SPIRITS of SUNGOLIATH

スピリッツオブサンゴリアス

ロングインタビュー

2013年6月12日

#333 石原 慎太郎 『課題のスクラムを見て欲しい』

今シーズン、大学から入ってきた新人ラガーマンは5人。そのトップバッターとして、すでに最も名前が有名な(著名人と同姓同名)石原慎太郎選手に話を聞きました。現状を自覚し、課題を持って練習に取り組む社会人1年目のプロップの意気込みは?

◆結果を出さなければいけない

スピリッツ画像

—— 自分の名前については、どう思っているんですか?

覚えてもらいやすい名前だと思うので、有難い名前です。親に名前の理由を聞いたんですが、決して狙って名前を付けたわけじゃないそうです。僕が生まれる前から、男の子には慎太郎とつけると決めていたみたいで、元都知事の石原慎太郎さんに合わせてつけたわけじゃないんです(笑)。慎太郎という字も好きで、名前も好きだから、子供には慎太郎とつけたかったそうです。最近は、周りから「名前負けしないように」と言われるので、そこは目指したいと思います(笑)。

—— チームには慣れましたか?

練習は大変ですが、素晴らしい環境の下、ラグビーをやらせてもらっていると思っています。この環境に甘えることなく、自分を成長させていきたいと思います。

—— 学生時代との違いはどこにありますか?

トップレベルの選手が集まっている中で、自覚を持ってやっている選手ばかりです。ベテランの選手が若手選手以上に、自分を成長させるという意識を持って取り組んでいると思います。僕はこのチームではまだまだ自覚が足りないと思っているので、先輩方を見習って、更に自覚を持って取り組んでいきたいと思います。

それから大学と比べると環境が素晴らしく、この素晴らしい環境の下、あとは自分がやるだけだと思います。大学とは違い環境を言い訳に出来ないので、結果を出さなければいけないという責任を感じています。

—— サンゴリアスに入ろうと思ったきっかけは?

大学は明治大学なんですが、大学1年、2年、3年、4年と進むにつれて、自分や周りのレベルは上がっているのに、練習は常に大変でした。社会人でどのレベルのチームに行っても、練習は大変だと思うので、優勝を狙えて、優勝するための環境が整っているサントリーに入りたいと思うようになりました。練習が大変だから嫌という思いは全くなかったですね。

—— 勝つことに飢えているんですか?

高校は国学院久我山で、大学は明治大学で、常に優勝を狙って練習に励んできましたが、優勝することは出来ませんでした。だから全員が自覚を持って優勝を狙うチームの中でやりたいという思いが強かったですね。

◆始めたのは高校1年生から

スピリッツ画像

—— ラグビーは何歳から始めたんですか?

本格的に始めたのは高校1年生からです。それまではずっと野球をしていました。

—— なぜラグビーをやろうと思ったんですか?

「初心者大歓迎、体の大きい人はセレクションを受けに来てください」と告知されていて、それでセレクションを受けに行ったのがきっかけでラグビーを始めるようになりました。当時は軽い気持ちでセレクションを受けて、ここまで続けてこられるとは思っていませんでした。

高校に入った当初は、高校でも野球をやるつもりではいたんですが、ラグビーに出会えて良かったと思います。

—— 野球でのポジションは?

ピッチャー、キャッチャーと色々やりましたが、どちらかと言うと打撃専門でしたね。

—— 野球には未練はありませんでしたか?

ありませんでした。新しいことを1から始めることが面白かったんです。野球では走るという練習をしてこなかったので、環境の変化に戸惑い、焦ることばかりでしたが、走ることはもともと好きなので、問題はなかったですね。

—— 高校時代、ラグビーのポジションはどこでしたか?

最初はロックを半年くらいやりましたが、それからはずっとプロップです。ずっと1番です。なかなか太りにくい体質で、オフになると痩せてしまうので管理が大変なんです。

—— プロップの面白さはどこですか?

スピリッツ画像

今はまだ力不足ですが、スクラムについても経験ある先輩方に教えてもらい、毎日新しいことの発見があります。大学に入る前までは、ボールを持って走りたいという思いしかなかったんですが、大学に入って、明治はスクラムを大事にする大学なので、その中でスクラムの大切さを学びました。スクラムについては大学で学んだつもりでいたんですが、社会人になって、今まで以上にスクラムの大事さを学びました。レベルの違いも感じているので、これから成長させていかなければいけません。

プロップにはスクラムの面白さもありますし、機動力も必要とされているので、ボールを持ってプレー出来ることと、スクラムで魅せられるところが、プロップの面白さだと思います。

—— ボールを持って走ることが好きなプロップは珍しいですよね

どうなんですかね(笑)。足の速さは周りの方が評価してくれることだと思いますが、好きか嫌いかで言えば、僕は好きですね。

—— 新しいことに取り組むことが好きなんですね

ラグビーでは僕よりレベルが上の人ばかりで、常に新しい発見があります。新鮮なことばかりで飽きることがないと思います。

—— 自分の性格は、どんな性格だと思いますか?

弱気ではないと思いますが、勝負強いかと言えば、違うような気がします。神経質ではなくて、大ざっぱなところもあると思います。

—— 生まれはどちらですか?

東京生まれ、東京育ちです。

—— ご家族は?

両親と姉がいます。長男でもあるので、どちらかと言えば、可愛がられて育ったと思います(笑)。

◆とにかく試合に出たい

スピリッツ画像

—— 今シーズンの目標は?

怪我をせずに、1年間プレーして、とにかく試合に出たいですね。

—— 中長期的な目標はありますか?

サントリーに入りたかった理由の1つとして、サントリーで活躍することが日本代表への近道だと言われてきたんです。僕もそう思ってきましたし、それだけレベルが高いチームだと思います。最終的な目標として、日本代表に入ることと考えています。

—— ファンの人に見て欲しいポイントは?

僕が今、求められている課題はスクラムです。そのスクラムを見て欲しいと思います。今までは力任せに組んでいたんですが、社会人では通用しないので、8人で組むことを意識して取り組んでいます。まだ出来ていないことが多いので、外からスクラムを見て、スクラムが押し込まれるようなことがあれば、「石原しっかりしろ!」と言って頂ければと思います(笑)。

スピリッツ画像 スピリッツ画像

(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

一覧へ