2026.07.06

サントリアンの"可能性"を引き出す人財育成。サントリー大学に学ぶ、「人本主義」と「成長機会」

サントリアンの

サントリー大学は、世界中のサントリアンが学び続けるための基盤として2015年に誕生した人財育成プログラム。しかし、その役割は単なる研修運営にはとどまりません。サントリーホールディングス 人財戦略本部 サントリー大学 課長の吉井晶子さんに、その取り組み事例と人財育成の最前線に立つことへの想いを伺いました。

「人こそが経営の基盤」サントリー大学が担う役割

サントリーが創業以来大切にしてきた「人本主義」の理念。商品やブランド、設備や技術ではなく、「人こそが経営の最も重要な基盤」という考え方のもと、人財育成の中核を担う存在が「サントリー大学」です。

吉井さん:大学といっても、実際に門や校舎があるわけではありません。「サントリー大学」はサントリーの人財育成プログラムの総称であり、その取り組みを担う部署でもあります。しかし、ただ単純に“研修を実施する部署”というわけではないんです。

サントリーグループは現在、4万人を超える従業員を抱え、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍しています。一方で、組織や人財の多様化が進むなかで生まれた課題もありました。たとえば、国や地域、会社が違えば、学び方や育成の考え方も異なります。そうしたなかでも、サントリーの理念や価値観を共有していくための共通基盤が必要となり、その答えとして2015年に誕生したのがサントリー大学です。

サントリー歴22年のキャリアで、現在は国内人財育成担当チームのマネジメントを担う吉井晶子さん。

サントリー大学のミッションは、「個の成長」「カルチャー醸成」「ビジネス牽引」の3つ。サントリアン一人ひとりの可能性を引き出し、サントリーらしい文化と企業理念を育み、そして事業を成功に導くリーダーを育成することを目的としています。

吉井さん:サントリー大学の取り組みは、一般的な企業研修の枠にとどまりません。たとえば、世界中のサントリアンが利用しているオンライン学習プラットフォーム「MySU」。時間や場所を問わずアクセスできる学習基盤として運営しています。

ビジネスやマネジメントに直結するスキルや語学学習はもちろん、歴史や地政学、経済学といったリベラルアーツの講義も用意されています。サステナビリティやウェルビーイング、ものづくりの考え方なども含め、本当に幅広いテーマを学ぶことができます。

10カ国語を超える多言語対応の「MySU」。多彩なコンテンツを通じて、自律的な学びを支えている。

吉井さん:さらに、新入社員から管理職、経営層まで、それぞれのキャリアステージに応じた育成プログラムも整備されています。グローバル共通のリーダーシップ研修「COMPASS」、海外で活躍するためのスキルを身に着ける「グローバルチャレンジ」、将来の経営人財を育成する「未来経営塾」など、多彩なプログラムで社員の成長を支援しています。

ほかにも、クリティカルシンキングやアカウンティングなど、さまざまな応募型研修も取り揃えてあります。業務に還元できるスキル取得を目指すものなどは、就業時間中に受けてもらうことも可能です。最近は生成AI入門などのコースも人気ですね。

サントリー大学では、国内外を含めてさまざまなプログラム・コンテンツを提供

サントリー大学のなかでも、象徴的な学びの場の一つが「寺子屋」です。社員自らが企画し、講師として登壇したり、外部講師を招いたりしながら学び合うこの取り組みには、役職や部署を超えて多くの社員が参加しています。

吉井さん:「寺子屋」ではビジネススキルだけでなく、歴史や哲学、読書会、趣味など、本当にさまざまなテーマが扱われています。人の成長は誰かに言われて起こるものではなく、本人が「やってみたい」「もっと知りたい」と思ったときに大きく伸びるものだと考えています。学びを会社が一方的に提供するのではなく、社員自身が主体となって広げていく。能動的に学び続けられる環境や文化の醸成もまた、サントリー大学の重要な役割です。

人の成長が、自分の喜びになる

現在はサントリー大学で人財育成に携わる吉井さんですが、これまでのキャリアは決して人事一筋ではありません。20年以上にわたるキャリアのなかでは、マーケティング、宣伝、経営企画など、さまざまな部署を経験してきました。

吉井さん:実は私のキャリアのスタートも、人財育成に関わる部門でした。当時はキャリア開発部という名前で、社員向け研修や育成施策の企画・運営を担当しました。今ある応募型研修や通信教育のサポートは当時からあり、サントリーは20年以上前から人財育成に積極的に取り組んでいた印象があります。

ただ、配属から4年ほど経つなかで、「このまま人財育成だけをやっていて本当にいいのだろうか」という思いが芽生えたのも事実です。人財育成を考えるためには、自らも事業や現場を知らなければいけないと感じていたこともあり、その後はさまざまな部署を経験させてもらいました。

「サントリー大学設立前から、サントリーはキャリア開発には積極的でした」と語る吉井さん。

マーケティングや宣伝部門では生活者の視点に立ってブランドの価値を考え、経営企画では事業全体を俯瞰した損益管理を経験。輸出ロジスティクス戦略にも携わり、国や文化を越えて商品を輸出する難しさや面白さも実感したといいます。

吉井さん:商品開発では、今も残る商品に開発段階から携われたのが本当に楽しく、サントリーで働く醍醐味だなとも感じました。「10年3仕事」や「ビヨンド異動」といった言葉が生まれる前から、本当にさまざまな領域の仕事をさせていただきましたね。

