さんに話を伺いました。
「お客様の生活に届く」までを見据えたサントリーの研究部門
学生時代の経験から嗜好品の持つ力に気づき、サントリーへの入社を決めました。
勝部さん:中学・高校で陸上部に所属していた際に、身体のメンテナンスに興味を持ち、研究職の道を志しました。就職先は製薬会社も含めて幅広く考えていましたが、学生時代にワインショップやワインバーでアルバイトをする中で、お酒を通じて人との繋がりや感動を共有する楽しさを知りました。嗜好品には「人の心を動かす強い力がある」と気づいたんです。
自分もいつか「人の心を動かし、その人の人生に良い影響を与えるような商品・サービスを実現したい!」と思い、多種多様な商品をラインナップしているサントリーへの入社を志望しました。
現在は、缶チューハイブランド「-196」の商品開発を担当している勝部さん。
サントリーグローバルイノベーションセンターで研究者としての業務がスタートしました。
勝部さん:お客様の健康領域の研究に携わる研究部に配属されました。研究職はすぐに成果が出るものではなく、試行錯誤を繰り返しながら長い時間をかけて取り組む仕事です。
サントリーの研究員は「商品としてお客様の生活に届く」ところまでを見据えています。
実際にお客様に届くまでにはすごく時間がかかりますが、地道な積み重ねが将来的な価値や新たな商品に繋がっていく。そんな可能性を感じながら研究に取り組んでいました。
研究者としてここまで一気通貫で関われる環境は珍しいと話す勝部さん。
勝部さん:研究部門はイノベーションが常に求められ、そこには多様なリスクも伴いますが、サントリーは品質・安全への基準が非常に厳しく、妥協を許しません。実際に働いてみて、その徹底ぶりがサントリーブランドの安心に繋がっていると実感しました。胸を張って家族に勧められるブランドに携われているのは、やはり大きなやりがいですね。
多様な知識と経験が育む、サントリーの「T型人材」
「T型人材になりなさい」という上司からの一言が勝部さんの心に刻まれているそう。
勝部さん:「T」のヨコ線が知識の幅広さ、タテ線が知識の深さを表しています。知識の幅があることで、さまざまな部署・関連会社の方々とスムーズにコミュニケーションが取れ、知識の深さがあることで頼り頼られながらwin-winの関係を構築できる。多様な業務経験を得られる10年3仕事もここにつながっていると思います。
「T」のヨコ線、知識の幅広さのためにワインソムリエやウイスキーエキスパート、ビール検定のほか、機器分析やAIに関する資格なども自発的に取得。
専門性を深めるために、業務と並行しながら大学院博士課程へ進学しました。
勝部さん:研究職は長い時間をかけて成果を追求する一方で、テーマによっては途中で方向転換したり、終了したりすることがあります。これは仕方のないことですが、正直モチベーションが下がることもあります。
私の場合は、しんどい時こそあえて高い目標を掲げて、自ら行動を起こして乗り越えてきました。「研究所の中で誰よりも実験をします」、「自身の専門性を深めるため、業務と並行して大学院博士課程へ進学します」など、上司や周囲に宣言して退路を断っていましたね(笑)。
日常の業務と大学院の両立はもちろん大変でしたが、周囲のサポートや会社の理解もあって、無事に博士後期課程を修了することができました。得られた知見は睡眠改善の研究に役立つなど実際の業務でも成果につながり、挑んで良かったと思っています。
新しいことへ躊躇せず率先して飛び込み、その領域の面白さを体感するようにしていると話します。
その後、ジョイントベンチャー企業に出向。様々な価値観のなかでこそ得られた経験があるといいます。
勝部さん:立ち上げ時の先輩から引き継ぐ形で、私は二期生として研究開発をより進化させていく役割を担っていました。引き続き研究開発を手がけることになり、業務においてはそれまでの経験を活かせたのですが、一方で環境は大きく変わりました。
サントリーでは一緒に働く誰もが、会社の理念に基づいて同じ方向に向かって仕事をしますが、出向先ではさまざまな価値観が入り交じっていて、サントリーとは仕事に対する考え方が大きく異なっていたんです。
仕事の進め方も価値観も異なり、当初は戸惑いもあったそう。
勝部さん:異なる風土・価値観の中で共通の目標を持って仕事をするということの難しさを知りました。だからこそ試行錯誤し、学びにつながったと思っています。
特に、相手のことを考える「他者理解」と、自分の意見はしっかりと持ちながらも、状況に応じて着地点を調整していく「柔軟性」。これらは今後もずっと大事なスキルになると思います。
