2025年7月11日
#966 平 浩二 『夢はアカデミーからサンゴリアスに』
現役時代はサンゴリアスそして日本代表の中心選手として活躍した 平 スクール・アカデミー兼地域連携担当。チームに戻ってきて4年、どんな活動を行ってきて、未来にはどんな絵を描いているのでしょうか?シーズン後の心境も聞きました。
(シーズン中にファンクラブサイトのコーナー「FOR THE WIN」に掲載したインタビュー=①に、シーズン後のインタビュー=②を加えて、SPIRITS OF SUNGOLIATH としてお届けします)
①シーズン中インタビュー (取材:2025年3月)
◆恩返しもしたかった
――選手を引退したのはいつですか?
2015年です。もう10年前ですね。
――そしてチームに戻ってきたのは?
2015年に引退して、6年間は福岡で営業をやっていて、主に居酒屋さんなどを回る業務用の仕事をしていました。ですから4年前です。
――営業の成績は良かったですか?
ある程度は。
――ラグビーの影響もありましたか?
そうですね。自分から「ラグビーをやっていました」とは言わなかったんですけれど、やっぱり身体が大きいので聞かれますね。そこで「何かやっていたの?」と聞かれた時に「ラグビーをやっていました」と答えていました。それで6年間、福岡で業務用の営業をしていて、ある時、サンゴリアスが大分のホテルで合宿するという情報を事前に仕入れて、長谷川圭太(サンゴリアスOB)の家族など何家族かで、その週末に同じホテルに泊まりに行きました。その時に、また4月からサンゴリアスのスタッフだと言われ、2021年4月からサンゴリアスのスタッフとして戻ってきました。
――営業の仕事も面白かったんじゃないですか?
はい、その時はサンゴリアスで働きたいという希望は出していませんでした。でもどこかでサンゴリアスから呼ばれたら、恩返しもしたかったので、そういう時には快く行こうと決めていました。
◆東京サンゴリアスアカデミー
――サンゴリアスに戻ってきて担当は?
ずっとスクール・アカデミーの担当です。その他に、パートナーの仕事と地域連携の仕事もやっています。最初はパートナーと地域連携の仕事は無かったんですが、戻ってきて1年目の途中から、パートナーと地域連携の港区を担当するようになりました。
――スクール・アカデミー、パートナー、地域連携と、すべてがメインという感じですか?
比重的に言うと、スクール・アカデミーが半分を占めていて、残りがパートナーと地域連携という形です。
――スクール・アカデミーはサンゴリアスにとっては新しい取り組みだったわけですね
そうですね。そもそもスクールとアカデミーでは役割が違います。私が戻ってくる前から、サンゴリアスはみなとラグビースクールとは協定を結んでいたので、サントリー府中スポーツセンターでたまに練習をしたり、保護者の方にはビール工場を見学してもらったりしていました。そういう活動はしていて、そういうスクールでの活動は維持しつつ、アカデミーについては、東京サンゴリアスアカデミーという名前をつけて活動したのは初めてでした。
――東京サンゴリアスアカデミーが出来たのはいつからですか?
2023年4月からです。
◆コーチは私と鈴木徳一、長友泰憲、真壁伸弥、曽我部佳憲
――アカデミーは本格的にラグビーをやる人たち向けのものですか?
そうですね。ラグビーの塾という感じで、平日でもラグビーに取り組んで、もっと上手くなりたいという思いがある子たちに来てもらっています。
――参加者の年齢は?
小学5年生から中学3年生までです。
――自分の経験から考えて、小学5年生から中学3年生の期間は、ラグビーをする上で大事な時期ですか?
めちゃくちゃ大事だと思います。小学3年生って、それまではタグラグビーをやっていて、初めて体をぶつけてラグビーをやる年齢になります。昔は違っていて、何なら幼稚園生からタックルすることもありました。今は3年生になって初めて人とぶつかり合うラグビーをやるんです。そこから慣れてくるのが4年生で、本格的にラグビーとして試合が成り立ってくるのが5年生からだと思っています。小学3年からの2年間にいろいろ経験した後、本当に上手くなることを目指すのと、楽しむことを目指すのと、そこが分かれるのが小学5年生からなんじゃないかなと思っています。
――やはり上手くなりたいと思う子どもたちが入ってくるんですか?
