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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2013年6月25日

サンゴリアス ラグビー大辞典 #069 『1番』

サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
 
 
「1番」(解説:尾崎 章)
 
 
スクラムを組む時の第1列で、相手に向かって左側の選手が1番です。1番を「ルーズヘッドプロップ」と言いますが、第1列の相手に向かって右側の選手が3番、「タイトヘッドプロップ」です。スクラムを組む時、1番は自分の右肩に相手が入ってきますが、3番は右肩にも左肩にも相手が入ってきます。それで同じプロップでも左右で呼び方が違いますし、役割も違います。
 
僕はもともと3番だったんですが、「3番で池谷(陽輔)に勝てるか?」と言えば勝てないですし、「じゃあ1番でもゴリゴリ行けるか?」と言えばそこまでいけるということではないんですが、その部分は慎さん(長谷川/元サントリー/現ヤマハ発動機コーチ)に拾ってもらったんです。拾ってもらったと言うのは、3番であまり試合に出られなくて、「お前1番やってみろよ」と言ってもらって、それからずっと事細かに教えてもらいました。2007年だったんですが、チームの中で選ばれたメンバーがフランスのワールドカップを観るのも含めてフランス遠征に行っている時に、僕は日本に残って、慎さんも残ってくれて、僕と慎さんと小川(OB/真也)とでず~っと、「ああでもない、こぅでもない」と言いながらスクラムの練習していました。

 
2番(フッカー)はラインアウトを投げなければいけないし、やることが多いので、「さすがに僕には無理だなぁ」というか、僕は「やれ」って言われないですよね(笑)。1番をやったら試合に出られたので、結果的には1番が僕に合っていたんだと思います。1番の大変さというのはあまり思いつきません。たぶん3番の方が両肩に敵がいるので大変です。1番は2番と一緒に相手の3番を攻めた時に、逆に相手の1番と2番がこっちの3番を攻めてきて、やられてしまう場合もあるんです。だからこう(写真のように)バシッとこないとダメなんです。

1番と2番はセットなので3番をいかにサポートするかなんですが、あまり右へ行くと1番がバチンと落ちてしまうので、しっかり組んで2番に寄りつつも3番が出る、というようなイメージでいかないといけないんです。片方に押しすぎると割れちゃって逆に攻められる場合もありますし、こっちに3番がグッと寄っておいて1番が寄ると3番が出やすかったりする場合もあります。真っ直ぐに押すこともありますし、場所とエリアでいろいろなケースがあります。1番は、ロックの動きを感じたり、フッカーへどう力を伝えるということが大事ですから、鍛えるのはどこかということになれば、体幹という話になってくるのではないかと思います。
 
グラウンドではスクラム以外のプレーも大事で、アタックとディフェンスの時に、“4人目の第3列”という意識で臨んでいます。6番、7番、8番の次。スクラム以外のプレーもやらないと、試合に出させてもらえないですし、チームが勝てません。決められたアタックのポジションにしっかり入る。入れなかったら次の仕事を探して、そこのポジションについてその仕事をする。ボールを前に運んだり敵をオーバーしたり。逆にスクラムの時は、第1列だけで押しているのではなく、6番、7番、8番も押しているので、そういう意味でもまとまりが必要なんだと思います。1番をやっていて一番嬉しいのは、スクラムを押して、そこから展開してバックスがトライを取ってくれたという時ですね。

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