どちらが「正しい」というわけではなく、それぞれの会社が全く違うやり方だからこそ意味があると話す勝部さん。
“未来”を見据える研究から、“現在”のお客様に届く商品開発へ
2026年4月、入社9年目でスピリッツ・ワイン商品開発研究部に異動。
新たな環境への挑戦が始まりました。
勝部さん:商品の中味開発はずっと携わってみたいと考えていたので、とても嬉しかったですね。自分がかつて体験したお酒を口にした時の歓びや感動を、多くの方に届けたいと思いました。
現在は、サントリーの缶チューハイブランド「‐196」を担当し、香味設計や工程設計、製品・原料保証など幅広い業務に携わっています。味づくりや官能評価(五感による品質評価)をするほか、マーケティング部門など社内他部署との連携や工場とのやりとりなどにも関わります。
研究部門とはまるで環境が異なり「新人のような気持ちです(笑)」と研究所内を案内する勝部さん。
勝部さん:これまでとはシステムも業務も全く異なり、周囲へ積極的に質問して、いろいろ教えてもらっているところです。すべてが新たなチャレンジという想いですね。
これまでの経験を活かしつつも、研究とはまた違う難しさ、経験やノウハウの大切さを感じているといいます。
勝部さん:研究はエビデンスを積み重ねながら、5年後、10年後の価値創出を見据えて取り組むことが中心でした。商品開発では今のお客様や市場にどう受け止められるかを考えながら、商品を形にしていく必要があります。学術論文などで公知にならないような経験や知恵、社内に蓄積されたノウハウが重要になるため、その難しさと面白さを日々実感しているところです。
ただ、品質や安全性を担保するためには、研究部門で培ったデータの見方や論理的な考え方も欠かせません。健康領域の研究で培った経験は、今の商品開発にも生きていると感じています。
「-196」のコンセプトの実現に向けて取り組む日々に充実感を感じているそう。
勝部さん:自分が手がけた商品をお客様に「おいしい」といって飲んでいただくことがあり、そんな時は自分も感動するほど嬉しくなります。お客様の声をダイレクトに感じられる商品開発の仕事には、これまでとはまた違ったやりがいがあります。研究者としてのやりがいと商品開発者としてのやりがい。両方を経験させてもらえるなんて、挑戦環境が根付いているサントリーならではだと思いますね。
10年3仕事を通して得た、新たな扉が開くような経験
さまざまな現場を経験したことによって今後のキャリアの幅や可能性が広がったそう。
勝部さん: 多様な部署・部門の仕事内容や人について理解できるようになり、相手の立場や考え方を意識しながら仕事を進められるようになりました。異動や出向を通じて得られた経験は、視野を広げると同時に、キャリアの幅や可能性を広げてくれたと思っています。
これからまたどのような新しい挑戦ができるのか、楽しみな自分がいます。
一緒に試行錯誤しながら開発に取り組む商品開発研究部の皆さんと。
挑戦する風土と様々な業務経験を持つ社員が多いサントリーならではの魅力があると話します。
勝部さん:サントリーには会社として挑戦することを奨励し、きちんと評価するカルチャーが確立されています。私も入社してから「10年3仕事」で3つの部門で異なる仕事をしてきましたが、その都度思いもよらない経験ができ、新たな扉が開かれていくのを実感しました。
「絶対にこれしかやらない」と決めつけるのではなく、積極的に挑戦し、柔軟に経験を積んでいくことで、また知らなかった出逢いに繋がり、キャリアの可能性がさらに広がっていくと思います。
※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部
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勝部 諒Makoto Katsube
サントリー株式会社
スピリッツ・ワイン商品開発研究部
2018年4月にサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社研究部に配属。サントリーでの勤務と並行して大学院で学び、2022年9月に博士後期課程(薬学)を修了。2023年4月 サンセラバイオ株式会社の研究開発部門に出向し、新しい健康素材の探索・健康価値の創出を担当する。2026年4月にサントリー株式会社 スピリッツ・ワイン商品開発研究部に配属され、現在は缶チューハイブランド「-196」を担当している。