そこが難しいんですけれど、今の東京サンゴリアスアカデミーの青山校は、順番が回ってくれば誰でも入れます。有難いことに、小学生30人、中学生30人の定員に対して、今は満員になっているので、入るためには待っていただく必要があります。入りたいという希望を出してもらい、順番が回ってきたら入る権利があるということです。受験や引っ越しなどで退会者が出た際や卒業で退会することになった際に、希望を出していただいていた方の中から先着順で案内を出しています。ですから、その中には本当にサンゴリアスに入りたいと思っている子もいれば、サンゴリアスが好きな子、あとは平日でもラグビーを楽しみたい子、そういういろいろな思いを持った子が混在しているのが青山校です。
――いろいろな思いを持った子が混在していることは良いことでは?
コーチは私と鈴木ノリさん(鈴木徳一アカデミー兼普及/イベント)の2人の時もあれば、そこに長友(泰憲地域連携リーダー兼広報・PR)や真壁(伸弥パートナーシップ)が来たり、曽我部(佳憲/サンゴリアスOB)が来たりするんですが、本当にサンゴリアスに入りたいと思っている子たちとのマインドの差、スキルの差が出てきてしまいます。そこがいま難しいところです。
――年齢によって教えることは変わるんですか?練習は小学生と中学生で別々ですか?
基本的には小学生のグループと中学生のグループで別々です。それでやることを変えておいて、グループを入れ替えたりします。細かい部分以外は、基本的に同じことを教えています。火曜と木曜の基本週2回で、年間84回活動しています。
◆現役の選手の思いを話してもらう
――教える上でいちばん大事にしていることは何ですか?
今は東京サンゴリアスアカデミーという名前がついていますし、やはりサンゴリアスらしさというか、その名前がついている意味を考えて、出来るだけトップチームとの乖離を少なくしたいと思っています。例えば、クラブスピリッツ(PRIDE、RESPECT、NEVER GIVE UP)は同じですし、サンゴリアスが得意としているアグレッシブ・アタッキング・ラグビーをアカデミーでも習得できるよう、クラブスピリッツも含めて、そのためのスキルを指導することを大事にしています。
――練習以外ではどう伝えているんですか?
練習の中でもそうですし、ジャージの背中にもクラブスピリッツを入れています。なぜ背中にPRIDE、RESPECT、NEVER GIVE UPのクラブスピリッツが入っているか?を考えてもらうよう、私たちコーチが話します。そして現役の選手がたまに来てくれるので、選手からの思い、選手がサンゴリアスをどう思って、クラブスピリッツをどう考えているかということを話してもらう機会を設けたりしています。そこも含めて、サンゴリアスはこういうチーム、こういう文化ということを分かってもらうようにしています。
――2年前から始まったということは今の高校2年生が初代生徒、彼らは今もラグビーは続けているんですか?
みんな続けています。辞めた子はいないですね。
――東京サンゴリアスに入れるチャンスはあるんですか?
私がアカデミーをやっている中期的な夢としては、アカデミー生からサンゴリアスに入る子が出てくることです。そのためにはこのアカデミーで、最大5年間にはなりますが、「サンゴリアスはこういうチームだよ」「こういうカルチャーだよ」「こういうアタッキングをするんだよ」「こういうマインドだよ」ということをすべて知ってもらった上で、その後高校と大学ではアカデミーから離れたとしても、「将来は絶対にサンゴリアスに帰りたい」と思ってくれて、本当にサンゴリアスに入ってくれることが夢ですね。
◆メンタル、気持ちが成長
――やっていて楽しいところはどこですか?
やっぱり子どもたちの成長ですね。身体もそうですしスキルもそうですけれど、メンタル、気持ちというところが成長しますね。
――他のチームと試合もするんですか?
