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SPIRITS OF SUNGLIATH

#248 特集 『新人王!』<br>【2】初代新人王・菅藤 心(03-04)

◆菅藤 心(かんとう しん/1981年1月18日/175cm・78kg/2003-2004〜2010-2011)

【引退】

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選手としてプレーした期間、僕自身としてはちょうどよかったですね。10歳からラグビーを始めて、「いつまでラグビーをやるの?」って聞かれるたびに、30歳と答えていたんです。それはイメージだけで30歳と答えていただけだったんですけど(笑)、それで今年30歳で、辞めることになりました。そう考えると、理想通りだったのかなと思いますね。

僕のプレーについては、みなさんタックルとかが印象的だとおっしゃってくれます。そのタックルで怪我をしたことはないんですよ。上半身を怪我したことはなくて、足の怪我ばかりだったんです。体全体を使うことで、足に負荷がかかって怪我をしていたのかもしれません。

サニックスの兄(菅藤友/福岡サニックスブルース)はまだ選手を続けます。兄弟の中では僕がいちばんラグビー人生が短かったですね。去年は2番目の兄貴(菅藤圭)が辞めたんですけど、始めたのは僕よりも4年くらい早かったですからね。21年間のラグビー人生でした。兄弟には、僕の方から連絡して、引退が決まったことを伝えました。「おつかれさま〜」という感じでしたね。

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【新人時代】

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学生から社会人になって、接点の部分、ブレイクダウンの部分では明らかに違いました。強さもスピードもスキルも、全てにおいてレベルが1つ上だと感じました。それは学生時代からも感じていました。だから社会人になって、想像していたよりもすんなり入れたところはありました。対社会人だと強いイメージがあったんですけど、実際に社会人のチームに入ってみると、すんなり入れたのかなと思います。

開幕デビューは、僕の中では全くの予想外でした。僕が憧れていた伊藤宏明さん(現NTTドコモ)がいるから、サントリーに決めたのも理由のひとつだったんです。10歳からラグビーを始めて、小学校も中学校も高校も大学でも、ずっと1年目から試合に出ていたんです。それまでは運が良かったと思っているんですけど、サントリーでは宏明さんがいるから出られないだろうと思っていたんです。だから近くで勉強して、自分を試したいという思いでいたんです。そしたら、春に宏明さんがサントリーを辞めてしまって、スタンドオフが足りなくなったんです。それで僕を使って頂いて、開幕戦でいいパフォーマンスを出すことが出来ました。

1年目は、その開幕戦がベストだったのかなと思いますね。プレーにも気持ちにも波がありましたし、チームも最後の方で負けが多くなって、結局優勝は出来なかったんです。あれは責任を感じました。

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【タイトル】

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トップリーグ初代新人王になりましたが、ラッキーですね(笑)。トップリーグの開幕戦のメンバーに入れたことが、まず1つ目のラッキーで、2つ目がああいう場で、良い緊張感の中、たまたま良いプレーが出来たということもいくつかありました。3つ目が他のチームも含めて、あまり目立った新人がいなかったことですね。開幕戦でいいプレーが出来れば、「あの新人は誰だ」ということになるので、偶然が重なったように思います。

新たにトップリーグとなって、国立での開幕を迎えて、それまでの東日本大会などは知らないんですけど、そもそもセレモニーというものはなかったですよね。そういった意味でも、その場に立てたということは、今後誰も味わえないことなんで、光栄に思っています。

この年の成果は試合に出られたことでしょうね。経験を得ることが出来ました。課題はもう尽きないですよ。僕は凄く波があった選手で、そこは毎年反省していました。調子の波は学生時代から結構ありましたね。良い選手は波がない選手だと思うんですよ。サントリーには波がない選手も多いので、尊敬します。波があるというのは性格というのもあるかもしれないですけど、その時の精神状態がプレーに出たりするのかなって思いますね。

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【思い出】

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思い出に残るシーズン、まずは優勝した時(2007-2008)ですね。あとは2010-2011シーズンですね。最後のシーズンが、僕にとってはいちばん大きかったです。それは2010年から試合に出られなかったということと、その中で得るものが大きかったことですね。それによって今後を考えた時に、ラグビーだけじゃなくて、人生を生きていく上で非常にかけがえのないものを得ることが出来ました。それに優勝がついてきたので、エディーには凄く感謝していて、いろいろ気づかせてもらえて1年でした。

