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初心者も楽しめるラグビーコラム

2017年6月14日

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『NSW Waratahs戦』

こんにちは!カメラマンの長尾亜紀です。

6/11(日)、東京・秩父宮ラグビー場にて「秩父宮フレンドシップマッチ2017 サントリーサンゴリアスvs NSW Waratahs戦」が行われました。この試合は「秩父宮みなとラグビーまつり2017」のメインイベントで、試合当日はもちろん前日までも様々なイベントが行われました。

試合の4日前に行われたオーストラリア大使館への表敬訪問で、NSWワラタスのウィル・スケルトン選手と談笑するスタッフのテツ君(伊藤哲章広報兼普及担当)。スケルトン選手は身長203cm体重140kgの体の持ち主。2人が並ぶとスケルトン選手の大きさが際立ちます・・・。ちなみにスケルトン選手、とても気さくな人柄だったそうですよ。

試合3日前に行われた歓迎レセプションでは嬉しい再会もあったようです。宮本啓希選手と一緒に写真に収まっているのは、宮本選手の母校・同志社大学ラグビー部の後輩の方々。ラグビー部のマネージャーをしていたという女性は、大学では被っていないそうですが、現在お勤めの会社で2019年のラグビーW杯へ向けたプロジェクトで再会したそうで、今日も偶然参加したレセプションでばったり会ったとのこと。宮本選手は、会の冒頭でチームを代表して挨拶をしたのですが「先輩がこのような舞台で活躍されているのを見て、とても嬉しかったです」と話してくれました。

そして迎えた試合当日。秩父宮ラグビー場の前の道路が歩行者天国に!たくさんの出店や大きなビジョンが現れ、試合開始2時間前には大盛況でした。

サントリーのブースの前ではドリンクのサンプリングも行われ、ラグビー部の事務局スタッフのみなさんが笑顔で対応していましたが、こちらも大行列でした!

ラグビー場周辺が大盛り上がりを見せる中、試合開始時間が刻一刻と近づきます。ウォーミングアップを終え、メンバー全員が塊になってロッカールームへと向かいます。

サンゴリアスは試合開始直後から気持ちの入ったプレーを披露。前半4分に先制トライを許したものの、前半9分には西川征克選手がトライを決めます。

試合は残念ながら2点差の惜敗。試合後も悔しそうな表情が印象的だった西川選手は「この春シーズン、ずっとこの試合に勝つことをターゲットにしてきて、いい試合(をする)という事は目標ではなかったので、勝てなかったことはすごく悔しいですが、これはシーズンへ向けての始まりなので、修正できる部分は今後に繋げていきたいと思います。」

昨年の公式戦では、なかなか出場機会に恵まれなかった寺田大樹選手は「自分の中での反省点は色々とあるんですが、成果としては先週から取り組んで来たモールでトライを取れたことはチームとしても自信になった部分だと思います。あとはフィジカル面でまだまだ足りない部分があるので(同じポジションの)小林(航)と一緒に2人でタフにやっていかなければいけないと思います。」 外国人のチームを相手に試合をしたのはU20日本代表の時以来だそう。「その頃に比べたら自分も少し成長出来たと実感できたので、この経験を活かして今後も頑張っていきたいと思います。」

相手の同じポジションにはあの大きなスケルトン選手。「デカイですね(笑)。(試合後)ジャージを交換したらサイズが全然違いました(笑)。」

2010-2011シーズンのトップリーグ第8節NTTコミュニケーションズ戦以来、7年振りに秩父宮のピッチに立った仲村慎祐選手は「必死でした(笑)」。 特別ルールで行われたこの試合は、選手の入替・交替は無制限。「最初出た後に3分くらいで交替しちゃったんで『え?もう終わり?』と思ったんですけど、その後(残り9分で再登場)は最後まで出られました。」

ワラタスの選手を吹っ飛ばすシーンも見せてくれた仲村選手は「僕の持ち味なので、そこは思いっきり行きました。コンタクトは少し手応えあったと思いますけど・・・。それにしても悔しいですね。途中から入って、何か変えられたらいいなと思ったんですけど。ただ、春からまず体作りやフィジカル強化をしてきて、今日この試合でその成果を実感出来たと思います。スーパーラグビーのワラタスというチームに、フィジカルの面では負けてないとみんな実感できたと思うので、これで健闘できたと満足するのではなくて、悔しい気持ちを持ったままやっていけば、トップリーグへも繋がっていくと思います。」

久しぶりと言えば、この人!昨年7月2日のサンウルブズvsワラタス戦以来、秩父宮のピッチに立った垣永真之介選手。久々の雄叫びも見られました。「(久々の秩父宮は)お客さんもたくさん入ってくれて楽しかったです。(試合は)いやぁ・・・いけましたね。といっても負けは負けですけど、選手全員いけたと思っているので、そこは成長したところじゃないかなと思います。毎週ワラタスの試合を見てみんなで分析して、本当にこの試合に賭けてきたんで、悔しい気持ちでいっぱいですけど、日本代表メンバーもいない中で今日のような試合が出来たことは、とてもいい経験になったと思います。この悔しさを糧にもう一度自分たちを見つめ直して、厳しくやっていけたらトップリーグへも繋がっていくと思います。」

本当に惜しい敗戦となったサンゴリアス。日和佐篤ゲームキャプテンもこの表情でした。

それでも試合が終わればノーサイド。国内の試合ではなかなか見られませんが、対戦チームとのジャージ交換はラグビーの文化のひとつ。お互い交換したジャージを着て、最後に集合写真。

ワラタスの同じポジション、ブライス・ヘガティー選手とジャージ交換をした竹下祥平選手。中にはラグビーパンツまで交換した選手たちもいたそうです(笑)。

試合後のアフターマッチファンクションでは、かつてワラタスで活躍・レジェンド的存在のピーター・ヒューワットBKコーチから、ワラタスの1年目の選手たちにキャップが渡されました。



この春シーズン、とにかくこの試合をターゲットに準備をしてきたサンゴリアス。親善試合でしたがまるでテストマッチのような高いレベルの試合で、見に来られた方々はとても楽しめたのではないでしょうか。チームにとってはとても悔しい敗戦になったものの、これまで過ごしてきた時間とこの経験は、トップリーグに向けて大きな財産になったことと思います。トップリーグ開幕まであと2ヶ月余り。この経験を活かしてどんな成長を見せてくれるのか、開幕を楽しみに待ちたいと思います。

サンゴリアスオフィシャルカメラマン 長尾亜紀

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