他のチームのアカデミーと試合もします。これまで試合をしたところは、東芝のアカデミー(ルーパス塾)とリコーアカデミーと交流戦をやりました。東芝とは毎年、東芝のグラウンドを借りて1~2試合はやっています。
――まさに府中ダービーですね
まさにそうです(笑)。東芝アカデミーは人数がぜんぜん違って、小学生が70人、中学生が100人います。東京サンゴリアスアカデミーも東芝アカデミーも、トップチームが使っていない夜に活動してグラウンドを使っています。そのグラウンドが東芝アカデミーでは2面使えることが、人数の多さにつながっていると思います。東芝アカデミーをやっている責任者が望月さん(雄太/東芝OB/元日本代表)という方で、私の同志社大学のひとつ上の先輩です。だから、絶対に負けたくないという思いが伝わってきます(笑)。
小学生は70人の中から選抜されることもあって、2年連続、結構な点差で負けましたね。中学生については、こっちが30人いる中で参加できたのが15~17人くらいで、試合前に並んだ時点で、17人対100人で、もう数の違いで圧倒されました。けれど、その少数精鋭で勝ったんですよ。みんながサンゴリアスのアグレッシブ・アタッキング・ラグビーをしっかりと体現してくれました。
――東芝アカデミーは、やはり東芝ラグビーをするんですか?
やはりフィジカルとか、ブレイクダウン周りは、東芝ブレイブルーパスらしいと感じますね。特に小学生のプレーを見ると感じます。
――勝ち負けは重要なんですか?
もちろん大切ではありますが、やはりそれよりも試合で、私たちが練習でやってきたサンゴリアスのアグレッシブ・アタッキング・ラグビーを、いかにどれだけ出来るかが大事だと思っています。試合前に「結果は関係ない。練習でやってきたことを発揮する場だから、相手がどうこうじゃなく、自分たちのラグビーをどれだけ長い時間で出来るか。それが出来ないと、どんどん相手のペースに巻き込まれて、試合がすぐに終わってしまう。だから、それをやり切ろう。それが出来たら結果はついてくるから」と伝えています。まさに中学生がそうだったので、彼らの自信にもなったと思います。
――教え方が昔と変わってきていると思いますが、どんなことを気をつけていますか?
出来るだけ子どもたちに考えさせて、子どもたちからの発言を促すようにしています。もし分からなければ、ヒントは出すようにしていて、それでも分からなければ、「他の人はどう思う?」って聞いたりします。もちろん怒る時もあります。例え下手だったとしても一生懸命やって欲しいんです。やっぱりそれって伝わるんですよ。例えば、パスミスした後に、そのボールをダッシュで取りに行ってすぐ戻るとか、出来ないけれどちゃんと上手くなろうと頑張っている子は分かります。そうではなくて、ミスをした後にヘラヘラしているとか、何をしに来ているか分からない子がいる時には、全体に言うようにしています。
◆アカデミー府中校開校
――スクールについては?
どちらかと言うと普及活動になります。みなとラグビースクールの方針に沿って、「来週もここに来たい」と思ってもらえるようなスクールにしたいということが根本にあります。スクールはパパさんコーチたちがメインとなってやってくれているので、私は事務局長という立場であって、指導をしたりはしていません。パパさんコーチからボランティアで各クラスの主任になってくれている方たちに、練習メニューや年間のスケジュールも含めて、例えば4月は体づくり、6月から試合を入れて、7月には合宿をやってということをすべて任せるようにして、コーチングは一切していません。
――スクールについてやっていて良いなと思うところは?
アカデミーとはぜんぜん違いますからね。楽しさを追及しているところに違いがあって、面白いところですね。競わせるメニューを多くして、「チームで協力して勝とう」ということをやっています。もちろん最後には試合形式のものも行いますが、スクール生は人数が多いですし、アカデミーよりもいろいろなタイプの子がいて、上手な子もいれば初めての子もいるので、出来ない子に合わせながらやっています。男女の比率は女の子が10%くらいですかね。アカデミーには女の子はいませんが、女の子を入れていないというわけではありません。
――アカデミーそしてスクールで大変なことは?
相手が子どもなので、指導の面は大変ですね。やはりひとりひとり、本人の性格を分かってあげないといけませんし、それによって声をかけるタイミングや内容を考えなければいけません。「この子にこういうことを言ったら、こういうことを考えてしまうんだろうな」ということも考えなければいけませんし、そこはノリさんと協力しながら、ノリさんがガツンと言う時もあれば、僕が言う時もありますが、難しいところではありますね。
今年の4月から新たにアカデミーとして府中校が開校します。府中校はマインドの差をしっかりとなくして強化に近いアカデミーとして、「本当にサンゴリアスに入りたい」「日本代表になりたい」という子に入ってもらいたいと思っています。そしてどちらかと言うと、普及寄りに近いアカデミーが青山校になります。
◆コラボ・ランドセルカバー
――引退後の今、コーチングをやってみていて、どうですか?