一方で、どの部署でも感じたのは、「最後は人なんだ」ということでした。どれだけ優れた戦略や仕組みがあっても、それを実行するのは人です。逆に、人が成長すれば事業も大きく成長する。その実感は、キャリアを重ねるごとに強くなった気がします。

現在のサントリー大学チームメンバーと、懇親会にて。

産休・育休やさまざまな部署への異動を経て、2022年からサントリー大学で再び人財育成に携わることになった吉井さん。14年を経て戻ったキャリア開発の現場では、若手時代には見えなかった景色もありました。

吉井さん:以前、人財育成を担当していた頃は、どうしても目の前の研修を成功させることに意識が向きがちでした。さまざまな経験を経た今では、「この学びが将来どんな成長につながるのか」「会社としてどんな人財を育てていきたいのか」という視点で考えられるようになったと思います。

逆に、入社当時に設計した新人研修の運営方法が今でも残っていたり、コーチャー制度が仕組みとして受け継がれていたりするのを見ると、「当時苦労してつくりあげたものがサントリーの風土としてしっかり根付いているんだな」と感慨深いですね。

社内の各部署と連携して、会社の先輩たちが心を込めて新人を育てられる研修制度は今も健在。

人財育成の仕事には、商品の売上のような分かりやすい成果指標があるわけではありません。だからこそ難しさもある一方で、人の成長を間近で見ることができるのは、この仕事ならではの魅力です。

吉井さん:この仕事は新入社員の方から経営層候補の研修まで、グループ会社も含めて本当にさまざまな人と出会えます。新入社員研修で携わった人たちが、いつのまにか課長や部長になって活躍している姿を見たり、数年後に「あの経験が今につながっています」と言ってもらえたりすると、この仕事の意義を実感しますね。

人が成長することで組織が変わり、事業が変わっていく。だからこそ、制度設計や仕組み・仕掛けの部分で「組織づくり」をより強固なものにしていきたいというのが、私のこの先の目標です。そのプロセスに関われることが、人財育成のいちばんのやりがいだと感じています。

キャリアは、自ら学び、自らつくる

サントリー大学では、社員一人ひとりが主体的に学び、成長していくことを大切にしています。その根底にあるのが、「キャリアオーナーシップ」という考え方です。

吉井さん:自らの意思で学び、自らキャリアを切り拓いていく。その姿勢は、変化の激しい時代においてますます重要になってきています。終身雇用や年功序列が当たり前だった頃とは違い、今は一人ひとりが自分自身のキャリアについて考えることが求められる時代です。

その考えの背景には、吉井さん自身が学び続けてきた経験と実感があります。過去にも業務と並行して社会人大学院に通い、近年は心理学を学びながら人の成長や行動変容について理解を深めています。

大学院では、発達障害児を育てながら働く母親のワークファミリーバランスへの関わり方について研究。

吉井さん:私自身、30代の頃に育休から復帰したタイミングでMBAを取得しました。当時は自分の未熟さへの不安もあり、子育てと両立しながら成果を挙げるためには「このままじゃヤバい!」という焦りがあったと思います。切迫感から生まれた、「キャリアアップのための学び」という意識が強かったですね。

一方で、40代になってからは、心理学の研究をするために再び社会人大学院に通いました。ここでは純粋に「自分が知りたいことを突き詰めるための学び」という感覚でした。人の気持ちや人間そのものを理解したいという思いから、新しい視点が得られたり、自分自身の考え方が変わったりする。それがすごく面白いんです。

こうして振り返ると、キャリアの段階やライフステージによって、学びの目的やモードも大きく変わっていったなと感じています。だからこそ、社員の皆さんにも、それぞれ一様でない「学び」のあり方と楽しさを見つけてほしいと思っています。

大学院卒業時には、チームメンバーからサプライズでケーキのお祝いも。

世界中のサントリアンが学び続けるための基盤として生まれたサントリー大学。新たに“入学”する将来のサントリアンに対して、吉井さんはこう語りかけます。

吉井さん:私がサントリーに入社した当時に比べると、グループの規模もずいぶん大きくなりました。今は「安定を求めて大企業に入りたい!」と考えて、サントリーを志望する人もいらっしゃるのかもしれません。

もちろん、その考えも決して間違いではありませんが、サントリーは面白い仕事をしようと努力する人に、本当に大きな挑戦の機会を与えてくれる会社です。規模は大きくなりましたが、まだまだやれること、変えていける伸びしろもたくさんあります。

いい意味で「完成していない会社」だからこそ、キャリアオーナーシップを発揮して自ら会社を変えていける余地がたくさんある。そこに面白さや魅力を感じる仲間が増えてくれるとうれしいですね。そのための成長機会や学びの基盤、そして学びを活かせるフィールドをしっかりと整えて、皆さんの“入学”を心待ちにしています。

※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部

【サントリーの成長機会に関する記事はコチラ!】

吉井 晶子

吉井 晶子Akiko Yoshii

サントリーホールディングス株式会社
人財戦略本部 サントリー大学 課長

2004年入社後、サントリー株式会社 キャリア開発部に配属。2008年よりサントリー酒類株式会社 輸入酒部でマーケティング、商品開発に従事し、2011年からは酒類宣伝部でブランド宣伝や広告費管理を担当。2014年、サントリービール株式会社 経営企画部での損益管理を経て、2018年よりサントリースピリッツ株式会社 海外戦略部で輸出部門に携わる。2022年より現職にて、人財育成担当チームのマネジメントを担う。

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