2025.08.18
営業一筋17年。サントリーの女性管理職が実践するワークライフバランスの秘訣

2025年4月から関東甲信越支社の支店長を務めている、サントリー株式会社の若村由樹さん。酒類部門の家庭用営業(※)の領域で新潟出張をこなしつつ、5名のメンバーを束ねています。マネジャーとしてのやりがいを感じながら、仕事と子育てを笑顔で両立している若村さんの働くリアルな姿をお届けします。
※家庭用営業:スーパーマーケットやコンビニ、酒量販店といった小売店への営業
営業が天職。マネジャーとして新たなステージへ
入社以来、営業一筋。営業の最前線で走り続けてきた、と語る若村さん。
新人時代、営業職の女性比率は5人に1人程度でしたが、今ではサントリーの営業職は、男女比がほぼ半々に。女性社員の活躍が進むなか、若村さんもマネジャーとして新たなステージに挑戦しています。
若村さん:「現場で勝負をしたい」と入社時から営業を希望していました。営業の醍醐味は、得意先にサントリーの商品がずらりと並ぶ瞬間を、自分の目で見ることができる点です。とくに他社からサントリーに乗り換えていただいたときの達成感はひとしお。
その景色をもう一度見たいと思うから、さまざまな苦労も乗り越えられます。そんな体験ができる営業の仕事がとにかく楽しくて、ずっとやりがいを感じてきました。
入社以来、スーパーマーケットやコンビニ、酒量販店といった小売店への営業を行う「家庭用営業」を担当。
とはいえ、キャリアを重ねるなかで、「営業以外にも挑戦したほうがいいのだろうか」と迷う瞬間もあったと言います。
若村さん:営業が天職だと思っていたので「ずっと続けたい」というのが本心。それでも、自分の成長を考えると新しい領域のキャリアも必要ではないか、という気持ちもありました。その迷いを吹っ切ってくれたのが、「若村は、このまま営業を極めればいい」というキャリア面談時の上司の言葉でした。
東京と新潟の2拠点で活躍するメンバーの成功体験が最優先
順調に営業としてのキャリアを重ね、この春からは関東甲信越支社の支店長に着任。新潟・群馬・栃木・千葉と幅広いエリアを担当しているそうです。
若村さん:新潟に3名、東京に2名の計5名のメンバーと仕事をしています。週1〜2回、日帰り中心で新潟にも出張しています。
今まではセールスの最前線で、自分が思った通りに行動して成果につなげてきました。対して、マネジメントをする立場では、メンバーが成果を出せるようにサポートするのが役割です。各人が目の前の課題を自分ごと化し、成功体験を積み重ねられるようなマネジメントを目指しています。
現在のチームメンバーと打ち上げ。この日はメンバーの誕生日会を開催。
「マネジメント」とひと口に言っても、メンバーそれぞれの性格や特性を見極めた、きめ細やかな対応も求められることが多いと言います。
若村さん:マネジメントは子育てに共通する部分も多いと感じています。もちろん、ほめることも大切ですが、ときには言いづらいこともしっかり指摘しなくてはなりません。そういう意味では、子育て経験が役に立つことが多いですね。今は部下たちの成長が、自分のこと以上にうれしいです。
そして、マネジャーとして、「トップ営業」も欠かせない活動のひとつです。
お得意先様の部長や社長などの意思決定層に私が直接アプローチして、現場との橋渡しをしたり、お得意先様との関係構築を進めていきます。そのため支店全体の営業戦略を俯瞰して考え、判断・行動することが求められますね。
効率化で仕事と子育てを両立。この2つがあるからこそ自分らしくいられる
オンラインを活用しながら、新潟のメンバーや得意先とは対面でのコミュニケーションも大切にしている若村さん。限られた時間を有効に使うことの重要性も実感しているそうです。
若村さん:「支店長で、出張も多くて大変だね」とよく言われるのですが、実は今のほうが時間のコントロールはしやすくなりました。現場にいるとどうしても得意先の事情に合わせざるを得ない場面もあり、予定通りにならないことも多かったからです。
もともと育休から復帰したときに、子育てと仕事を両立するために、徹底的に時間の使い方を見直して効率化しました。そのときのノウハウが今も役立っています。