最初は大丈夫かなと思っていましたし、ぜんぜん出来ていなかったと思います。子どもたちに教えるということもやったことがありませんでしたし、どう接したら良いかも分かりませんでした。こっちが出来ると思っていることでも出来ないことが当たり前という、その感覚が分かりませんでした。もちろんノリさんにサポートしてもらったこともありますし、私自身もA級コーチのライセンスを取りに行って、常に場数を踏んで、経験するしかないと思ってやっていました。最初の頃はすべてのアカデミーに行く必要はなかったんですが、お願いをして参加させてもらったりして、まだまだですけれど、最初の頃よりは良くなったかなと思います(笑)。
――現役時代は、これほど喋らなかったですよね?
現役時代は、そんなに喋ってないと思います。
――コーチングによって成長しているということですよね
確かに、それはあるかもしれないですね(笑)。
――パートナーについては、どんなことをしているんですか?
パートナーについては、リーグワンになる時に、各チームで興行しなさいということがあって、各チームでパートナーを獲得しなければいけませんでした。たまたま、みなとラグビースクールの繋がりだったり、大学の同級生で同じラグビー部としての繋がりがあったり、そういうご縁でパートナーになっていただいたりしています。今はパートナーの営業部が出来たので、僕は今、アカデミーのパートナーを探しているところです。アカデミーのジャージにロゴが出せたりするパートナーです。
――地域連携についてはどうですか?
ホストエリアの港区と、府中・調布・三鷹の三市がある中で、港区を担当しています。基本的には港区の企画課の方と連携をして、港区内の学校、教育現場に出向いて、ラグビー体験をしてもらったり、「夢へのチャレンジ授業」をしています。港区ではサンゴリアスオリジナルの算数ドリルも作りました。港区内すべての小学新1年生、約2000人に対して、港区とサンゴリアスのコラボ・ランドセルカバーを配ります。可愛いデザインになっています。
◆サンゴリアスのファンづくり
――夢へのチャレンジ授業はどんなことをやるんですか?
選手が「今の自分があるのは」という内容で授業をします。例えば、「子どもの頃はこうで、ラグビーをいつから始めて、こういう時に挫折することはあったけれど、ラグビー選手として活躍したいから、苦しい状況でもこうやって乗り越えて、今の自分があるんだよ。失敗することは悪いことではないし、どんどんチャレンジして欲しい。目標や夢を持つことの大切さ」ということを伝える授業です。その授業の中で、子どもたちに夢を聞いたり、発表してもらったりもしています。そしてラグビー体験もしてもらいます。
――チームの成績によって、子どもたちの反応だったり、スクールへの入会などは変わってきますか?
反応はやはりありますね。特にアカデミー生は。アカデミーの開始前に「サンゴリアスは勝てなかったですね」とか言われたり(笑)、子どもたちもやはり好きだから試合を見ているんですよ。「なんであの時、最後にラインアウトが取れなかったんですか」とか。だから、チームに勝ってもらわないと、僕らもやり難いんですよ(笑)。そういう時には「トップチームは苦しい状況で、こういう時期もあるから。そこで我慢して、絶対に盛り返して来るから。こういう時期でもしっかり応援して、僕らは僕らで頑張ろう」と答えています。
――今後のビジョンは?
まずはアカデミーの分校をもっと増やしていきたいですね。それは事業としてもそうですし、サンゴリアスのファンづくりにもなると思います。あとジュニア世代の育成という部分もありますし、これだけサンゴリアスの選手に近づける環境でもあるので、若いうちからサンゴリアスのファンをつくって、サンゴリアスに入りたいと思ってもらえる子たちをひとりでも多くつくりたいと思っています。
――更に、こういうことをやりたいという考えはありますか?
まずはアカデミーですね。いろいろと欲張ると良くないので。
②シーズン後インタビュー (取材:2025年5月)
◆サンゴリアスのDNA
――シーズンが終わりましたが、今の心境は?
プレーオフ準々決勝のクボタ戦はようやくと言っていいか、サンゴリアスらしいと言うか、気持ちの入った試合を見せてくれたと思います。
――来シーズンに向けて光が見えてきましたか?
