2025.10.14

研究職でもお客様とともに。サントリー研究者が挑む"現場発"の健康科学

研究職でもお客様とともに。サントリー研究者が挑む

さまざまなフィールドで活躍するサントリーの社員=サントリアンにスポットを当て、「挑戦」をテーマにインタビューしていく特集企画。第15回目は、「ロコモア」や「グルコサミンアクティブ」といった商品の基盤研究を担当しているサントリーウエルネス株式会社 生命科学研究所の永井研迅さんにお話を伺いました。

研究者とお客様がつながる。サントリー研究職の挑戦

京都府精華町のけいはんな学研都市にあるサントリーウエルネス株式会社 生命科学研究所。生命科学研究所では、「『生きる』を、科学する。」をスローガンに掲げ、永井さんのテーマは「食品成分の健康効果」に関する研究です。

2019年入社の永井さん。大学・大学院で食品成分の健康効果に関する研究に取り組み、食に関わる仕事に就きたいとサントリーを志望。

永井さん:私は主に運動器の健康を対象に、筋肉や関節に作用する成分の有効性を研究しています。その成果は「ロコモア」や「グルコサミンアクティブ」といった商品の開発に反映されます。

2025年3月には会社として日本農芸化学会の「農芸化学技術賞」を受賞しました。これは研究所で先輩方から受け継ぎ、長年積み重ねてきた「ロコモア」に関する研究が評価されたものです。

研究者といっても研究だけをしていればいいというわけではありません。開発やマーケティングなどの事業部門との商品に関するミーティングにも週2〜3回ペースで参加し、事業一貫で商品化の打ち合わせなどをしています。

ミーティングでは、研究に携わることだけではなく、コストや設計、ときにはパッケージデザインについて議論することもあります。

2013年の発売以来、サントリーウエルネスの主力商品である「ロコモア」。発売から10年が経っても日々研究を重ね、進化を続けている。

永井さんの活躍は研究領域に留まりません。サントリーウエルネスの健康行動アプリ「Comado」では、ユーザーを対象としたオンラインセミナーを通じて、研究者として情報を発信したり、専門的な情報をわかりやすく記事で紹介しています。

永井さん:例えば、オンラインセミナーでは、お客様に向けて専門的な言葉を噛み砕いて、研究者自ら商品に含まれる成分に関する有効性や健康に寄与する生活習慣について説明する機会を設けました。

実際に画面越しに、効率的な体の動かし方や歩き方のコツなどをデモンストレーションしながら、研究開発の裏側を紹介することで、みなさんの興味も一段と高くなるのを実感できた経験でした。

とくにうれしかったのは、お客様から「だからサントリーのサプリは信用できる」という反応をいただけたことです。

ユーザー向けに開催したオンラインセミナーの様子。一方的なセミナーではなく、質問を受け付けたり投げかけたり、和やかな雰囲気のセミナーとなった。

永井さん:一方、「Comado」内での研究開発に関するコンテンツの発信は、ぼくたち研究者からの申し出によって実現しました。根底にあったのは、お客様ともっとつながり、双方向でやりとりをしたいという思いでした。

研究者たちがどんな思いで商品づくりに携わっているのかということを知ってもらうだけでなく、実際にお客様と接して、その声を研究開発に役立て、商品づくりに活かせればと思っています。

サントリーの研究職の特徴は「研究者が研究所を出て、現場に出ることで多くの経験を積めること」だと、永井さん。

永井さんは、ロコモア愛飲者などを中心に行っている「ノルディックウォーキングイベント」などにも積極的に参加。お客様と直接交流することを大切にしてきました。

永井さん:ノルディックウォーキングでは、「普段どう歩いたらいいかわからない」「どんな運動をしていいかわからない」というリアルな声を聞けたのがとてもよかったです。参加者はシニアのお客様が多いのですが、ひとくちにシニアといってもその悩みは本当に多様だということが実感できました。

お客様と近い距離で接点を持つことで、自分の研究がお客様の笑顔に貢献していることを改めて実感し、より「お客様のためにどうしたらいいのか」を考えるようになっていきました。



永井さんが出演したサントリーウエルネスのCM。ノルディックウォーキングのイベントの様子が紹介されました。

「やってみなはれ」が浸透した、研究者としてのキャリアを伸ばせる環境

大学は農学部で学び、企業の研究職を志望していたという永井さん。サントリーを選んだ理由はどこにあったのでしょうか。

永井さん:大学院では牛乳由来の成分が脳機能に与える影響を研究していましたが、祖父母がだんだんと老いていく姿を見て、「食と研究で人を元気にする」ことに役立ちたいと考えるようになりました。それがサントリーでの研究職を志望した理由です。