時間の使い方だけでなく、メンバーのマネジメントにも子育ての経験が活きていると、若村さん。
仕事と子育ての両立は、大変なこともたくさんありますが、「この2つのどちらもあることで、私らしくいられる」と若村さんは語ります。
若村さん:私はこれまで一度もサントリーを辞めようと考えたことがありません。それくらい会社や仕事が好きだし、サントリーで働いていることが自分にとってはごく当たり前のことなんです。子育てで時間のやりくりが大変でも、仕事を辞めることより、どうしたら解決できるのかということしか考えませんでした。
小さかったお子さんも中学生に成長。若村さん自身の子育ての比重も落ち着いてきたことで、「マネジャー」という次のステップに自然とつながっていったようです。
若村さん:これまで、「昇進したい」「管理職になりたい」という感覚はほとんどありませんでした。
ただ、私のやってきたことを評価して、期待してくれるのであれば、それに応えたいという想いは強くあります。プレッシャーや不安はありましたが、それよりもチャンスを活かし、会社の期待に応えて、自分も成長したいという気持ちのほうが強かったですね。
「私が産育休を取得したときに比べ、現在は男女問わずより育休を取りやすい環境になった。サントリーでは子育て世代が働く環境が整っていると感じる」、と若村さん。
ひと足早く女性支店長として活躍していた同期の存在も、若村さんの気持ちを後押ししたそうです。
若村さん:彼女も子育て中。お互い共通点が多く、本音で相談し合える頼もしい存在です。
「マネジャーになっても、意外となんとかなるよ」という彼女のひとことには、すごく勇気をもらえましたね。実際、「本当にその通りだな」と。今の立場が自分を育ててくれているとも感じています。
今後も、周りの支えや応援を励みに楽しく働いていきたいです。そんな姿を見せることが、あとに続く後輩たちのロールモデルになるのではないでしょうか。
後輩たちには、やりたいことにどんどんチャレンジして、自分の成長をあきらめないでというメッセージを伝えたいです。
将来の夢は海外赴任。まだまだ自分の可能性を追いかけたい
生き生きと働く母の姿を息子さんはどのように感じているのでしょうか。
お子さんの話になると和やかな表情に。仕事と育児、どちらかではなく相乗効果もある、と若村さん。
若村さん:高校生までは、子どもにちゃんと向き合いたいと考えているので、夕食もできるだけ一緒にとるようにしています。ただ、出張があるとどうしてもそれが難しいのも事実。
私は「申し訳ないな」と思っているのですが、当の本人は私の帰宅が遅いほうが愛犬と自由にくつろげると、うれしそうなんですよね(笑)。そういう年頃なのかなと、ちょっと寂しい部分もあります。
それでも休日は野球部に所属している息子の応援に行ったり、親子で一緒にプロ野球観戦をしたり。そんな子どもとの時間も大切にしながら楽しんでいます。
野球部でエースを務める息子さん。週末は家族で息子さんの応援に行くことが多いそう。
営業の仕事に誇りとやりがいを持ち、子育てにも全力投球の若村さん。その先にはどんな未来を描いているのでしょうか。
若村さん:息子が大学生になって子育てがひと段落したら、海外で仕事をしてみたいと思っています。これまでの当たり前が通じない世界で、自分が培ってきた営業スキルがどこまで通用するのか。未知のフィールドでチャレンジできたらいいですね。
※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
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若村由樹Yuki Wakamura
サントリー株式会社
関東甲信越支社 広域3支店 支店長
2006年サントリー株式会社入社。京都支店、神戸支店、関東甲信越支社で営業を担当。2011年5月から産育休を取得し、2012年に復帰。関東甲信越支社、首都圏広域支社を経て、2025年関東甲信越支社 広域第3支店の支店長に着任。プライベートでは中学生男子の母。