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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2014年11月25日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #187 “特別編”『キックオフ その5』

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「キックオフ」その5(解説:大島 佐利)
 
 
僕が競ってキャッチ出来る時は、上がってるボールに対して、相手が構えて待っている時です。待っている時というのは、ジャンプして取るのは難しいので、下でセーフティに構えていることが多いんです。そこへ相手に見えないところから、僕はスッと横から入って取りに行きます。相手の視界に入らないところから行く。「ボールに対して外目から走って、最後に内に入って取るようにすると取りやすい」と教わりました。
 
一方でキッカーの横に背の高い選手をそろえて、キックと同時にその選手たちがボールを取りに行く、というパターンもあります。練習する時は、キッカーがいないと始まらないので、キッカーとタイミングを合わせて練習します。
 
取ろうとする時にはこちらも無防備になります。「空中にいる時には相手はタックル出来ない」というルールがあるので、それを信じてプレーします。それで相手が入ってきたら相手のペナルティになる訳で、ボールしか見ずに取りに行くということを僕は意識しています。もちろんあまりお腹を空け過ぎずに行こうとしていますが、ある程度勇気も必要です。

 
2年前の「ジャパンセブンズ」でリコーと試合をした時に、相手が2枚リフトで挙げていたんですが、その挙げている人の背中にお尻で乗って、ポンとボールを取った時には、ちょっと「会心だな」と思いました。
 
さらに僕が「会心だな」と思ったのは、15人制でキックオフがパーンって上がって、相手は2枚でリフトしていたんですが、リフトの選手の高さとボールの高さを見て、「これ絶対に裏に落ちてくるな」と思った時があったんです。その時にあえてリフトの後ろまで走ってジャンプしたら、案の定、相手をボールが通り越してスポンと取れたんですね。振り返らずにタイミング合わせて取りました。
 
いろいろチャレンジしますが、そんなには取れません。確率的には1割、2割取れれば良い方だと思います。空いていた時にはそこを攻める、というオプションとして持っていれば良いのではないでしょうか。
 
<了>

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