面接では、サントリーの 「やってみなはれ」精神や社員の前向きな姿勢に共感して、ここで働きたいと強く思いました。実際、挑戦したいと思ったことを応援してくれる環境が整っているのがサントリーです。

仕事からプライベートまで、小さなことでもなんでも相談できる同僚や先輩の存在は、働くうえでのモチベーションにもなっていると、永井さん。

入社して改めて実感したのは、「やってみなはれ」精神が研究分野でもしっかりと浸透しているということ。そして、社内の風通しのよさも研究活動をしやすくしてくれていると永井さんは語ります。

永井さん:研究というのは基本的に失敗するもの。だからこそ、そのぶん挑戦を繰り返さなければ成功につながりません。その点、サントリーには失敗を恐れずにいろいろな研究に挑める雰囲気があります。まさに「やってみなはれ」精神ですね。

研究に限らず、やりたいと言えばいろいろなことをチャレンジさせてくれるのも同様です。「Comado」での研究者自らの発信は、まさに「やってみなはれ」で実現したことです。研究所にこもるだけでなく、現場にどんどん足を運び、お客様とつながることを後押ししてくれるカルチャーがありますね。

研究所外のメンバーと飲み会が開催されることもしばしば。メンバーの結束もかたい。

永井さん:そして、上司とも同じ目線で自由に意見を交換できるのも、働きやすい環境要因のひとつですね。入社2年目のときには、大学とサントリーの共同研究のメンバーに抜擢され、「大学で技術を学んできなさい」と上司から後押しされましたが、「自分のような若手でもいいのだろうか」と驚いたものです。

若いうちから大学や研究機関などアカデミアとつながり、経験を積む機会をいただけたことで、会社が研究者としての私のキャリアを真剣に考え、成長を後押ししてくれている姿勢を強く感じました。

共同研究への派遣終了後は、共同研究の延長で「より深く学びを追求したい」と、会社員をしながら大学院に進学し、2025年9月に博士課程を修了しました。3年間の大学院生との二足のわらじは時間的に大変でしたが、自分にとって大きな糧になったと思います。

2025年9月、大学院の卒業式を迎え、無事3年間の博士課程を修了。

わかりやすく伝えることを楽しめる研究者でありたい

今は1歳になる息子さんと過ごす時間がとても楽しいという永井さん。プライベートもアクティブに活動しています。そんな永井さんがこれから目指す研究者像は、「研究成果を生活者につなげる研究者」です。

永井さん:小中高と野球をしていたこともあり、体を動かすのはもともと大好きです。今はリフレッシュも兼ねてジムで筋トレをすることも多いですね。運動をしながら、自分の研究テーマである筋肉との関係を研究者視点で体験したりしています(笑)。

そして、研究者としては研究成果をまとめるだけでなく、商品としてお客様に届けるところまでを考えられる研究者でありたいですね。お客様に寄り添うことで、新しい商品やサービスを開発する研究につなげていけたらうれしいです。

職業柄、息子さんに食べさせるものは成分表記を確認してしまうという永井さん。息子世代の未来に活きる研究を世に残したいと語ります。

永井さん:「お客様と直接つながって、お客様を主語に研究を楽しめる人」であることは、サントリーの研究者の条件のひとつになると考えています。

私は入社以来ずっと筋肉の研究をやってきましたが、納得できる成果が出せた先には、また違う領域にもチャレンジしたい。そんなふうに常に挑戦し続けることを楽しんでいきたいです。

※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。

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永井研迅

永井研迅Akitoshi Nagai

サントリーウエルネス株式会社
生命科学研究所/研究・サービス開発推進2グループ

2019年4月サントリーホールディングス株式会社に入社し、サントリーウエルネス株式会社健康科学研究所(現:生命科学研究所)に配属。運動器の基盤研究(「ロコモア」や「グルコサミンアクティブ」などの基盤研究)を担当。サントリーでの勤務と並行して、2022年大学院に入学し、2025年9月に博士課程修了。2025年、チームで取り組んだ「ロコモア」の研究開発が日本農芸化学会「農芸化学技術賞」受賞。プライベートでは一児の父。

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