エディーからは組織の作り方ということを学びました。僕が言うのもおこがましいですけど、エディーの良いところは、まずチームの1人1人に対する気遣いを凄く感じました。特に試合に出られない選手に対しての、サポートやフォローを、春から通してずっとやってくれていました。だからこそ凄く信頼をしていました。僕は決めたことを途中で辞めるのが大嫌いなので、年間を通してやってくれて有難かったですし、勉強にもなりました。

エディーは課題も伝えてくれますし、現状も伝えてくれて「まだチャンスがある」ということを言ってくれました。僕は聞く方が多かったんですけど、この場面ではどういうプレーがベストかと聞くと、ちゃんとアドバイスをくれたり、ビデオを出して見せてくれることもありました。選手が43人もいて、監督だからといって、1人1人と向き合うということはなかなか出来ないことだと思うんですよ。それを年間通してやり続けたエディーの意志の強さが凄いですよね。

それはチームスタイルにも表れているんですけど、負けが続いた時でもぶれなかったんですよ。Bチームとしては見ていて歯がゆかったし、何でこんなラグビーをしてるんだと思いましたけど、あそこで考え方を変えていたら、今回の優勝はなかったと思いますね。ひとことで言うと、エディーは本当に心が強いですよ。決めたことをやり通す意志の固さを感じました。

【サントリー】

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トップリーグ第3節を終えて、1勝2敗の時はエディーも凄く悩んだと思います。ただタイミングが良かったですよね。あそこで少し試合の間が空いて、サテライトの試合があって、Bチームのメンバーはみんな何をやるかということが分かっていたんですよ。しかもサテライトで、公式戦といってもプレッシャーが少ない中、蹴らずに攻められて負けても、そこまで重要なことでもなかったんです。だからBチームはAチームの試合を見て歯がゆかったし、見せる絶好のチャンスだったわけですよ。ここでやらなきゃ、このままズルズルいっちゃうという思いもありました。

結果として気持ちよく勝って、みんながあの試合で変わったと言うように、出ていない選手がそう感じてくれて、出ている選手はどうだ、という感じでしたね。僕とキヨさん(田中澄憲)が後半出て行って、「後半変えましょうね」って話していたんです。僕はその試合で怪我をしてしまいましたけど、次に繋ぐという意味で責任は果たせたと思いますし、微々たるものでしたけど、チームの力にはなれたかなと思います。

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ここ3年連続で新人王を獲った後輩たちへのアドバイス?いや〜、ないですね(笑)。僕の新人王と比べたら、彼らは比較にならないぐらい実力で獲っているので、僕からのアドバイスはないです。僕はラッキーボーイだったんで(笑)。みんなジャパンで頑張ってもらいたいです。

起用するスタッフの判断もありますけど、僕以外は個人のポテンシャルですよ。僕は本当にたまたま獲れたんですよ。僕は悩みながら春から頑張って、それでたまたま試合に出られたんです。実力的には出られるようなレベルではなかったですよ。後輩3人はみんなジャパンですから、それは実力があったってことです。サントリーにはいい選手が入ってきています。日和佐は成長しましたけど、チームとして成長させるというよりは、もともとポテンシャルがあるんです。

この前の納会でも言ったんですけど、サントリーには前に進んで欲しいですね。ラグビーも仕事もそうですけど、色んな苦しいことや辛いことがある中で、過ぎてしまったことはしょうがないので、それをいかに受け止めて、いま何をすることが将来に繋がるのかを考えて欲しいと思います。過ぎてしまったことにああだこうだ言ってもしょうがないので、自分も含めてのことですが、それを意識してやって欲しいです。ラグビーをやりたくても出来ずに、若くして辞めていったメンバーもいるので、そういうことは常に持ち続けて欲しいなと思いますね。これからは福岡です。福岡にはシーマさん(永島/前マネージャー)、東野(憲照)、林(仰)と、あとOBが2人ぐらいいるんですよ。一応、応援団に入ろうかなって思っています(笑)。

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(インタビュー&構成:針谷和昌/編集:五十嵐祐太郎)
[写真:長尾亜紀]

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