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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2014年2月11日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #133『キックチェイス』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「キックチェイス」(解説:大島 佐利)
 
 
こちらがキックを蹴って相手がボールを取ると、カウンターアタックを仕掛けてきます。その時にきちんと一列になって、相手にチェイスをかけて行くことで、ボールを持って走ってくる選手に良いアタックをさせないようにしていく。それをキックチェイスと言います。
 
一列になっているものが、例えば一人が飛び出して行ってしまって1ヶ所でも穴が開いてしまうと、そこにパスだったりランだったりで、相手にボールを運ばれてしまいます。そうされないように、一列になって良い位置、良い間隔で、相手を早めに止めなければいけません。
 
その列をコントロールしているのは、基本的にはウイングと、あとはセンターやフランカー、第3列の選手が周りとコミュニケーションを取ります。ボールまでの距離があるので、ボールを誰が見ているということを走りながらコミュニケーションして、もしパスされたらその選手は自分が見るというようなことを、伝え合っています。
 
これを完璧にやるというのは難しいんですが、なるべく完璧に近いようにやっていかなければなりません。相手にプレッシャーをかけてスペースを与えないことが大事ですが、それよりもいちばん気をつけていることは、抜かれない、ギャップを作らない、1人が勝手に飛び出したりしない、という“組織のディフェンス”をしていくということです。
 
こちらの選手と選手の距離は、プロップが並んでしまったら少し狭くしたりしますが、ある程度、自分が見ることの出来る幅を皆に伝えなければいけないし、チームメートも他の選手の守れる範囲を知らなければいけません。これは練習で身につけるものだと思います。

 
ボールを取った相手が真っ直ぐ来た方が、前に出られる距離は長くなります。エリアを取りたいのにエリアを戻されてしまう訳ですから、状況にもよりますがそれはそれで嫌ですし、パスをふられる時は、そこに相手もスペースを見つけたからパスする訳です。いずれにせよこちらは一列の面を崩さずに、全体で寄って追って行く形になります。ディフェンスのラインをそのまま押し上げるというイメージですね。
 
キックチェイスでは1人で全てをコントロールするというよりは、全員で声を出しながら、“手をつないで前に出る”というイメージですね。手をつなぎながら、もっとこっち来い、と味方に指示したりという感じですね。

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