SMILECAFE

スマイルカフェ

初心者も楽しめるラグビーコラム

2017年11月29日

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『ラグビー日本代表フランス遠征・雑感編』

こんにちは!カメラマンの長尾亜紀です。

先日のサンゴリーナちゃんのスマイルカフェの中で、若干ハードルを上げられ気味に取り上げられましたが(笑)、ラグビー日本代表の海外遠征撮影のため、10日間ほどフランスに滞在していました。

今回訪れたふたつの街には、日本とは異なるラグビーの文化があったように思います。今回のスマイルカフェでは、そこにスポットを当ててご紹介しようと思います。

日本代表のフランス遠征1戦目のトンガ代表戦が行われたのは、フランス南西部の街「トゥールーズ」。2007年ラグビーワールドカップフランス大会の際には、この地で日本代表がフィジー代表と対戦しました。(ちなみにこの試合には、有賀剛アシスタントコーチがスタメンで、サンゴリアスOBの小野澤宏時さんと平浩二さんもリザーブで出場していました)

トゥールーズはフランス国内の中でもラグビー熱が高い地域だそう。フランスらしいなと思ったのは、ラグビーを愛する人たちが作ったワイナリーで生産された『楕円の大地』という地元産のワインが存在するということ。そしてこの街にはスタッド・トゥールーザンという、フランスの国内プロリーグ『TOP14』に参加する強豪チームもあり、今回の日本代表の試合はそのホームスタジアムである『スタッド・アーネスト・ワロン』で行われました。

最初にスタジアムを訪れたのは試合前日のこと。日本代表のキャプテンズラン(試合前日練習)取材のためでした。スタジアムのキャパシティは2万人弱とそんなに大きくないのですが、ヨーロッパに多くあるフットボール専用スタジアム同様、ピッチが近く程よい大きさです。収容人数が多い大きなスタジアムも魅力的ですが、色んな意味で距離が近くなるこのくらいの規模のスタジアムが日本にももっと増えればいいのにね、と他のメディアの方々と話しながらチームの到着を待ちました。


スタッド・トゥールーザンのチームカラーは赤と黒。スタジアムのあちこちがチームカラーでデザインされていました。選手のベンチももちろんチームロゴとチームカラー。


Hポールの先っぽも、さりげなく赤と黒。


スタジアムの外にはこれまでの獲得タイトルが記された石碑や


フランス代表に選出された選手たちの名前が記されたボード


試合の日はファンゾーンとして解放されそうなスペース、このほかにはたくさんの写真やトロフィーなどが飾られたレストランもありました。


前日練習の取材を終え街に出てみると、スタッド・トゥールーザンのショップが。こちらもカッコイイ!

こちらはスタジアムの外観。試合当日には、この数日前に2023年ラグビーワールドカップの開催国がフランスに決まったことを祝福するバルーンが浮いていました。

レンガ造りの街並みが美しいトゥールーズ。中心部には肉や魚、野菜にパンにチーズに調味料など多くの食材が揃う大きなマルシェがあり、買い物のかたわらお昼から立ち飲みでワインを楽しむ人などでごった返していました。


トンガ戦の撮影を終え、パリに移動。フランス戦が行われたのはパリ郊外・ナンテールに今年完成したばかりのUアリーナという屋内スタジアム。こちらはTOP14のラシン92というチームのホームグラウンドだそうです。ちなみにスタジアムのこけら落としはラグビーではなく、ローリング・ストーンズのライブだったそうで、ラグビーの最初の試合今回の日本代表戦でした。

会場までは、パリ中心部から地下鉄などで15分ほど。いわゆるパリのイメージである古い街並みと違い、高層のオフィスビルが立ち並ぶ郊外の新しい街でした。パリ市内は景観を守るために高層ビルの建設が出来ないので、こうして郊外にどんどん新しいビルが建っているそうですよ。

駅を降りてすぐにそびえ立つ新凱旋門から見たUアリーナ(写真右)。試合の時には中央の道がお客さんでいっぱいになるのかなと思っていたら、こちらはまだ途中までしか完成しておらず通れませんでした。笑

スタジアム横から駅方面を振り返ると、新凱旋門が見えます。

スタジアムの大きな特徴は、この大きなスクリーン。試合中はどうなるのかと思っていたのですが、中央の大きなスクリーンには得点が掲示されるのみで、プレーに大きな影響はなかったようです。ライブ会場にも使えるスタジアムなだけあって試合前やハーフタイムは、映像や照明の演出がもりだくさんでした。

ちなみに試合当日や翌日の新聞でも大きな紙面が割かれ、テレビの朝の情報番組では画面の隅にキックオフまでのカウントダウンが表示されるなど、一般の人の目に触れる情報は日本より多かったように感じました。

試合の結果はみなさんご存知のことと思いますが、今回の日本代表のフランス遠征の戦績は1勝1分け。その引き分けの相手は、過去のワールドカップで優勝こそないものの3度の準優勝を誇る、世界ランキング8位のフランス。駆けつけた23,000人がほぼフランスファンのアウエーの中、勝利まで本当にあと一歩の素晴らしい戦いを見せてくれました。試合後すれ違った他国のカメラマンから「素晴らしい試合だった。おめでとう!」と言われたり、帰りのメトロでは「GO!JAPON!」とノリノリのフランス人にも会いました。2年後がとても楽しみになった今回の遠征でした。

そして、今回ラグビー関係で出会った方々は皆さんとても親切でした。Uアリーナでカメラマン控え室に行けず迷っていると「今回が初めての試合で...わかりにくくてごめんなさい」と笑顔で案内してくれたり、常に困ったことは無いか気にかけてくれていました。
一方で、試合前日にキックオフ時間が若干変更になったりなど、日本ではなかなか経験できない事態にも遭遇したのも事実です。笑


日本代表の年内の活動はこれで終了。今週末からはさっそくトップリーグが再開されます。
フランスへ行っていた関係で、11月のサンゴリアスのトレーニングマッチ2試合を写真でご紹介できず、すみませんでした・・・
これからは通常モードに戻り、残り1ヶ月半となったシーズンを全力でお伝えしたいと思います。

サンゴリアスオフィシャルカメラマン 長尾亜紀

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