そうですね。このシーズンで9敗していると思うんですが、その9敗という数字をどう受け止めるか。試合に出ている選手、出ていない選手含めてチーム全員が、言葉で言っているアグレッシブ・アタッキング・ラグビーを本当にみんなが納得する形で体現できていたのか。リスクを恐れずにどこからでも攻めて、極端に言えば40点取られても50点取って勝てば、それは僕らが攻めまくったラグビーだと思います。僕がサンゴリアスに入りたいと思った試合とか、先輩たちのゲームを見ていて感じたスピリッツ、カルチャーを、どう体現していくかだと思います。
自分たちで保持して、我慢して攻め続けて、空いているスペースを自分たちで作って、意図的にスペースを作ったところにボールを運ぶ。それをやることはめちゃくちゃしんどいと思うんですよ。ひとりひとりの役割もそうですし、走らなければいけないし、コンタクトで負けてはいけないし、でもそういうラグビーをしていって欲しいと思っています。
アグレッシブ・アタッキング・ラグビーはサンゴリアスのDNAですよね。僕がサンゴリアスに行きたいと思ったきっかけは、サンゴリアスがウェールズに勝った2001年の試合を見て、「本当に正気でないチームがある」と思うくらい(笑)。ただ、見ていてワクワクしたんですよ。「何?このチーム」みたいな。「アタックしかしてないやん」と。そういう見ている人が、「このチームってこういうラグビーをするんだ、こういうスタイルなんだ」と分かりやすかったですね。

来シーズンに向けて、この9敗をどう受け止めるか?僕は全ての練習を見ているわけではありませんが、走り負けていた試合も多かったと思います。僕らの時のことをあまり話に出すのは良くないかもしれませんが、例えばバイウィークの時には、最初の2日くらいはオフで、そこから全体練習が1回あって、週末にノンメンバーや試合に出ていたメンバーは、土曜日に必ずフィットネスとバチバチの練習をやったんですよ。
それでシーズン中も毎週火曜日はフィットネスして、アタックディフェンスでバチバチの練習をやって、時間的には1時間くらいで終わるんですけれど、中身がめちゃくちゃ濃い練習をしていました。だから自信もありましたね。俺らは走り負けないという。ラスト20分で必ず相手はバテるから、そこから畳みかけるという戦略でした。
もう一回、「サンゴリアスのアグレッシブ・アタッキング・ラグビーとは何か」ということを突き詰めて、やっぱり他のチームよりも練習しなければいけませんし、走らなければいけませんし、楽して勝つことなんて絶対に無いんですよ。次のためには今シーズンは負けて良かったと思うんですけれど、やり直すしかないですよね。
◆めちゃくちゃ良いアタック
――平さんの仕事を振り返って、今シーズンはどうでしたか?
僕の場合は年度なので、4月~3月で考えるんですけれど、東京サンゴリアスアカデミーの府中校を4月に開校出来たことは大きな成果だと思います。
――府中校は良い形で進んでいますか?
めちゃめちゃ良い形です。やっぱりセレクションをしたということが良かったと思います。せっかくの環境、サンゴリアスのグラウンドで、周りに選手もいる環境で出来るのであれば、本当にサンゴリアスを目指したい、日本代表になりたいという気持ちを持った子たちを集めたかったんです。府中校は水曜日の午後5時半から8時半までやっていて、開校して2ヶ月弱経ちますが、子どもたちは輝いた目でいつも来てくれます。そしてサンゴリアスのラグビー、アグレッシブ・アタッキング・ラグビーをずっと言い続けています。
――次に向けた課題は?
課題は、アカデミーをもっと増やしていかなければいけないんですが、やっぱり場所と人の問題が大きいですね。それをいかに突破していくかがいちばんの課題です。
――今後への期待は?
トップチームが強くなってくれないと、アカデミーにも響きます。めちゃくちゃ良いアタックで勝ってくれると、子どもたちのお手本になりますよね。「あのプレーをやるために選手たちは日ごろの練習から頑張って、やっとあのアタックができるんだよ。それで優勝したんだよ。だからみんなも目指そう」と言えるようになるよう、チームに期待してます。

(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:長尾亜紀]