SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2014年3月 5日

#369 真壁 伸弥 『周りの選手を感じられる選手になる』

キャプテン1年目に公式戦全勝という結果を残し、2年目を迎えた今シーズン。リーグ戦で2敗し、プレーオフトーナメントファイナルでも敗れて、トップリーグ3連覇を逃した。残るは日本選手権。4連覇を目指しての合宿初日、リーダーらしさが増す真壁伸弥選手に話を聞きました。(取材日:2014年2月19日)

◆やるべきことは明確

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—— プレーオフトーナメントファイナルでは残念でしたね

前半はサントリーらしいプレーが出来ていたんですが、後半は自分たちでチャンスを潰してしまいました。ペナルティゴールを8本も決められては、決勝の舞台では勝てないですよね。

—— その部分は、試合後の記者会見で、レフェリーとのコミュニケーションという話も出ていましたね

レフェリーとのコミュニケーションも大事ですが、自分たちが、いかにディシプリン(規律)を守ってペナルティをしない、という部分をチーム内で共有出来ていたのか、という部分がポイントだと思います。

—— 規律を守れなかった要因は何だと思いますか?

パナソニックさんのプレッシャーが強く、それでペナルティを犯してしまったということもあるかと思いますし、ジョージさん(スミス)がマークされていて、出来ていないことや、やりたいことが、チーム内で共有出来ていなかった部分がありました。

—— その反省を活かして、日本選手権に向けて取り組んでいると思いますが、手応えはどうですか?

手応えはしっかりとあって、トロフィーを獲るためには何をしなければいけないのかを、コーチ陣も含めメンバー全員が感じているので、イメージは良くなっていると思います。

—— プレーオフトーナメントと日本選手権とでは、戦い方は違うものですか?

サントリーとしては大きく変わることはありません。あぁいう場では、今までやってきたことしか出ないと思います。ただ日本選手権でシーズンが終わるので、規律を守るところは守る、やらなければいけないことはしっかりとやる、ということが出来なければ、勝てないと思います。

—— 今シーズンはリーグ戦でも2回負けていますが、やるべきことはやれていると感じていますか?

やるべきことは明確で、全員が理解しているんですが、自分たちのプレーは研究されているので、それに対して昨シーズンと同じことをやっていたのでは勝てないんです。サントリーのラグビーは変わりませんが、少しずつでも進化をさせていかなければいけないと思います。

ラグビー自体もルールが変わることによって、何が有利で何が不利かという部分が変わっていくと思うので、それに対する対応策は考えていくべきだと思います。

◆課題はディフェンス

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—— 昨シーズンはコイントスでも連勝していたそうですが、今シーズンのコイントスはどうですか?

今シーズンも多くの試合で勝っていますが、試合は負けてしまうことがありましたね(笑)。試合とコイントスは関係ないですが、コイントスの自信はあります。

—— 自分自身は成長していると思いますか?

成長していると思います。身体的な部分で、昨シーズンよりも動けていると感じています。それに体重も120kg前後をキープ出来ているので、同じような身体の選手よりも動けているのではないかと思っています。スピードが上がることでパワーも上がってくるので、アタックに関しては成長していると思います。

—— 今シーズンのトップリーグ開始直後は「まだまだ」と言っていましたが、シーズンの途中でも成長していたということですか?

そうですね。コンスタントにラインブレイクも出来ているので、アタックに関しては問題ないと思います。課題としてはディフェンスの部分で、個人としてもチームとしても、強化していかなければいけないと思います。

—— キャプテンとしての自身の評価はどうですか?

もともとキャプテンシーというものは自分にはないと思っているので、周りの助言を聞きながら、自分に出来ることをやっています。

—— 自分に出来ることとは何ですか?

まずは身体を張ってプレーすることと、周りを見てサントリーのプレーに近づかせるために何が必要かということをしっかりと感じて、それを言葉にしていくことです。細かいことに関しては、フォワードでは隆道さん(佐々木)、バックスでは剛さん(有賀)が言ってくれるので、僕は大まかなゲームの状態を見て、何が必要かを単語、単語で言うようにしています。

◆自分たちのラグビーで戦っていく

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—— 今シーズンでチームとしてピンチに陥った場面などはありましたか?

今シーズンは得点を取られた後に元気がなくなる場面が、リーグ戦中に何度か見られたと思います。自分たちらしくないことをやっている時にはピンチになっていて、そこでチームを盛り上げるために何をしなければいけないのかという部分が、昨シーズンよりも難しかったと思います。

そういう場面ではキャプテンとして難しいですが、チームとして一体感を出すためにハドルをしっかりと組んで、全員が意思統一出来るような言葉を選んで伝えるようにしていました。ただし、自分としては、それがしっかりと果たせていたのかは分かりません。

ファイナルになれば、ファイナルを何度も経験してきた選手が多くいるので、しっかりとまとまってくれるんですが、リーグ戦の時にそのまとまりが少し弱かったような気がします。そういう部分がプレーオフファイナルで出てしまったのかもしれません。

—— これから日本選手権に入っていきますが、意気込みをお願いします

これまでやってきたことは間違いではないので、日本選手権までの間に、そこをどれだけ伸ばせるかだと思います。いまは府中で合宿をしているんですが、自分たちの伸ばせるところをしっかりと強くするために、チームが一丸となり取り組んでいます。

—— 今シーズンは若手選手が多く試合に出場していると思いますが、それについてはどう思いますか?

若手選手が試合に出ることは良いことだと思います。ただし、試合は勢いだけでは解決できないことが起こるので、若手選手がベテランの方から技術や知識などを吸収していくべきだと思います。これから更に、チーム内での競争が激しくなれば良いと思います。

—— これからの戦いで、自分自身の課題は何だと思いますか?

周りの選手を感じられる選手になることだと思います。戦術やシステムはしっかりしていると思いますが、相手にラインブレイクをされる場面なども出てくると思うので、選手1人1人の特性をしっかりと理解して、任せる部分とサポートに入る部分を日々の練習から感じて、それを試合で意図して出せるプレーヤーになっていかなければいけないと思っています。

—— 日本選手権4連覇への自信は?

素晴らしいチームばかりなので、厳しい戦いになると思いますが、とにかく自分たちがやりたいラグビーを忘れず、それを突き詰めて、どんな相手だろうと自分たちのラグビーで戦っていくことが大事だと思います。サントリーラグビーが出来るように頑張ります。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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